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勇者召喚なんて起こるわけがない  作者: 蒼原凉
勇者召喚対策本部、始動
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 結局、俺はその変な部活(確か名前は勇者召喚対策本部)だったかに所属する、というかさせられる羽目になった。もう嫌だ。中二病ってろくな目に合わないな、はあ。

 それでも、一応所属する条件として、部長だけはやめさせてもらった。そりゃそうだ。誰だって、あんな変人集団の一味筆頭だなんて思われたくないし。俺、普通に普通な高校生活を謳歌したかったし。でも、こういう巻き込まれがた主人公でも、最後には自分の居場所を求めるんだよなあ。そうならなきゃいいけど。

 というわけで、俺は副部長になった。透華はどうしても俺を高い地位に置きたいらしい。そりゃ、礼奈さん以外に常識人がいないから、そういう人物を立てたいのはわかるが。生徒会とのやり取りは全部俺に任されるんだろうな。わざわざ書き直した部活動新設届を生徒会へと運びながら、俺はそう思うのだった。

「なんだこのふざけた届け出は! 目的がおかしいし、そもそも名前は何だ! 本部を本と部で切るな!」

 はい、まったくもって生徒会長のおっしゃる通りです。本と部で切るのはおかしいって、俺も言ったんだけどね。無視された。ちなみに、副部長の欄以外、俺は全く手を貸してません。無関係です。

「というか、一条さん! こんなもの、通りませんからね!」

 入学式の日に飛鳥ともめていた役員も言う。すいません、俺、一条じゃなくて小鳥遊です。部長の欄にはそう書いてあるけど、どう考えても女性名でしょ。俺、男性だから。

「ちょっとこれは先生に報告する必要があるな、来い!」

「あの、俺、小鳥遊です」

「どっちでもいい!」

 ですよね。自分でもそう思います。まあ、でも、叩きつけたらあとは帰って来いって話だったからそうさせてもらいます。なにせ背後には理事長がいるんだから。……ううう、怖い。

「それじゃあ、渡しましたから! 渡しましたから、帰りますね、それじゃあ!」

「待て! こんなものは破棄だ!」

 生徒会の皆さん、それを破棄すると後で作り直させられるかもしれないんで、できれば保持しといてください。それから、俺は雑用を押し付けられただけなので、これにて失礼します。

 もう、泣いていいかな。




 翌朝、何事もなかったように、部活動新設届が通ったと、同じクラスだったらしき友梨に聞かされた。流石理事長権限。しれっと、無茶を押し通す。怖いよ。

 それにしても、生徒会って大変そうだな。俺、あっち側に引きずり込まれたから軋轢あるだろうし、同情できないけど。

「それにしても、本当にはいる羽目になったんだな、あのへんな部」

「マジで、疲れるよ」

 荒井の同情の言葉に力なく返す。せっかくの放課後なんだ。連行されるまでもうちょっと寝かせといてくれ。

「でも、面白そうじゃない? 勇者召喚部だっけ? 美少女ぞろいだしさ」

「立川、そう思えてるうちは幸せだ。だが、内面を見たら、絶対拒否するぞ」

 だからわざわざ地雷を踏むなて。それから少し間違ってるぞ。

「え、でも」

「でもじゃない! あれはどう考えても変人の集まりだ! 入ろうなんて変な気起こすんじゃないぞ!」

 思わず立ち上がって叫ぶ。ヤバイ、これだけでダメージ来てる。

「でも、それに突っ込んでった小鳥遊君はさらに変人じゃない?」

 隣から女子の声が混ざってくる。この声は、委員長か。というか、変人レッテル張るのやめてくれません? 俺は巻き込まれただけの名前が珍しい一般人なので。過去のことはともかく。

「いや、委員長、俺は」

「須々木だよ。鈴木でも委員長でもなく須々木だよ」

「だから、須々木さん、俺は巻き込まれただけで変人なんかじゃないんですって」

 須々木だか鈴木だか知らんが、俺は一般人だ。断固主張する。

「一般人なら、あの人たちと一緒になんてやっていけないと思うけど。勇者召喚対策本部でしょ? 生徒会から聞かされたよ。なんでも不思議な力がかかったとか」

 いや、そうだけど。俺は一般人枠! 元中二病でも今は一般人だから!

「セイギ、遅いわよ! せっかく部活作ったんだからさっさと来なさい!」

「うわっ! というかロープ持ち出すな! わかったから、今から行くから!」

 どうやら、お迎えが来たらしい。神妙に、文字通りお縄につけと。

「やっぱり、小鳥遊君も結構変わってるよ。みんなにも小鳥遊君が勇者召喚対策本部に入ったって教えてあげないと。興味持ってる人もいるしね」

 あの、須々木さん。そうやって微笑みかけるのやめてもらえます? しれっと何大変なこと言ってるんですか! 悪評披露目内で! 俺にうらみでもあるの!?

 しかし、そう思った時は既に後の祭り。拘束された俺は既に教室から引きずり出されていたのである。名誉挽回のチャンスが欲しい。

 それはともかく。いや、置いといていい問題じゃないのだが。

「それじゃあ、セイギもそろったことだし、早速勇者召喚対策本部の会合を始めます!」

「あの、透華」

 部室(決定した)についてすぐ言う透華に、ずっと前から言いたかったことが一つ。もう抵抗しても無駄だから、縄をほどかれた。この部活に入ることは俺の黒歴史を隠す必要上仕方がないにしても、こいつらからいろいろといわれることに不満がある。

「ずっと、セイギセイギって言ってるけどな! 俺の名前は正義まさよしだ!」

 セイギなんて変なあだ名で呼ぶな!

全然筆が進まないよ……><

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