こよりビーストデュエル・ドライ
なぜ。
どうして。
こよりくんとお姉ちゃんが。
わたしは百合崎百合。中学三年生の女の子。 姉は大ヒット作の漫画「百合の子」の原作者。
恋人は性転換者の神人こよりくん。女になる奇病のせいでいまはわたしと同じ女の子。
その二人がわたしに隠れて逢引していた。なにかの間違いだと思いたかった。でも状況証拠が揃いすぎている。
場所がベッド。二人は全裸で抱き合っていたのだから。そして部屋には雌の匂いが充満していた。
どこをどう間違えばばああなるの。涙が止まらない。
わたしは百合。こよりくんと結婚を誓った幼なじみ。
やらかした。
寝室の入り口が開いている。その足元にはわたしの洗濯した私服が散乱していた。誰が来た。妹しか考えられない。
まさか百合がやってくるとは。偶然にしてもタイミングが悪すぎる。
わたしは百合崎白百合。漫画家でガチユリだ。だから妹の彼氏の性転換者こよりくんにも密かに横恋慕していた。
そのチャンスは意外にも早くやってきた。転がり込んできた。わたしはそのチャンスをモノにしただけ。もちろん妹に対して罪悪感が無いといえば嘘になる。
「あ・・ん」
こよりくんが目を覚ます。もうすぐ午後九時になる。明日は土曜日で学校が休みとは言え、女子中学生が外にいていい時間ではない。
スマホからこよりくんの自宅に電話をかける。モデルの取材をしていたら遅くなってしまったと嘘をつき、このまま宿泊させることを了解していただいた。
「白百合さん。ボクは」
「ねぼすけさん、ようやく起きたのかね」
ああ、やっぱりかわいい。思わず抱きしめてキスしてしまう。
「え、え、え」
「こよりくん。百合と別れて、わたしのものにならないかい」
もう自分にも百合にもこよりくんにも嘘はつきたくなかった。
はい異世界シニアです。
今回は超短編です。
百合とこより
白百合とこより
百合と白百合
この三角関係どうなりますか。
次回こよりトランスレーション。こよりエクスカリバー。
君は生き延びることができるか。