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こよりフォールンエンジェル

わたしは今夜、天使をとす。


これまでたくさん我慢をしてきた。いままでたくさん耐えてきた。何度も待てと自分に言い聞かせてきた。


わたしは空腹で死にそうなのに、目の前にジュージューと音を立てたさわやかの炭焼きハンバーグを置かれて「おあずけ」をされている状態だった。


お腹がすいた。

早く喰べたい。

喰い散らかしたい。


どうして。いつからこんなに弱くなった。欲しいものは迷うことなく手に入れればいい。奪えばいい。後のことなんて知るものか。


こより

こより

こより

こより


愛しい妹の名前を呼ぶ。けれど妹の心にはあの女が棲んでいる。消さなければ。一刻も早く妹の中からあの女の存在を消さなければ。わたしならそれができる。


快楽で堕としてしまえばいい。わたしでなければ満足できない体にしてしまえばいい。わたしならそれができる。


ゴッド・イーターと呼ばれる神人かみとおりがみ。わたしならたやすいことだ。


わたしは今夜、わたしの持つすべてを使って妹を堕とす。楽しみだ。楽しみすぎて思わず笑ってしまう。


鏡をみると悪い顔をしていた。


カチャリ


深夜二時。妹の部屋のドアをノックもせずに開ける。そして部屋に入ると静かにドアを閉めた。


これくらいの音や人の気配で目を覚ます子ではないが、念には念を入れる。


こよりは静かな寝息を立てていた。慣れない夏コミとコスプレで疲れたのだろう。


シュルリ


足元にピンクのネグリジェが落ちる。わたしはこよりのベッドに全裸で体を滑り込ませた。


「こより」

「う・・・ん」


これなら多少のことでは起きないだろう。これまで散々、寝ているこよりの体をいじってきたからわかる。


ゆっくりとこよりのパジャマのボタンを外していく。色素の薄いまだ誰にも穢されていないつぼみが二つ顔をだした。


「かわいい」


月明かりに照らされたこよりの上半身はとても美しかった。思わず唾をのみ込むくらいに。いまからこの無垢な妹をけがす。そして堕とす。


「いただきまぁす」


まず右の蕾から味わおう。舌で転がし口に含み吸う。たまに甘噛みをする。


「ぁ」


ふふっ。思った通りかわいい反応をする。次は同じように左の蕾を可愛がる。


「ふぁ」「ん」


今度は二点同時攻めだ。ひとつを指でつまみながら、もうひとつを口で攻める。


「んぁ」


こよりの体がビクンと跳ねる。もう果ててしまったのか。相変わらず感じやすい子。でも今夜はまだまだ終わらない。


さぁ、とうとうメインディッシュをご馳走になりましょう。左手をゆっくりとこよりのパジャマのズボンの中に滑り込ませる。


いきなりパンツの中に手を入れるなんて、もったいないことはしない。布の上からゆっくりと撫でるようにやさしく指を動かす。


「あぁ」


どう気持ちがいい。まだまだこんなものじゃ許してあげないわよ。わたしも我慢の限界だった。下着の中に指を入れる。毛がないせいか手触りもたまらない。


ップ


あら大洪水じゃない。本当にいやらしい子。指がふやけてしまうわ。わたしの指が細かく動くたびに濡れた音が大きくなっていく。


「あ」「あ」「あ」


声が漏れないように唇を唇でふさぐ。ついでに舌でたっぷりと口内を蹂躙する。そろそろね。


さぁ天使よ。天国におきなさい。そして、ようこそ穢れた世界へ。


ビクンビクン


こよりの体がこれまでになく大きく跳ねた。


勝った。


そう確信した時だった。明らかにこよりの体から発するオーラが変化した。これは電車で痴漢を撃退したときの感覚!?


なにか嫌な予感がする。早くこよりから離れなければ。


「ダブルハンドサンダー!!」


次の瞬間、こよりの両手がわたしの胸をわしづかみにした。


「あ」


両胸から先端の蕾をとおり、稲妻が全身に走る。わたしの意識はそこで刈り取られた。


わたしは神人おりがみ。はじめて敗北した相手は妹だった。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


ちゅんちゅん


「う・・・ん」


嫌な夢をみた。クリスの野郎に襲われる夢だ。身動きもできない。そして同じ性転換者トランスレーターのクリスにはボクのハンドパワーが通じなかった。


何度も果てた。達したくないのに達してしまった。


もうダメかと諦めたとき、恋人の百合ちゃんの顔が浮かんだ。負けてられない。百合ちゃんのところに戻るんだ。


すると両手に暖かな力が湧いてきた。これをクリスのロケットおっぱいにぶつけるしかない。


ボクは叫ぶ。


ダブルハンドサンダー!!!


そこで目が覚めた。なんだよダブルハンドサンダーって。ロボットアニメの必殺技じゃ無いんだから。自分のネーミングセンスの悪さに絶望する。


「うわっ」


気がつくとパジャマの前が全開だった。それに隣にはまた全裸のお姉ちゃんが寝ていた。


またボクが寝ているすきに悪さをしたね。この人は。


なんだろう。いつもの「寄らば斬る」な強張こわばりがなくなり、とても幸せそうな顔をして眠っていた。


おはよう。お姉ちゃん。そのほうがかわいいよ。


はい異世界シニアです。


やってしまいました。スマホを打つ指が止まりませんでした。


それでも姉の闇落ちした心を救うにはこの方法しかありませんでした。


負けたことのない姉が舐めプした妹に完膚なきまでに叩きのめされる。


負けることで人の痛みがわかることもあります。


闇落ちした心を救われたクーデレな姉。次からはデレデレにクラスチェンジ。


さあどうなりますか。


次回こよりトランスレーション。こよりデレシスター(仮)。


月は出ているか。

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