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禁忌魔術師の後継者  作者: 赤鳥 異常
トミヤ君によろしくね
10/12

笑い会うまでよろしくね。

とある少年と友達の日常。

誤字脱字、文章の矛盾がありましたらご報告お願いします。

五月蝿く蝉が泣き、そよ風に靡かれ風鈴が鳴る。今は夏休みの真っ只中であり、僕達六人は何の目的も無く二月の家にいる。今は成り行きで名五を除いた五人でポーカーをやっているのだが一向に役が揃う気配が無かった。


「一松は揃った?僕は役無し」


「僕もだよ富也君。なかなか揃わないね」


「いや何でお前ら、そう平然と出来るんだよ。明らかおかしいだろ、このトランプ」


十五回役無しを貫いた四季は遂に堪忍袋の緒が切れて手に持っていたトランプを畳に叩きつけた。まあ、怒っても無理もないか。僕も一番強い役で六のワンペアだし。


「五月蝿いな。別に何もおかしく無いじゃないか。はい、ハートのフラッシュ」


「それは三葉が運がいいからだよ。これで何回目だフラッシュは?」


「えって、五回かな」


「三文の一がフラッシュだろうが。それ以前このトランプ何が可笑しいんだよ」


kN(ナイト)のフォーカードです。私の勝ちですね」


二月の明かした手札はkN四枚に十四が一枚。あれ、たしかトランプって十三までしかなかったような。そういえば僕の手札の中のK(キング)は何番なんだろうか。別に十三のカードがあったけど。


「いや、だからそれだよ。なんなのナイトって?ジャックなら知ってるけど、ナイトなんて見たことないよ。そうだろ名五?」


「暑い。アイス枕無いの?」


因みに名五は二月の許可を得て布団を敷いて寝ていた。やっぱり名五は暑さには弱いらしい。熱中症ならないといいけど。


「やっぱりお前は黙ってろ。ともかく何で数字札が二十枚もあるんだよ?」


「何も可笑しくないよ。一から始まって十五、kN、B(ビショップ)J(ジャック)Q(クイーン)、Kだよ。」


「なあ六花、俺がおかしいのか。それとも三葉の頭が狂っているだけか。俺達トランプやってたよな?何時からチェスに変わった」


「いや、チェスはジャックじゃなくてルークだけど」


「もういいや、次からイカサマありな」


「四季君、イカサマは駄目だよ」


「説得するだけ無駄だよ一松。こいつはもう勝つ事にしか考えてない。泥人形以下の存在に成り下がった」


なんか急に三葉が毒舌になった。これはもうお互いが本気だ、目の色が変わっている。賭け事もしてないのにどうして人間性はここまで変わる事が出来るのだろうか?


因みに二月は至って平然としていて、一松は場違いな空気が流れていることに対して困惑していた。何でこう生きるか死ぬかの空気が流れているんだろう。これポーカーだよね。


「良し、見ろ俺はフルハウスだ」


そう言って四季が見せた役はどう見てもツーペアだった。


「ねえ、四季。これツーペアだよ」


「馬鹿な、俺は確かに隠し持っていたキングとすり替えたはずなのに何故三になっている」


「残念だよね。僕の前でイカサマするこうなるんだよ。ロイヤルストレート」


「何故俺のキングを貴様が持っている。そのキングは俺の物だ。寄越せ」


あ、また喧嘩が始まった。どれだけ仲悪いの君達。


「諦めなよ四季、僕の勝ちだ」


「誰が貴様何かに勝ちを勝ちを譲るか」


三葉は勝ち誇った様な顔をしているけど四季に首絞められているよね。大丈夫かな、多分このまま止めなかったらどちらか死ぬ気がする。しかし、そんな僕の不安は直ぐに消し飛んだ。


「Qのファイブカード。また、僕の勝ちですね」


二月の役はクイーン四枚とジョーカー一枚だった。


「何がおかしい分かったわ。二月の運が良すぎるだけだ」


「仕方無いよ四季。僕達では二月には叶わない」


なんかオーバーリアクションじゃないかな。そこまで派手に膝から崩れ落ちなくてもいいと思うよ。


「皆元気がいいね。俺はポーカーでそんなに楽しめる人は始めて見たよ」


急に後ろから幼い少女の声が響いた。後ろ振り替えるとそこには僕達の読み物とアイス枕が乗った御盆を持った二月の婚約者が立っていた。たしか名前は臼見(うすみ) 玲奈(れいな)だったけ。


「有難うございます玲奈。そうだ、もし良かったら玲奈もポーカー参加しませんか?」


「止めろ二月。お前の幼妻まで参加すると手がつけられなくなる」


四季の言うとおりその後のポーカーは二月と臼見の独壇場となってしまった。この二人強すぎる気がするな。一松とか最早空気になっていたし。


そうやって僕ら日常を謳歌する。何時までこうして六人が揃っていられるだろうか。何時かは離ればなれになってしまうかもしれない。それなら笑い会えなくなるまでこのままでいたい。












とある飛行船に存在する寝室。そこで一人の幼女が目覚める。彼女は今見た夢をどう捉えていいか分からなかった。この夢で見た内容がまるで今まで見ていた夢の答えが見えてくる様な気がした。


「どうしてレウスがいるのか、そう言えばレウスは異世界から来たって言っていたような気がするです」


今回の夢には母親に捨てられ行き場の無い自分を育ててくれた夫婦が登場していた。この事実に彼女は頭の中で様々な仮説をたてていき、あの夢との関係性を考えた。


もしかすると夢とこの世界は繋がっているかもしれない、という仮説に行き着くと突如あの異変が起こった。


「笑い会うまでよろしくね。...またです」


あの夢を見た後に勝手に口が動く謎の現象。しかし、何故このような現象が起こるのかは解明する事が出来ず彼女を悩ましていた。


現在分かっている事は夢の主人公である少年は六花 富也は異世界に住んでいるという事とレウスとイズナは六花 富也を知っている事である。


「誰何だろ、六花 富也って?」


夢の主である少年について気になった彼女は直接レウスに聞くことにした。ベットから這い出ると本やメモ用紙で溢れかえってテーブルから黒電話を取り出すとレウスに電話を掛けた。


深夜であったため直ぐに出ないだろうと思っていたが以外にレウスは直ぐに電話に出た。


「ごめんねレウス、こんな夜中にすいません、です。」


『別にいいよ。君から電話を掛けて来るなんて珍しいね。何かあったのかい?』


「ちょっと聞きたいことがあって、レウスは六花 富也って人を知ってるいるですか?」


『何処デ知ッタノ?』


少し間を置いて帰って来たレウスの声は何時もの穏やかで優しい声では無く、冷たく戸惑いを隠しきれていなかった。明らかにおかしいレウスの返答に戸惑いながらも夢で見たことは伏せて曖昧に誤魔化した。


「イズナから聞いたんです...」


『アノ人、マタ余計ナ事ヲ...。一応知ッテイルヨ』


「その人がどうなっているか分かりますか?」


『彼ハ死ンダヨ。』


「え?」


『コレ以上ハ聞カナイデクレ。絶対ニダヨ。』


その後一方的に通話を切られた。


「死んだって、何で死んだんですか?」


彼女は六花 富也が既に死亡していた事実が衝撃的で色々考察していると朝になっていた。

新たな登場人物

臼見(うすみ) 玲奈(れいな)

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