1/17
プロローグ
現代社会はストレスの宝庫だ。
働き手をしっかり考慮してくれるような企業は稀で、今や日本人の5人に1人はうつ病であるとさえ言われる。
俺鈴木凌大もご多分に漏れず世間一般のいう「黒い会社」に勤めている。
上司は責任逃れ・押しつけに特化したようなクズ野郎だし、同期はみんな疲れ切り死んだ魚のような目をしている。
今年新卒で入社してきた新入社員も当初は20人いたのが6月上旬ですでに9人というんだから職場環境は「あっ…(察し」である。
先に述べた「5人に1人」に入っていないだけ周りと比べてまだ俺は幸せな方なのかもしれない。
先週から炎上している案件の対応メールがひと段落し、ふと時計に目をやるとちょうどあと数分で12時になるところだった。
今日は昼休みがちゃんと取れそうだから久々に外に飯でも食いに行くか、何食べるか、などと思案していると
「鈴木ぃ!!!」と怒気を孕んだクソ上司の怒号が俺にむけて発せられた。
「はぁ…またかよ…。」
小さく呟いて、俺は上司のデスクへと重い足取りで歩きだした。