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18.子爵家の過去

 私がビブリア子爵家を継いだのは十八歳の時。成人して直ぐのこと。幸い、と言うべきか。子爵領を任せていた家令のクロスは優秀で、忠誠心の厚い人物だった。今は亡き祖父と母が信頼していただけの事はある。


 新米当主を支えてくれた。


 もっとも、私が当主になる少し前にちょっとした騒動があり、父が死んだ。

 

 私は何も知らなかった。

 

 公爵家に守られていたから。

 

 父親が子爵家を乗っ取ろうと画策していた事も。

 同い年の異母妹がいた事も。

 母の死後に直ぐに愛人と再婚していた事も。

 

 異母弟が生まれて、父が私の存在を邪魔に思い始めていた。

 正当な子爵家の跡取り娘。

 その肩書が私を守っていたのと同時に危険に晒されていた。


 何故、子爵家に帰れないのか。

 何故、父が王都暮らしなのか。


 私は知ろうとしなかった。


 子爵家の事は家令を始めとした者達がワザワザ公爵家に来てくれる。

 領地の事を詳しく話してくれていた。

 だから、何も困る事がなかった。


 父の存在は気薄だったから。


 興味がないのはお互い様。

 季節の挨拶は代理人が書いて送ってくれていた。

 

 血は水よりも濃い、とは言うけれど私に限っては当てはまらない。母は兎も角、父に関しては他人以上に他人。領民以下の人。そういう括りの人だ。


 だから恨まれる覚えなんてない。

 

 公爵夫妻から教えられるまで全く気付かずに生きていた。

 

 異母弟の存在が父に子爵家乗っ取りの決意をさせたことも……。何も知らなかった。


 子爵家の騒動は王都で行われ、引導を渡したのは公爵夫妻。


 父は地下牢に入れられ獄死。

 継母と異母兄弟達は放逐された。


 父方の伯爵家もその余波を受け、法曹界を追放された。

 一応、貴族位は残っているものの、社交界への復帰は遠い。


 その伯爵家から謝罪文が送られてきた時は驚いた。

 だって、今の今まで交流がなかったのに。

 伯父といっても会った事ない。見た事もない。そんな人からの謝罪文に、父を止められなかった事をつらつら書いてあった。こっちからすると「だからなに?」と聞きたいような文章だった。交流が全くなくても一応、伯父。お返しの手紙を送らないのは失礼に値するので、「遠い親戚よりも近くの他人が私を守りお世話してくれました」という内容の手紙を送ったら、それ以降、音沙汰なし。何だったのかしら?

 私の手紙ってそんなに変な内容だった?

 まあ、いいや。

 どうでも良かったし。


 それよりも今は領地改革に忙しい。

 家令達も協力的に動いてくれたおかげで混乱もなくスムーズに移行できた。


 持つべきものは優秀な部下である!


 こうして短期間で資産を倍に増やす事に成功した。

 丁度その頃、ローゼンバルク公爵家で変化があった。

 キースが公爵家を継いだ。

 


「キース!儲け話に乗らない?」


「いきなり来てどうしたんだ」


「公爵家のネームバリューが欲しいの!」


「なるほど」


「ね、いいでしょう?」


「仕方ないな」


「やったーー!!!」


 

 こうして公爵家と子爵家で事業協力をする事になり、数年で王国屈指の商会になった。




 

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