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ブッダの願い

 けれどもゴータマ・ブッダ自身について、異教の沙門たちの非難(そしり)は当たっていない。仏陀は布施された物をただ受け取るのではなく、それを送る人の心を受け取った。すべては移ろい滅びゆくものと知った彼にとって、富む者も貧しき者も、権力を持つ者も持たざる者も、老いたる者若き者すべては区別なく、そこにあるのは惑い揺らめき、善へそして涅槃へ向いたいと願う人々の姿であった。

 他から為されたことを感じ知る(知恩)心で感謝をし、人をして善に向わしめようとする彼の行為は、他者に利益と安楽をもたらそうと望み[与楽(よらく)]、また不利益と苦を取り除こう[抜苦(ばっく)]とする心――すなわち、慈悲(じひ)という普遍的な愛から発したものであった。

「何ぴとも人を欺いてはならぬ。たとえどこにあろうとも他を軽んじてはならぬ。悩まそうと怒りの想いを抱き、他に苦しみを与えることを望んではならぬ。あたかも母がおのが独り子を命賭けて護るように、一切の生きとし生けるものたちに対しても、無量の(いつくしみ)を起こすべし。すべての世に対して無量の(いつくしみ)を起こし、上に下に、また横に隔てなく怨みなく敵意なき(いつくしみ)を行うべし」

 世尊は弟子たちに教えた。

 万人の友として、生きとし生けるものすべての平和と幸福を願ったのである。

 そして、云う。

「生きとし生けるものすべてが幸福であれ。安穏であれ。安楽であれ。

 いかなる生命(いのち)、生物であっても、動物であれ植物であれ、長いものでも大きなものでも、中くらいのものでも短いものでも、微細なものでも粗大なものでも、また目に見えるものでも見えないものでも、遠くにいるものでも近くにいるものでも、すでに生まれたものでもこれから生まれようとするものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ」





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