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覇者  作者: 朱音
4/10

第四章

遅くなってしまって本当に申し訳御座いませんっ(><)多忙でした為、なかなか執筆できず・・・更にネタギレで困り果ててしまっておりました事も御座いまして・・・・。待っていて下さった方、お待たせ致しました。第四章、楽しんでいただけたら光栄です^^

 「そこまでだ」



 木陰から、千羅が姿を現した。さっきと何ら変わることの無い無表情で。

 「せっ、千羅!!」

 ことりは目を丸くして言った。

 「ご登場だな」

 男がにやっと笑って言う。千羅は感情の抜け落ちた目で男を見据える。

 「私に用があるようだな。言っておくが、手加減はしないぞ」

 千羅がそう言った瞬間、彼の体から凄まじい殺気が溢れた。ことりも男も驚愕する。そしてゆっくりと千羅は顔を上げる。千羅の瞳を見た瞬間、あまりの恐怖にことりは息が出来なくなった。その瞳は、灼熱の炎を宿しているかのような壮絶な力を秘めていた。

 「ほう。白狐に間違いない。お前に用があって来た。単刀直入に言う」

 男は一呼吸おいて、

 「「生命の樹」より仰せつかってきた。<白狐>お前を「生命の樹」の元へと連れて行く」

 と言った。その声は低く、静かに脳に響いた。千羅は相手を警戒しつつも、疑問の表情をする。

「何故「生命の樹」がそんな事を・・・?」

 抑揚の無い声で、千羅は静かに、抱いた疑問を口にする。ことりは突然のことに驚くばかりで、話についていけていない。

 「時空嵐がなんたらとかおっしゃっていたぞ。あと、「紅凰」も連れて来いとおおせつかっている」

 千羅はちらりとことりを見、そして男と見ると、思案して沈黙した。

 「千羅・・・」

 「・・・・分かった。行こう」

 ことりは悲しそうな顔をする。そして決心したのか、

 「私が<紅凰>連れて行くなら早くしなさい!」

 「小僧と小娘がそろって・・・?不思議なこともあるものだ。小娘、それが嘘だったとしても、「生命の樹」の偉大なるお力の前では無意味だぞ」

 そう言うと男は大地に何かを描く。描かれた何かは光り輝き、強い光に二人が思わず目を瞑る。


 



 二人が目を開くと、そこには輝く一つの見たことも無い程大きな樹があった。

 「これが、「生命の樹」・・・」

 ことりは生命の樹の美しさに見とれている。

 千羅は辺りを見回したが、先ほどまでいた男の姿が見当たらない。

 「見て千羅!樹が「歌ってる」よ!!」

 ことりの声を聞き、千羅は「生命の樹」を振り返った。





―ポォン ポォォン・・・




 「生命の樹」が幻想的な音楽を奏でる。まるで樹が歌っているかのような光景に、千羅は言葉を失った。

 「生命の樹」はその間の歌い続ける。樹が音を奏でる度に、光が波紋を作るように揺らいだ。

 「樹・・・生命の、樹・・・・・」

 虚ろな瞳でことりが「生命の樹」を見上げる。

 「ことりっ!?」

 突然ことりの体が宙に浮かんだ。ことりを掴もうとした千羅の手が空を切った。

 「くっ!!一体何が」

 「我、<紅凰>なり。「生命の樹」よ、我に力を!!」

 ことりがそう言った瞬間、ことりの周りを七色の光が包んだ。そして光がことりを包み込むと、ことりはゆっくりと降りてきた。

 「千、羅・・・?私・・・・」

 ことりは不思議そうにきょろきょろ辺りを見回した。すると、どこからか声が聞こえてくる。反響してうまく聞き取れないせいか、声は降ってくるように感じられた。


 『白狐、紅凰、時空を覇する者となれ。六つの宝玉とクリスタルを探し出せ』


 「宝玉?それっ」

 ことりが訊く間も無く、竜巻のような風が二人を襲った。

 「きゃあぁぁぁぁぁー!!!」




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