魔法を使ってみる
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翌日になった。今日は初めての魔法練習だ。まあ、まだ使えるかわからない。
魔法は一生使えない人もいる。もちろん多くはないが習得には数年かかるのだ。ほとんどが自身のバイタリティが解っていないからだ。
「おはようございます、バニル君。」
外に出てすぐアクアさんは僕の家に来た。時間より30分早いが早めの行動をするのはいいことである。
「おはようございます、先生。」
先生に挨拶するとまどからカリンがのぞいているのがわかった。母親は心配性である。昨日も「明日からなの。急にはじめて大丈夫?」や、家から出る時も「無茶したら起こるよ。」といったものだ。カリンも赤ちゃんがいるんだから自分の心配をするべきである。
「それでは、まず自分のバイタリティを感じることから始めましょう。」
「先生、僕、自分のバイタリティが分かります。」
僕の言葉にアクアさんは驚愕していた。当たり前だ。どんな才能者でも4歳か5歳でバイタリティが分かるものが多いのだ。しかし僕は2歳でできたのだからそうであろう。
「それは本当ですか。」
「はい、たぶん。」
アクアさんは僕が本当なのか疑っている。当たり前だ。ふつうこの年でできるものではないからだ。
「では、キュアを教えます。これは治癒魔法です。キュアといって私にバイタリティを移すイメージでやってください。コツは、私をバニル君のバイタリティで覆う感じでやるとできます。」
まあ、とりあえずやってみる。最近では自分のバイタリティがよく感じ取れるから自分のバイタリティを動かすこともできるであろう」
「キュア」
僕はそういって自分のバイタリティをアクアさんに覆おうとした。
正直うまくいったかはわからない。しかし、なんとなく手ごたえはあった。
「バニル君。すごいですよ。できてますよ。」
正直実感はないができたらしい。日頃訓練した成果が出たのだ。努力は報われる。
「正直実感がありません。先生に本当にかかったのでしょうか。」
「はい、しっかりかかりました。バニル君のバイタリティを感じ取ることができましたよ。本当はけがが治ったりするのが見えるんですけどね。」
やはり視覚化はできないのか。しかし、なんとなく手ごたえはあった。
「バニル君がバイタリティを操れるのはわかりました。では、これからが本番です。あなたがよい魔法使いになれるよう教育しましょう。」
こうして魔法の訓練が始まった。
【次回】5月23日22時