表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
御殿山の魔術師  作者: リノキ ユキガヒ
「やっぱり…」
13/33

熱っち~

次の日私は、永代通りをバイクで走っていた。

今日はプライベートでは無く社用だ。提携を結んでいる運送会社へ

書類の類を渡すついでとまぁ挨拶のようなものを兼ねてだ。

極たまにだがこういう営業紛いのような事もたまにはする。

と、いうか中小企業なので一人が何役かこなさなければならないのは宿命だ。

とはいってもお使いと対して変わらないし、大それた事は起きない。

用事自体はものの数分で終わる。

私は用事が済んだ事を携帯電話で配車の大槻さんに伝えた。彼は

「今日も暇だし、定時までに戻ってくればいいよ」

と言ってくれたので私は都内を少しブラついて戸田の会社に戻る事にした。

とは、言ってもこの間みたいに秋葉原からいきなり戦後間もない頃に飛ばされても困る。

私は反射的に神田方面を避けるようにして新橋方面へとハンドルを向けた。

接続した広い昭和通りは真ん中がアンダーパスになっており新橋まで信号に引っかからないでアクセスできる。

交通量が少ない時は楽だが、渋滞をしている時、バイクでここを通るのは自殺行為だ。

私はバイザー越しにアンダーパスの様子を伺うと、そんなを混んで無い雰囲気だったのでそのままアンダーパスに進入した。

辺りがパッと暗くなり愛車CBR600Fの排気音が辺りに反響する。

ある程度進むと車が止まっているのが見えた。

「あちゃー、ここから混み始めたかー」

と、私はメットの中で叫ぶと最後尾に着いた。

車列はノロノロと進んで行く。

私もそれに合わせてノロノロと進む。

後ろからは125cc位のスクーターやオフロードバイクが軽快にすり抜けて行く。

「やっぱり都内はあれ位のバイクが丁度いいわね」

そう呟きながらバイクをノロノロと進める。しかし


「熱い」


まだ、夏ではないがやはりアンダーパスのように風通しの悪い所は色んな車両から放たれる熱が逃げ場を失い篭っていて、身体一つで乗るバイクのライダーにとっては辛い。

しかも股下からは自分の跨がるバイクの熱気が容赦無く湧き上がってくる。しかもそれはラジエーターに付いたファンの熱風付き。

私はその環境に耐えかね車列の隙間から前方を伺い、自分もすり抜けをしようと意を決した。

最後にバックミラーを覗いて後方からバイクと「白黒で赤色灯」の付いた車両が無い事を確認すると自分のいる車列から飛び出した。

タコメーターの回転数が跳ね上がり周りに一際大きな排気音が響く。

車と車の間を器用にぶつからない様に縫う様走り抜ける。

走行風がバイクと火照った身体を包み込む。

昭和通りのアンダーパスは幾つかに別れており、地上を出たり入ったりする。

私は地上を目指し慎重にバイクを運転する。

そしてアンダーパスの登り坂に差し掛かった瞬間に強烈な光に襲われた。

私はその余りの眩さに耐えかね一瞬目を瞑ってしまった。

そして目を明けた次の瞬間に後ろから「バラララン」と、けたたましいバイクの排気音が耳に飛び込んで来た。聞き慣れない2サイクルのエンジン音に「NSR?」と心の中で呟くと音のする方に首を向けた。

しかしそこに居たバイクはNSRとは似ても似つかないネイキッドバイクでフロントフォークからは旗竿が延びており旗のような物がはためいていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ