第四章
遅くなってしまって本当に申し訳御座いませんっ(><)多忙でした為、なかなか執筆できず・・・更にネタギレで困り果ててしまっておりました事も御座いまして・・・・。待っていて下さった方、お待たせ致しました。第四章、楽しんでいただけたら光栄です^^
「そこまでだ」
木陰から、千羅が姿を現した。さっきと何ら変わることの無い無表情で。
「せっ、千羅!!」
ことりは目を丸くして言った。
「ご登場だな」
男がにやっと笑って言う。千羅は感情の抜け落ちた目で男を見据える。
「私に用があるようだな。言っておくが、手加減はしないぞ」
千羅がそう言った瞬間、彼の体から凄まじい殺気が溢れた。ことりも男も驚愕する。そしてゆっくりと千羅は顔を上げる。千羅の瞳を見た瞬間、あまりの恐怖にことりは息が出来なくなった。その瞳は、灼熱の炎を宿しているかのような壮絶な力を秘めていた。
「ほう。白狐に間違いない。お前に用があって来た。単刀直入に言う」
男は一呼吸おいて、
「「生命の樹」より仰せつかってきた。<白狐>お前を「生命の樹」の元へと連れて行く」
と言った。その声は低く、静かに脳に響いた。千羅は相手を警戒しつつも、疑問の表情をする。
「何故「生命の樹」がそんな事を・・・?」
抑揚の無い声で、千羅は静かに、抱いた疑問を口にする。ことりは突然のことに驚くばかりで、話についていけていない。
「時空嵐がなんたらとかおっしゃっていたぞ。あと、「紅凰」も連れて来いとおおせつかっている」
千羅はちらりとことりを見、そして男と見ると、思案して沈黙した。
「千羅・・・」
「・・・・分かった。行こう」
ことりは悲しそうな顔をする。そして決心したのか、
「私が<紅凰>連れて行くなら早くしなさい!」
「小僧と小娘がそろって・・・?不思議なこともあるものだ。小娘、それが嘘だったとしても、「生命の樹」の偉大なるお力の前では無意味だぞ」
そう言うと男は大地に何かを描く。描かれた何かは光り輝き、強い光に二人が思わず目を瞑る。
二人が目を開くと、そこには輝く一つの見たことも無い程大きな樹があった。
「これが、「生命の樹」・・・」
ことりは生命の樹の美しさに見とれている。
千羅は辺りを見回したが、先ほどまでいた男の姿が見当たらない。
「見て千羅!樹が「歌ってる」よ!!」
ことりの声を聞き、千羅は「生命の樹」を振り返った。
―ポォン ポォォン・・・
「生命の樹」が幻想的な音楽を奏でる。まるで樹が歌っているかのような光景に、千羅は言葉を失った。
「生命の樹」はその間の歌い続ける。樹が音を奏でる度に、光が波紋を作るように揺らいだ。
「樹・・・生命の、樹・・・・・」
虚ろな瞳でことりが「生命の樹」を見上げる。
「ことりっ!?」
突然ことりの体が宙に浮かんだ。ことりを掴もうとした千羅の手が空を切った。
「くっ!!一体何が」
「我、<紅凰>なり。「生命の樹」よ、我に力を!!」
ことりがそう言った瞬間、ことりの周りを七色の光が包んだ。そして光がことりを包み込むと、ことりはゆっくりと降りてきた。
「千、羅・・・?私・・・・」
ことりは不思議そうにきょろきょろ辺りを見回した。すると、どこからか声が聞こえてくる。反響してうまく聞き取れないせいか、声は降ってくるように感じられた。
『白狐、紅凰、時空を覇する者となれ。六つの宝玉とクリスタルを探し出せ』
「宝玉?それっ」
ことりが訊く間も無く、竜巻のような風が二人を襲った。
「きゃあぁぁぁぁぁー!!!」