04 二階
これって、転移?
突然、景色が変わって、
目の前に見えるのは、さっきみたいな通路が一本のみ。
「進む前に、また調べてみますね」
広範囲探査魔導具の屋内モードで探査開始。
地図が……出ましたね。
「また一本道みたいです。 魔物もいないみたいですね」
安心したけど、油断は禁物。
念のために、迷宮内部を『鑑定』してみると
『天秤の迷宮』2/3
「ここは三階層のうちの二階みたいです」
ふたりの表情を確認して、
「それでは、進みますね」
警戒しながらみんなでゆっくりと前進中、なのですが、
またもや、エルミナさんの両手が優しく握ってくれている、嬉し恥ずかし状態。
ごめんなさい、シスカさん。
この感触には、勝てません。
僕が先頭だから見えないでしょうけど、かなりゆるんだ顔しちゃっております。
もしなんでしたら、さっきのすごい剣で、僕の頭を引っ叩いちゃってください。
出来れば刃のついたところじゃなくて、鞘とかで。
で、到着したのは、やっぱりそこそこ広い部屋。
中央にあるのは、今度は、中くらいの大きさの宝箱。
「宝箱を『鑑定』してみますね」
『姫の魂を宿す乙女への贈り物』
罠は、無し。
「今度は、エルミナさんの分の宝箱みたいですね」
わくわく顔のエルミナさんが、すいっと開けると、
「杖、ですわ」
宝箱の中には、質素な装飾の杖のみ。
「『鑑定』してみますね」
『神樹の細枝』
種別:杖
希少度:伝説級
特殊効果:所持者の守護対象への想いが能力値として付与され魔法力に上乗せされる
『鑑定』結果を聞いたエルミナさん、とてもうれしそうな表情。
「これで皆さまのお役に立てますわ」
またもや、伝説級アイテム。
良い事なんだろうけど、これで良いのかなという感じが、しないでも無いです。
「行きましょうっ」
エルミナさんから手を握られて、一同、転移。