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16.初恋3

 

「すまない、アザミ。私は、()()()()()()()()だ。君の事は妹としか見られない」


 ガーンッとショックを受けた。

 鈍器で殴られた感覚とはこの事だろう。


 妹。妹か……。



「恋愛対象は男なんだ」


 

 頭が真っ白になるのが解る。

 え?

 男が好き?

 女性と恋愛できない?

 それって……。


 でも諦めない!

 貴族の結婚は政略!これ基本!!


「恋愛なしの結婚を希望する!男の愛人が何人いてもいいから!」

 

「それは流石にどうかと思う。というか、アザミは自分を安売りし過ぎだ。自分を大切にするべきだ」

 

「キース以外の男に言ったりしないから大丈夫!!」

 

「それは大丈夫じゃない」

 

「ビブリア子爵の女は夫に尽くすタイプだから無問題!!」


 私はキースに結婚すればどれだけ特になるかをアピールした。

 公爵家と子爵家が一つになれば飛躍的に経済発展できるメリットを。

 好みを言ってくれたら愛人を調達してくることまでを事細かに話した。


 あまりにも熱中し話したせいか、キースにドン引きされてしまった。

 


「…………すまない。私の方が無理だ。倫理的に」



 酷い。

 真剣に愛を告白してこのザマ。

 そもそもこんな酷い振られ方をした令嬢は私くらいじゃない?


 数年後に起きる、どこぞの王太子の婚約破棄より酷い。


 でも、これはキースなりの誠意だと思った。

 彼の優しさなのだと。

 しかも彼は、生涯結婚はしないと言っている。


 女性を愛せないから。

 


「跡取りはどうするの?」


 我ながら嫌な質問をしたと思う。


「養子を迎える。優秀な子をね」


 澄み切った目で、キースは答えた。

 その目には何の迷いもなかった。


 少しは迷えよ、と内心突っ込んだ。

 キースはいつもこうだった。

 自分の考えは絶対曲げない。頑固者だ。


 ここまで言われると涙も出てこない。


 その後、キースはメイド長に連れ帰られ、家族会議が始まった。

 公爵夫妻の話し合いの結果、キースは跡取りのまま。気が変わり、女性と結婚するかもしれない。もし、結婚しなくとも公爵家にはユアンがいる。将来の事はまだ分からないけれど、とりあえずユアンが当主になることはなさそうだ。




 キースに振られてしまったけれど、それは仕方ない。恋愛対象者ではないのだから。これからも妹分なのは変わらないし、カミングアウトされたせいか、よりキースが近くなった気がする。うん。これはこれでアリだ。




 妻や恋人がダメなら『親友』になればいい!



 誰よりも近くにいればそのうち……はないか。

 それでも『一番近くにいる女』には確実になれる。

 私はその確実性をとった。


 我ながら諦めが悪いと思う。




 



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