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こよりビーストデュエル

ポコン


愛しの神人かみとこよりくんからライムが届く。内容を読む。どうやらお困りのようだ。


「ハンドパワーが制御できなくなりました」

「助言をいただけませんか」


これは大変だ。もうこよりくんは触れた女性をすべてとりこにする核弾頭になってしまった。


誰が彼女を刺激した。急激な成長を促した。そんな危険なことをする女は一人しかいない。


姉の神人おりがみ。


そうか敗北したか。失敗したか。敗北や挫折は人を成長させる。負けたことのないプライドの塊のような彼女にとっては良い経験になるだろう。


いかん。早く返信をしなければ。これはチャンス。わたし一人で天使を味わうイベントなのだ。


「作画スタジオで仕事をしている」

「こちらで午後五時に待つ」

「問題が問題だ。一人で来たまえ」

「百合にも伝えないように」


ポコン


「わかりました」

「よろしくお願いします」


ははっ。まったくチョロインだなぁ。一人でダンジョンの中に突撃する初心者冒険者みたいだ。


そのダンジョンにサキュバス・クィーンがいるとも知らずに。いま午後一時か。こうしちゃいられない。仕事を切り上げて近くのエステに行こう。


ピカピカに磨き上げた身体で愛しい彼女をお迎えするのは、大人としての礼儀だからね。


わたしは百合崎白百合ゆりざきしらゆり。百合の教祖。


人呼んで野獣先輩。


ピンポーン


ガチャ


「やぁ、こよりくん。いらっしゃい」

「白百合さん、こんにちわ」

「遠慮せず入りなさい」

「お邪魔しまーす」


ガチャリ。


後ろ手にドアをロックする。ロックの音は"ガチユリ"じゃないよ。よし気づかれていない。これでもう邪魔者は入らなくなった。


こよりくん。もうキミは帰還スクロールも持たずにラスボスの部屋に迷い込んだ初心者ノービスと同じだよ。


倒すか倒されるしかない・・・ね。


ジュルリ。思わず舌なめずりをしていた。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


「・・・と言うわけなんです」


なるほど。あの女、やらかしたな。寝ている妹を無理やりヤろうとしたか。それで半覚醒した妹に返り討ちにあうとは情けない。


まあいい。しょせん奴は百合四天王の中では最弱・・・なんて設定はないけどね。


「夢の中で戦ったと」

「はい。そこで必殺技を打ちました」

「なるほど」


わたしはスッと椅子に座るこよりくんの前に立つ。


「握手をしよう」

「え。危険です」

「わたしを誰だと思ってる」

「どうなっても知りませんよ」


こよりくんが恐る恐るわたしの左手に握手する。


バシン!!


一瞬で左手から心臓、頭のてっぺん、足の爪先まで稲妻が走った。油断していたら意識をもっていかれそうになる。


ッー


こよりくんは気づいていないようだが、わたしの太ももから一筋の液体が伝わっていた。


「確かに。これなら処女おとめはイチコロだな」

「大丈夫ですか!?」

「おいおい舐めてもらっちゃ困る」

「さすが先生!」


ああ、やめて。そんな純粋な目でわたしを見ないで。ただ女性経験が多いだけの薄汚れた女を。処女だけどさ。


凄い。この子はヤバい。どうしても欲しくなった。


「おそらくだけど、寝ていたところを刺激されたことが原因だろう」

「ボクもそう思います」

「ならば起きているときに同じことをすればいい」

「え」

「達しながら意識して、ダブルハンドサンダーを打つんだ」


悩んでいる。達する。すなわちわたしとスることを意味するからだ。


「いいかい、こよりくん」

「これは治療なんだ」

「なにもやましくないし、恥ずかしいことでもない」

「でもみんなの前でできないだろう」

「わたしはキミを救いたいんだ」


むろん、ぜんぶ口からでまかせだ。ただやりたいだけ。


「わかりました」

「先生の貴重なお時間をいただいてますし」

「お願いします!!」


チョロイ。こいつほんとチョロイ。むくむくと嗜虐心がわいてきた。こうなったら全力でかわいがってやる。


全集中!百合の呼吸!!



はい異世界シニアです。


誤解しないでください。これは百合式の治療法なんです。


嘘だけどね。


次回こよりトランスレーション。こよりビーストデュエル・ツヴァイ。


城之内、死す。


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