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女尊男卑法  作者: 音根ch
1/10

零、プロローグ

男と女


世の中にはこのふた種類しか存在しない


おかまやおなべ


なんて呼ばれる人達もいるが、男装女装どちらにせよ、男か女になる


結局は、男か女しかない


でも、そのふたつしかない種類の男と女は平等?

それとも不平等?










今から、だいたい200年と少し前、日本がまだ第二次世界大戦に参加している時期に、『家制度』と呼ばれる制度があった。

内容は、その家の家主を1番に重んじる。つまりは、お父さんの言う事は絶対って事だ。今ではもうやっていないが、戦争中の話を題材にしたドラマなどを見たことはないだろうか?お母さんはお父さんの言う事を必ず守るだろう。例えば、「お茶」と、お父さんが言うだけで、お母さんはわざわざお父さんのために入れて持って行く。

そんな感じ。

政治にしてもそうだ。1925年に加藤高明が普通選挙法を貴族や枢密院などの反対を押し切って成立させたのにもかかわらず、選挙権があったのは25歳以上の男子だけ。平塚らいてう(らいちょう)が青踏社を結成し、女性差別の解放を訴えるほどの男女差別がそこにはあった。

ちょっとしたコラムだが、『歌舞伎』というのを最初に考案した人は『出雲の阿国』という方だ。その方は女である。では、今の歌舞伎を想像してみてほしい。今の歌舞伎は『野郎歌舞伎』って言い、男しか出ることはない。女形がいる理由だ。

男しかでないので、女役を男がやる。

男しかでない理由として女が歌舞伎に出ると、ファンが酷かった。ストーカーとか、そのレベルで済めばいいくらいだったかららしい。

兎にも角にも、歌舞伎の話は置いといて。

戦争時代の日本では、女性差別があったということ。部落差別のような結婚をドタキャンするほどではないが。身体的差別というより、精神的差別っていった方がいいか。難しく考える事はない。

『男性優位』

これが、日本の戦争時代…というより、邪馬台国くらいから太平洋戦争が終わるまでの決定事項だった。かといって、太平洋戦争が終わってポツダム宣言を受託しても女性差別は基本的に終わらなかった。もちろん、法令化はしていたけれども。

GHQが日本の法律で男女差別がないようにはしていたが、アメリカ人自身戦後の日本で女性に対して性的暴行を加えたりしたなど。日本の警察は手が出せるわけもない。

要約すると、日本が高度経済成長期に入るまで、なんだかんだで女性差別は続いていた。とはいえ、女性の参政権はGHQによって認められてたので、少しずつ女性差別はなくなっていった。

1999年に男女共同参画社会基本法が施行されるなど、着々と平等化されていった。平成時代にはもうほとんど差別はなく、育児休暇や女性社会進出も次々と実現して行った。

2120年。この年は多分今までの日本の中では一番男女差別がなくなっていた年であろう。

次の年の2121年。

第2次朝鮮戦争勃発。

きっかけは、朝鮮が韓国に対し、軍事的嫌がらせを続けたこととされている。

何度か、軍事的小競り合いがあったもの、宣戦布告までには至らなかった。が、ついに、朝鮮は韓国首都ソウルに対し、奇襲ミサイル発射。

ソウルは全焼。

これに憤慨した韓国人は朝鮮に宣戦布告。韓国は中枢が無くなったため、アメリカに援護要請。

それにより、アメリカが介入する。これと同時期にロシアが朝鮮側で参戦。大規模な戦いになる。中国が朝鮮側に義勇軍という形で混ざる。表面上は中立という形で。旗色の悪くなった韓国アメリカ軍は国際連合に協力要請。

フランス、イギリス、オーストラリアなどの国も参戦表明。混沌化し、長期戦となる。

2130年

南鳥島沈没。

原因は、ロシアの艦隊により艦砲射撃。警備の任についていたのは、日本人だが、ロシアに買収された済みだったとか。日本は広い範囲の経済水域を失った。

同年。

流石に、平和ボケしていた国民もこれには怒ったらしい、若者は戦争をつゆも知らず、憲法改正に乗り切る。

2135年。

憲法第9条改正。

戦争で疲弊していた国際連盟も賛成。

同年。

軍隊を編成し、最新技術と共に、朝鮮へ出兵。艦隊や戦闘機、爆撃機を駆使し、国際連盟軍を優勢に導く。

2136年

ロシアの核を積んだ軍用機がイギリスへ飛来。途中、フランス軍によって、墜落。核爆弾はポーランド上空にて爆発。

幸い、小規模なもので放射能により人体の被害はなかった。この事件により、日本国民は恐怖。戦争終結に向けて、兵力を惜しまず投入。日本軍に多大な被害がでる。

2140年。

日本の全勢力を注ぎ込んだピョンヤン攻略戦にて、作戦失敗。この時日本は徴兵制を導入していたため日本男児に甚大な被害が出た。

同年。

アメリカ軍、韓国軍、イギリス軍の三カ国によりピョンヤン占領。

朝鮮無条件降伏。賠償金は、最低までの小額に収められ、日本の経済は大いに悪くなった。さらに少子化問題、ホルモンバランスの是非か解明されていないが産まれてくる子供の割合が男女比で2:8

他にも諸々の理由で全人口の85%が女性という状況に陥った。

翌年。

そんな日本の経済を救ったのは、女性だった。軽工業から重工業まで全てを女性が担った。一部は、健康な男性が行ったが、機械化しているので、男性だろうが女性だろうが、出来ないことは、ほぼなかった。総人口が減ったので、食料自給率が大幅に上がり、輸出するほどになった。国会の8割は女性が勤め、内閣総理大臣も女性が就いた。

それから5年後、2147年。

日本の経済は回復し、戦争前と変わらぬ経済を誇っていた。

日本が参戦したのは5年間だが、その分の経済を戻すのには通常戦争期間の3倍はかかる。

太平洋戦争後の戦争特需景気で高度経済成長とは違い、女性の高度な働きでのみ経済を盛り返した。

そんななか、女性国会議員の中から、「日本の人口は、女性が大半を占めている。しかし、女性が男性に力では勝てない。このままでは少数の男性による独裁政権になってしまう。」と、発言した女性がいた。

国会の8割を女性で占めておいて、よく言うものだが、男性に不満を抱いている女性が多く、女性優勢の法律を作るなどと提案する始末。国際人権規約に反していると思うが、国際連盟は戦争の反動を解消できず、何もできない。その後、色々あり、ついに女性優勢の法律が完成した。

その名も、『女尊男卑法』

これでは、戦争で死んだ男性は浮かばれない。そう、僕は思った。










バタンッ


さっきまで書いていたノートを乱暴に閉じる。

ノートの表紙には『男女差別と近代歴史』と書かれている。


「はぁ、疲れた。どうしてこんなのを宿題に出すかねぇ?」


俺は、ベッドに力なく倒れこむ。


「女尊男卑法か…」


今から5年前の2147年に施行された『女尊男卑法』は、その名の通り女子を尊重し、男子を卑しい存在…というかなんというか…

えーと…

とにかく、要約するとだな、男子よりも、女子を尊ぶってこと。


女性>>|超えられない壁|>>男性

って有様。


だから、男子の俺は女子に逆らえないってわけ。

どーするよ?

急に、女子に女子トイレ掃除面倒だから代わってって言われたら?

俺は断るなんて怖いことできないから、全速力で逃げます。

あの時は捕まったけど…

あーっ‼思い出したくもない‼‼

だって、クラスの9割(40人いるから36人)は女子なんだぞ?

そんななか、女子トイレ掃除なんてやってたら、女子が入って来ることなんて少し考えただけで分かるだろ?

次の日から俺の呼び名は、『覗き魔』だよ…

そして、数少ない男友達からは『勇者』だよ…

どちらも勘違いしてる。

てか、俺に当番押し付けたやつ分かっててやったんじゃないのか!?


「あ~、嫌なこと思い出しちまった。せっかくどうにか呼び名は改善したってのに。」



もう、寝よ。





この話は、全てフィクションです。なので、卵とか投げないで欲しいのです。

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