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【本編完結】復讐という名の友情~冷めたカフェオレと薔薇のトゲ~  作者: 三愛 紫月


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side コウキ

「コウキ、聞いてた?」

「あっ、聞いてたよ。そっか!じゃあ、盛大にお祝いしなくちゃな」「いいって、いいって。そんなのしなくても……」



陽人が幸せなら、それでいい。

陽人が笑っていられるなら、それでいい。

そう思って、自分の気持ちに蓋をした。



「で、どんな人?」

「優しくて可愛くて、笑顔が素敵な人でさ。彼女がずっと笑顔でいられるような毎日にしたいと思うんだ」

「すごいな!それは、めちゃくちゃいい考えだと思うよ」

「そうだよな!プロポーズしてよかったよ」

「よかったな!陽人」



陽人が結婚を決めた日、本当は悲しくて仕方なかった。

だけど……。

「悲しい」なんて言って困らせたくなかったから、俺は精一杯応援したんだ。

だけどさ。

何で……。



「本当、結婚って何なんだろうな?人生の墓場ってあれ本当だな」

「そんな事ないだろ?いい事だってたくさんあるって」

「じゃあ、何?コウキ、言ってみて」

「俺?……俺は……」

「言えないんじゃん。って事は、地獄って事だな」

「そんな事ないって……」

「いや、絶対そうだって」

「そんな事ないから」



陽人は、幸せどころか……。

どんどん愚痴が増えてきて……。

俺には、幸せそうに見えない。



「もっといいものだと思ってたよ。結婚」

「他人だから難しいよな。分かり合えない事の方が多いわけだし」

「だよな!コウキは、やっぱ俺の味方だよな」

「そうだよ!だから、いつでも話聞くから」


陽人が幸せでいてさえくれれば……。

俺だって……。




「久しぶりだな。コウキ」

「何で……」

「何でって得意先に来たら、お前が見えたから」

「保もちゃんと働いてるんだな」

「当たり前だ!何歳だと思ってんだよ。どころで、お前。あの栄野田の娘と結婚したんだって?」

「何で知ってるんだよ!」

「たまたま、会社ここの社員達の噂話聞いたんだよ」


確かに、俺がこの会社に入社してから噂話してる人が増えたのは知っていた。



「そっか、聞いたんだな」

「何だ?何か、浮かない表情してるな!どうした?」

「別に何もないから、大丈夫だよ」

「あれ?コウキ。今日も、残業?」

「陽人……。あっ、うん。ちょっと残業」

「そっか……。じゃあ、俺は帰るわ。お疲れさま」



保は、陽人をジッと見つめている。



「じゃあ、俺はこれで」

「待てよ。陽人って、あの」

「な、何の話だよ」

「残業するなら、終わるまで待ってるから話聞かせろよ」



長く一緒にいたから、保に嘘はつけないのがわかった。



「わかった。鞄とってくる」

「わかった。待ってるから」

「わかった」



急ぎ足で、オフィスに戻って荷物をまとめる。

保に会えば、すぐにバレるってわかっていた。


「ごめん、行こう」

「奥さんに連絡だけはしとけよ」

「彼女は、俺なんかの連絡がなくたって……」

「大丈夫だって言いたいのか?コウキは、いつもそうだな。俺と付き合ってた時だって」

「いつの話だよ。メッセージ送っとくよ」


保に言われて、夕貴にメッセージを送った。

この頃の俺は、夕貴といる事は、幸せだったし、楽しかった。

だけど……。

時々、あの食卓は息苦しくて。

俺には、耐えられない夜があったんだ。


嘘つきだって言われたら、それまでだけど……。

あの時、夕貴と結婚したいって思った気持ちに嘘はなかった。

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