驚異的な男
「あっあいつ絶対あいつ!!」
大光君が走って男子生徒を追いかける。
「ねえ、君超能力持ってるよね?」
男子生徒はすごく怪訝そうな顔で大光君を見る。
そうりゃそうだ。
いきなり超能力者ですか?なんて聞いてくるやつは不審者でしかない。
男子生徒はそのまま足早に立ち去っていく。
戸戸園さんは戸戸園さんでタブレット片手に帰宅途中の生徒たちの能力を見まくっているがいまいち納得しない感じで首を振っている。
そりゃそうだ。
そんなに超能力者なんているわけないんだから・・・。
「戸戸園さん超能力者なんてそんなんているわけないんだし野球っぽい人探さない・・・?」
【そんなことないです。特殊能力30以下であれば結構います。大概みんな10程度の能力って持っているものです】
そうなの・・・?大概みんな持ってる?僕持ってないんだけど・・・。
なんだかちょっと落ち込んだ。
【!!!!!!!!!!】
戸戸園さん超びっくりマークなんだけどなに?
【やばいやばいやばいやばい、やばいやつ見つけた】
「なに?だれ?何がやばいって?」
画面の映し出されるデータ
名前:天我想人
年齢:16歳
右投げ右打ち
ミート力 1
長打力 1
守備 1
走力 5
特殊 1,000,000
特殊100万!!!
時間を止めるほどの力でも1,000なのに・・・100万!!!
世界を滅ぼすんじゃないか・・・?
見た目はいたって普通悪くはないし良くもない一見さわやか君だ。
怖いけど声をかけてみる。
「ねえ野球しない?」
「えっ?野球?嫌いじゃないけど・・・坊主はちょっと・・・」
「坊主いい坊主要らないそのまんまでいいから野球しようよ」
「うーんでもー」
「待て待て待てこいつなんかすげーヤバい気配がするぞ。なんか圧倒的なプレッシャー」
大光君も何か感じるようだけど・・・僕は何も感じない。すごい普通の爽やかくんなんだよね見た感じ。
「天我君・・・超能力・・・」
「何・・・何か言った?」
急に天我君が怖い顔をする。
「なっ何でもない・・・何でもないです」
「だよね。よかった」
にっこり爽やかに戻る天我君・・・爽やかのむこうに闇を感じた。
「天我君の才能はきっと野球で生きてくる」
何が出来るのかはわからないけども・・・。
「まあ坊主じゃないならちょっとだけ・・・週3ぐらいで」
3?
「何か問題・・・これだから・・・部活バカは・・・」
天我君がなにかブツブツ言っている。
表情にも爽やかさの欠片もないし・・・怖い怖い。
普通毎日・・・だけど、まあ良いかそれでも部員には変わりない。
「よろしく!」
こうして天我君は部員になった。
驚異的な超能力は不明のままだし心の闇がありそうで怖いけど・・・。
翌日今日は佐々原さんと部員勧誘をする。
「見つかると良いですね」
佐々原さんが笑顔で言う。
佐々原さんと2人で・・・なんかテンションがあがる。
「あのすいません。僕入部希望なんですけど・・・」
向こうから声をかけてくるとは幸先良い。
佐々原さん効果だろうか?
「はい!いつでも大歓迎・・・」
僕・・・?目の前にいるのは明らかに女性。
ショートカットでボーイッシュな感じはするけど胸とかは明らかに女性。
まさか・・・。
「僕マネージャーしたいんだけど」
出たマネージャーなんでマネージャーだけこんなに人気なのか?
やっとマネージャーの人数を野球部員が越えたばかりだというのにまたマネージャー・・・しかし・・・かわいい。
ボーイッシュではあるけど顔はすごくかわいい。
そしてスタイルもいい・・・。
断るのはちょっとな・・・マネージャー多すぎだけど・・・。
「僕ねマネージャーをしたいのともう一つ君に言いたいことがあってさ」
言いたいこと・・・?
なになになんか文句言われるような事あっただろうか・・・?
「僕と付き合わない?」
はい?
話が急すぎて何を言っているのか一瞬理解できなかった。
付き合う・・・?
「僕ね入学してからずっと君のことが気になってたんだ」
ずっと・・・と言っても入学してから1ヶ月も経ってないが・・・。
「えーっその顔完全に忘れてるでしょ?僕の事」
そう言いながらそっと僕の手を握る。
「なっ何を!!」
「ねぇ覚えてないのぉ?」
手を握りながら顔を近づけてくる。
ちょっとちょっと・・・佐々原さんいるしと思ってちらっと見る。
すごく冷ややかな目でこっちを見てる。
違う、違うんだ何が違うかよくわからないけど違うんだ。
だって知らない人だし・・・。
「なんか仲良さそうね新澤君・・・」
声も冷ややかだ。
「いやそういう・・・」
「ねえ本当に本当に覚えてないの?翔真さぁ」
僕の名前を知ってる?
いやでももうなんだか手を握られてるし近いしちょっとパニックだし全然思い出せない。
「僕だよ?椎奈だよ?」
さらに顔が近づく。
しいな・・・しいな・・・。
あっ!!!思い出した!!
「しいな!しいなか?柊木椎奈か!懐かしいな!!小学校以来じゃん」
「やっと思い出した。小3の時僕が転校して以来だね、って言うか同じクラスなのに全然kづいてくれないんだもん」
ぼんやり子供のころの椎奈を思いだす。
そして今の椎奈を見る。
すっかり女子になって・・・男の子のようだったあのころとは全然違う。
「いや無理だろ・・・変わり過ぎてるよ」
「えっ?じゃあ今の僕は嫌い?」
すごく目をうるうるさせながら僕を見る。
「そんなことは・・・ない」
むしろ圧倒的に魅力が増している。
僕の中の女子があふれている。
ぐいっと急に何かに引きはがされる。
「ちょっと近いんじゃないの?幼馴染とは言えさ」
佐々原さんがグイっと引きはなす。
「僕は別に問題ないよ」
椎奈がすごく近くに来る。
それを防ごうと佐々原さんがグイっと近づいてくる。
まずいまずい。
僕の女子の許容量が限界なんだけど・・・。
無理!!!
走って逃げだした。
今日の野球部員募集は終了!!マネージャー1名増員!!以上!!!




