第五章
『時が やってきた・・・・』
千羅は確かに、誰かの声を聞いた。
意思の強そうな、それでいて澄んでいるとても美しい声で、確かにそう言ったのだ。
人の心を揺り動かすように、聞いたことも無い声で・・・・
「きゃあっ!!」
ことりの叫び声で、千羅は現実に引き戻された。
目の前には神社のような建物がある。
「ここ、何処・・・・?」
ことりは不思議そうに辺りを見回す。まるで神社そのものを見たことが無いかのように。
「なんだろう、これ・・・・何だか、懐かしい」
神社の賽銭箱に触れながら、ことりは小さく呟いた。
辺りを見回すと、大きな桜の木があった。千羅はその桜を見た瞬間、ひどく頭が痛んだ。
「なっ・・・」
―『千羅君・・・・・』
ざあぁぁぁぁぁぁぁああ・・・・
大雨のように降り注ぐ桜の花弁の中で、小さな女の子が呼んでいる。心底嬉しそうに笑って、こちらに手を差し伸べている。顔はもやがかかっていて、よく見えない。
だが、相手の顔が見えなくとも心が温まるのを感じた。
覚えのある景色・・・・・・
そしてそれは、
今自分が目にしている景色・・・・・・
「思い出した!!」
突然千羅が叫ぶので、ことりは驚いて飛び跳ねた。
「なっ何!?どうかしたのッ!!?」
千羅はことりを見て、本当に懐かしく感じた。
『千羅君・・・・』
耳に心地よく響いたソプラノの高音は、今となっても何ら変わりなく心に響く。
あの時、この場所で聞いた、綺麗な声。
千羅がまだ、幼かった頃の事。
更新ホント遅くてすみません><
皆様こんばんは☆お待たせ致しました。第四章で御座います。
って、短ッ!!短いよ!何コレ!?
こんな筈では。。。orz