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03 一階


 ここが、迷宮?


 ほら穴みたいな、遺跡みたいな、


 そもそもこんなところにばんばん潜った経験なんて無いし、


 よく分からないから、ダンジョンってことで。


 そして、目の前に見えるのは、通路が一本のみ。



「怪しい気配は無し、か」


 シスカさんの声は緊張してるみたいだけど、その凛々しい声が僕を落ち着かせてくれるわけで。



「不思議な場所ですこと」


 エルミナさんの声は相変わらずの心地よさ。ずっと聞いていたいです。



 じゃなくて、リーダーがぼけっとしてる場合じゃないでしょ。


「進む前に、調べてみますね」



 広範囲探査魔導具を屋内モードにして、探査開始。


 地図が……出ましたよ。



「どうやら一本道みたいです。 魔物もいないみたいですね」


 拍子抜けだけど、別に闘いたかったわけじゃないので、これで良し、かな。



 念のために、迷宮内部を『鑑定』してみると



『天秤の迷宮』1/3



「どうやら三階層のうちの一階みたいです」


 ふたりの表情を確認して、


「それでは、進みますね」



 警戒しながらみんなでゆっくりと前進中、なのですが、


 実はとても困っております。


 迷宮のことじゃなくて、エルミナさんと手をつなぎっぱなしなこと、ですよ。


 しかもこの感触、なぜか両手で握られているのです。


 確かに探索結果は魔物なしだったけど、このままだと何か起きた時の対処をシスカさんに任せっきりになっちゃうわけで、


 かといって、エルミナさんと手を離したくないっていうか、なんていうか。


 とりあえず、こんな駄目リーダーなんかどうなっちゃっても良いので、何かあった時はふたりが無事にここから出られますように。



 で、到着したのは、そこそこ広い部屋。


 中央には、いかにもって感じの、大きめの宝箱。



「宝箱を『鑑定』してみます」



『気高き騎士への贈り物』


 罠は、無さそう。



「どうやら、シスカさんの分の宝箱みたいですね」


 複雑な表情のシスカさんが、覚悟を決めた様子で開けると、



「剣、か」


 宝箱の中には、質素な装飾の剣のみ。



「『鑑定』してみます」



『守り手の片翼』


 種別:片手剣


 希少度:伝説級


 特殊効果:所持者の守護対象への想いが能力値として付与され攻防時に上乗せされる


 ※真の力の解放には対となる盾が必要



『鑑定』結果を聞いたシスカさん、さらに複雑な表情。


「伝説級って、もしかしてものすごい武器なんですか」


「エルシニア城の宝物庫にも無いほどの、ですわ」


 えーと、魔物もいない一本道を歩いただけで、コレですか。



「私には過ぎた宝剣では……」


 特殊効果は、すごくシスカさん向けだと思いますよ。



「皆を守るための力、か」


 シスカさん、剣を手にして感慨深げ。



 ところで、二階層目にはどうやって進むのかな。


「迷宮に入った時と同じ状態なら」



 エルミナさんの言う通りに、三人が宝箱の前で手をつなぐと……



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