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02 迷宮


 おそるおそる、近付いてみました。


 平原の中にある唯一の目印のような、とても大きな大木。


 ひとりでは抱えきれないくらいに太い幹の、ちょうど目線の高さに、


 真っ黒な、穴?


 どんなに目を凝らしても、黒い穴、としか分からない。



 そろそろ射程距離、それじゃ『鑑定』!



『天秤の迷宮』


 概要:素晴らしき人生には素晴らしき褒美を、そうでなければそれなりの報いを


 難易度:探索者の生き様次第


 階層:探索人数次第


 報酬:探索者の人生次第


 ※挑戦は発見時の一度きりのみ



 えーと、見てるだけなら危険では無いみたい。


 ふたりを呼んでも大丈夫、だよね。



「おーいっ」



『鑑定』結果を、ふたりに話してみたけど。



「はぐれ迷宮、のようだな」


 それって何ですか、シスカさん。



「稀に現れるさまよえる迷宮、だったかな。 探索されると消える、らしい」


 迷宮っていうよりも、生き物みたいですね。



「城の書庫で読んだことがあります。 探索成功者は素晴らしい秘宝を手に入れることが出来た、とか」


 素晴らしい秘宝が手に入るってことは、探索はとても大変って事では。



「どうする、リーダー」


 僕?



「今日のお出かけはカミスさんの御提案ですから、カミスさんがリーダーですわ」


 確かにお誘いしたのは僕ですけど、こんな冒険になるなんて。



「私は、興味がある」


 シスカさんが、やる気まんまんですよ。



「物語でしか聞いたことのない秘密の場所。 少し怖いですけど、皆さんと一緒なら」


 エルミナさんも、興味津々ですね。



「それじゃ、みんなで行ってみましょう。 でも、安全第一、ですからね」


「冒険者としては、どうかと思うぞ」


 ふたりとも、苦笑。


 ピクニック気分でお出かけしたらコレですよ、これが異世界。



 念のため手をつないだ三人、準備万端。


 先頭は、僕。


 この手の迷宮は最初に入った人をリーダーと認識するらしくて、それで、僕。


 すっごい緊張で胸がドキドキしているのは、迷宮のせい、ではなくて、エルミナさんと手をつないでいるから。


 ちっちゃくてあったかくて柔らかくて、緊張するなって方が無理でしょ、これ。



「まだ行かないのか」


 うぇっ、ごめんなさいシスカさん。


 後で必ずあなたとも手をつなぎますから、って、そうじゃなくてっ。



「行きますっ」


 黒い何かに、手を触れると……



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