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こよりガールフレンド

ミーはクリス・ガーランド。


アメリカの軍人の父と母を両親に持つ中学三年生の男子だ。米軍基地の司令官の父に厳しく育てられ、身体を鍛えるために日本の拳法も小さい時から学んだ。


いまは横須賀米軍基地内のスクールに通い、そこで拳法部の主将もやっている。体も大人並に大きく、力も同世代の男に負けたことがなかった。


ミーは中学生では最強だった。あの日までは。そう、すめらぎ流拳法全国中学生大会でミーは負けた。完敗だった。


相手は同い年。だが体はミーの半分もない小さなボーイ。パンチがかするだけで吹っ飛ぶだろう。はじめは舐めてかかった。


だが当たらない。ミーのパンチもキックもまるで彼に届かなかった。こんな日本の猿に舐められてたまるか。


焦りは油断を生んだ。全力で繰り出したミーの右キックは大振りになる。軽くいなされた瞬間、腹にヘビーなワンパンを喰らった。


ミーは腹をおさえ前かがみで崩れ落ちた。


ミーを倒した少年の名はカミト・コヨリ。美しい少年だった。


ところが風の噂でコヨリが性転換症候群トランスレーションになったことを知る。あの美しい少年が少女になっていた。


スクールに転がっていたティーン向けファッション雑誌"ポップティーン"の表紙をコヨリは飾っていた。


天使エンジェルだ。


欲しい。ミーを倒すほどの女。ミーのトマホークで屈服させたい。そしてミーのベビーを産ませるのだ。


待っていろコヨリ。もうすぐユーはミーのものになる。


アウチッ。なんだミーの体が痛い・・・。

「ハロー!クリス・ガーランドデース!!」


目の前には金髪碧眼のナイスバディな美少女が挨拶をしていた。ナイスバディすぎてたまにお腹がチラチラ見えちゃってるぞ。ギャルかよ。


お前も性転換トランスレーションしちゃったかクリス。


さんざん偉そうに前書きで語っておいてコレか。お前の自慢のトマホークはどこいった。


「ブツブツ・・・」


わたしの隣で頭を抱えているこより様が可愛い。わたしは七夕短冊たなばたたんざく。公家の血を引く七夕家の長女。そしてこより様の正妻を狙う女。


「まあ、クリス様が決勝戦のお相手でしたの」

「そう。あんなに可愛くなっちゃって」

「オー!!コヨーリ!!」

「ちょ」


ひょいとクリスに片手で持ち上げられる。さすが外国人。パワーが凄い。


「今日からヨロシクデース」

「「「!!!」」」


ぶちゅ〜


なんとクリスの奴、挨拶代わりにキスしやがった。しかも舌まで入れる濃厚なやつだ。


「むーむー」

「レロレロレロレロ」


苦しい。周囲の女の子ではこの巨体を止めることはできないだろう。こうなったら奥の手だ。


ダブルハンド!!


緊急時だから仕方ない。ボクはクリスのロケットみたいな左右のおっぱいを両手でわしづかみした。


どうだ、アヘ顔さらして失神しろ。


「OH!」

「コヨリとても積極的!ミーもうれしい」

「ちょっ」


ボクのダブルハンドが効かない。そうか同じ性転換トランスレーターだからか。男が男の胸を触っても気持ちよくはならない。かっこビーエルを除くかっこ。


「おやめなさい!」


帝織姫みかどおりひめちゃんがクリスの膝裏に体重をかける。いわゆる膝カックンだ。バランスを崩したクリスとボクは盛大に床に転ぶ。


「イテテテテテ」

「ジャパニーズガール乱暴デース」


チャキ


「クリス様。わたしのこより様になんてことをしてくださるのかしら」


短冊ちゃんが小刀をクリスの首筋に当てていた。


「オー、ジャパニーズハラキリ!」

「だめだ短冊ちゃん」

「これ模造刀ですのよ」

「そうなんだ」


あの目はガチだったぞ。なんでボクの周囲には強くて怖い子しかいないんだろう。


しかし、とうとう都立第三女子中学にも別の性転換者トランスレーターが入学してきた。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


昼休み。屋上で集まってみんなで話をした。


「性転換したクリスがここに入学するのはわかる。法律で決まってるしな」

「そのとおりデース」


おまえミニスカートでアグラをかくなよ。派手な青と赤の星条旗柄おぱんつが丸見えだぞ。


「で、なんでボクなのよ」

「ミーを負かした男。それしかない!」

「ボクも女なんですけど!」

「コヨリ」

「なんだよ」

「オトコだったお前ならわかるダロ。お前オトコにホラレたいか」

「絶対にヤダ」

「ダロ」


わかるよ。普通の男はヤりたいけど、男にヤられたくないことは。たとえ体が女になっても男とはゴメンだ。なんかクリスに共感してしまった。


「ならば、まだ女同士がいい」

「尊いもんな」

「ウム」


あ、こいつ好きかも。同じ性転換者なかまとして。


「こよりハーレム七人目かあ」

「仕方ないっすよ、こよりさんだもん」

「「手当たり次第っすね!!」」

「黙れ」

「「サーイエッサー!!」」


ふと気になることがある。クリスには異能力があるのだろうか。


「クリス。変身してから女の子に触ったか」

「ノーだ」

「そうか。いつか実験しなきゃあかんな」

「ウム」


するとクリスの左右にすかさずA子とB子が座る。そしてクリスの手をそれぞれ持ち上げた。


「「イキまーす!!」」


彼女たちはクリスの手のひらを自分の胸に押し当てた。この二人は本当に無謀だが判断は早い。


快感や肉欲に忠実なのかもしれない。


「あれ」

「なにも感じないっす」

「おかしいっすね」

「こよりさん、失礼します」


ボクの左右に移動したA子とB子はクリスと同じことをした。


「「!!」」


バタン。二人が満足そうなアヘ顔をさらして失神していた。


「あらあら、またもや大洪水ね」

「こいつら・・学校の昼休みに無茶しやがって」

「少しすれば目を覚ますでしょう」


なんで君たちはそんなに冷静なの。


あーあ、彼女の百合ちゃんになんて話そう。ライバルだった男が性転換して同じ学校にきてガールフレンドだなんて。



はい異世界シニアです。


わたしはこのお話をダラダラと続ける気はありません。


まだハッキリと決めてはいませんが、こよりたちが中学生のうちに完結させるつもりです。


始まりがあれば終わりがある。


次回こよりトランスレーション。こよりモデル。


ヤムチャしやがって。

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