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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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〖三題噺〗 ハイウェイに居た天使

掲載日:2026/08/05

ライトレのお題です。〖天使〗〖高速道路〗〖腐敗する〗

 1人の天使が空から地上を眺めていた。

暇なのだ。


 死を担当している死神は、戦争や飢餓でどんどん仕事が増える一方。

 その天秤の向こうにある、出生を担当している天使は近年の出生率の低下で手は足りていた。


 「つまんない……」

 天使の羽を雲からだらんと下ろしながら彼女はそう呟いた。


 「暇なら手を貸してくれ」

 その隣で、死神は色々な名前が書かれた羊皮紙をもってリストにチェックを付けて言う。


 「やだよー、天使は人を送り出すだけの仕事だもん。人を冥府に送ったら堕天使になっちゃう」

 「使えねぇなー。そろそろ、そこの高速道路で事故が起きんのに」


 「え?」

 天使は驚いて顔を上げる。

 その直後、数十台の車が絡む大事故が発生する。


 「あーあ。仕事開始だよ、めんどくせぇ」

 そうぼやいて雲から死神が飛び降りるのよりも早く、天使は羽ばたいた。


 「あ、おい待て!何する気だ!」

 「そんなの決まってるじゃん!助けるんだよ!」

 「お前、そんなことしたら!」

 死神の静止を振り切り、彼女は天使に施された奇跡で次々と人を助け出す。


 天使の姿は普通、人間には見えない。助けられた人間は何故かほおり出されたり、傷が無かったように感じていた。


 「──最後の一人!」

 小さい手を取ったその時、タンクローリーが爆発する。咄嗟に、子供を抱え羽で覆い守る。


 ……羽は焼け焦げ、背中はボロボロだが、無我夢中で助け出した彼女の胸の中には1人の子供が抱きしめられていた。


 「案外……私、やれば出来るもんだね」

 「……天使さん?」

 「わ、子供には神秘が見えるというのはホントなんだ……大丈夫?怪我はない?」

 「うん。でも天使さんが……」

 「私は大丈夫!天使だもん。でも、天使が助けてくれたなんて話は大人達には内緒ね?笑われちゃうよ?分かった?」

 「……うん」

 「返事が小さいぞー?」

 「……うん。うん!分かった!」

 「よし。良く言えました」

 気丈に振る舞い、飛び立つ天使。


────。


 ボロボロの身体と焼けた羽では上手く飛べず、何処かの人気の無いビルの屋上に不時着する。


 仕事を邪魔された死神が隣に現れる。

 「あーあ。無茶しやがって」

 その声で顔だけ起き上がる天使。


 「……あなたこそ、仕事ほっぽらかしてよかったの?」

 「覚悟した天使の邪魔をしないつう、覚悟だよ。あーあ、バカな天使のお陰で上司に怒られる」

 「はは……。死を看取る死神らしい配慮ありがとう……」

 「…………なんで人間共を助けた。天使の権能は神から借り受けた物だろ。借りた分の跳ね返しが来て身体が腐敗する。腐りきったが最後、それが分かってて何故だ?」

 死神の言う通り、身体中が奇跡の反動により壊死したり、腐っていた。

 「なんでだろうね……。最後に助けた子、私が担当して送りだした……子なの。……もっと、大きくなって……おとな……になって、そのこのこども……もきっと、わたしが……」

 天使は力なく微笑む。

 「……もういい。心配するな、もう休め」

 その言葉で、天使は深い眠りにつき、光の粒となって消えた。


 「……話し相手が居なきゃ、仕事もつまらんだろうが」

 羊皮紙を覗き込むと、チェックに横線を引いて取り消し、丸めて紐で結んでしまった。

 「お前のお陰であの人間共は、寿命でしか死ねん。天使に助けられて簡単に死ねるわけがないからな。たくっ、これを保管すんのも俺の仕事なんだぞ」

 そう言い、何処で摘んできたのか名前も知らない白い花を天使がいた場所に残して死神も消え去ってしまった。

風邪の中書きました。(言い訳)

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