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始ノ始ヲ語ル 星ノ譚 5


 気が付いたら、遥か空の上だった。

 ああ……そうか。

 死んだら、人は天に昇るんだっけ?

 本当だったのか。

 この時代に来て、本当に非常識なコトだらけだったな。

 ごめん、みんな。

 帰れそうに……ないや……

 

 スグル


 ?

 声?

 僕を、呼んだ?

 

 スグル 

 

 母さん……?


 スグル オキロ


 ……妖精?

「うわっ!」

 自分が置かれた状況を理解する。

 妖精たちが僕を支え、飛んでいるのだ。

 砂漠全土を見渡せるような上空を。

 

 スグル アリガトウ


 妖精が語る。

 

 ワレラ ヤツラノ タオシカタワカッタ カンシャスル アトハ ジブンデ


 妖精たちが輝きだす。


 カタヅケル


 光が、地上に降りる。

 砂漠と森の周り、海に向かって。

 砂漠には黒い染み。おそらく三角頭の群れだろう。

 海が、動いた。

 瞬く間に森と砂漠を包んでゆく。

 世界が、蒼になった。

 

 コレデ ヤツラ イナクナッタ


 ……魔法まで使いやがったよ。コイツら。


 アリガトウ スグル


「いや、大したことない。あいこだ」

 僕はそう言った。

 今度は僕に光が訪れる。

「お別れの時間だな」

 転移だ。元の時代へと誘う。

「いろいろ助かった。また会おうとはいえないが……元気でな」

 ささやかな、別れの挨拶。

 時が収束する感覚。

 

 アリガトウ スグル サヨウナラ


「ああ」


 アリガトウ


 僕の意識が時の歪みへ吸い込まれる瞬間


 カンシャスル ワレラノ『コ』ヨ


 そんな声が聞こえた。


            *

 制服に着替え、準備は整った。

 自分の部屋を出る。

 隣の妹の部屋の前で言う。

「ミユ!起きろ!僕はもう行くぞ!」

 部屋の中から間の抜けた返事が返ってくるのを確認してリビングへ行く。

「じゃあ、行ってくるよ。父さん」

「ああ。いってらっしゃい。優くん」

 ……君付けはやめろと言うのに。

 まあいいけどね。

 さて、『いつものように』学校へ行きますか。

 

 リビングから玄関へ向かおうとしたそのとき、テレビのあるニュースが耳に入った。

 

『きのう日本時間午後六時、NASAの発表で火星に生物の痕跡が見つかったことが明らかになりました』

『この生物は、体調は40センチほどで虫の様な形状をしており、特徴的な平たい二等辺三角形の頭を持っていたとのことです』

『この生物の体内から無数の葉緑体が発見され、火星に緑があったことが証明されました』

『火星にはかつて広大な森があり、この生物によって森が食い尽くされ現在のような荒れた星になってしまった、などという興味深い説もあります』

『火星にこのようなバクテリア以外の生物の痕跡が見つかったのは初めてです。これにより火星の探索がぐんと進むことでしょう』

『以上、今朝のニュースでした』


 ……。


 ……それって。


 ……。


 ……まさかな。


こんな拙い作品を最後まで読んでいただいてありがとうございます。

自分自身読み直してみて、過去の作品とは言え学ぶものはありました。

もちろんそれ以上に床を転げまわりたい気持ちが強いですが…。

感想などいただければ作者は非常に喜びます。

最新作を書く気力が沸き起これば、またお会いしましょう。


重ねて、最後まで読んでいただけたことにお礼申し上げます。

少しでもあなたの心に届く何かがあれば幸いです。


百式、

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