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ベジタリアンの吸血鬼

作者: まえとら

水生昆虫のミズカマキリが水草に4本脚でつかまり鎌状の前脚でオタマジャクシを捕まえ尖った口で溶かした肉液を吸っている。


眠りから覚めた私は、あの人のススメで努力してベジタリアンになった。皆の協力で人の血を吸わなくてすむようになった。


私が事故死寸前のあの人の血を吸い、吸血鬼として蘇らせたことがきっかけで魔物ハンターに見つかってしまった。あの日。あの人は逝ってしまった・・・私の身代わりとなって。


もう二度と人を吸血鬼にしたくない。

トマトジュースをストローでチューチューと吸っている一人の女。愛する人をヴァンパイアに変え死なせてしまった。


人間社会に溶け込まずともヴァンパイアとして生きることもできた。けれど、あの人と愛した世界。私は夜働くことで人間社会にも溶け込んでいた。


水槽の中のミズカマキリが水面からおしりの呼吸管を空気中に出し呼吸した。

女は外の風にあたってこようと深呼吸して、夜の闇の中へ姿を消した。

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