第2話 出発準備
朝日が眩しい朝。
あれ? 今日晴れたんだ。それにしても眩しいなぁ。
「やっと起きましたね」
「ふぇっ!? ってここどこ? ってかなんで私声ふっと!!」
起きたとこは辺りに木々が生い茂っていて森のようだ。そして私は男!?で、目の前には魔法使い半人前!的な少女が。
「転生したってこと……?」
「テンセイ? 何ですかそれ」
「ええと、転生は……、世界から世界に……的な?」
「何言ってるんですか。とりあえず、あなたはなぜこんな所で寝てるんですか!」
「私は、家で普通に寝ただけです!」
「とりあえず、王様に勇者を見つけてこいと言われたので貴方が勇者、ってことで」
とあたふたしながら石を出して、
「テレパータ! 王室!」
「ちょ、ま」
と私のあたふたをよそ目に少女が叫んだ。
すると、周りの視界がふにゃにゃにゃんとなり、気づいたら豪華な大きな部屋に飛ばされた。
「ただ今帰りました。バニラ国王」
バニラ国王と呼ばれた男はザ・国王みたいな格好をして豪華な豪華な椅子に座っている。
「おお、来たか。ありがとなココア」
バニラ国王にココアちゃん。美味しそうね。
「お主が勇者か?」
えっ?と言う顔でココアちゃんを見ると、首を縦に振るばかりである。
「ええと、はい?」
と半分疑問系が入る。
「そうかそうか、良かった! ココア、ご褒美じゃ」
げ、ご褒美のためか。腹黒かしら?と思っ途端、
「勇者殿、よく来てくれた。お主の仕事は、山の上の家にいるカスタードを迎えに行くことじゃ」
え?迎え……?
口を半開きにすると、
「大丈夫。相棒は付き添わせる。よいな?」
とスパスパ決めてニッコリと笑顔で、
「シュガー、グミ! 来い!」
と呼ばれた二人は……、男だった……! しかも、なんかガタイいいやつ! てか名前、甘すぎない!?
「こちらが勇者の……なんじゃ?」
「あー、ビスケット……?」
「んー、ビスケットは家来と被るな……。こちらが勇者のポテトじゃ!」
は!? 甘いか甘くないか真ん中の位置に立つやつ……! スイートをつければ甘くなる! だがチップスにしたら甘いどころか油! しかも某ハンバーガー屋のプライドになるかものやつ!?
しかし私の葛藤を裏腹にシュガーさんとグミさんは、
「よろしくお願いします! ポテト様!」
などと土下座をされたものなので、
「よろしくお願いします。シュガーさんとグミさん」
ニコーッと笑顔で返した。すると、シュガーさんは赤面になり、何かを言ったが何を言ったかは後に聞こう。
次の日、私たちは出掛ける準備をした。
甲冑を着けたり、エクスカリバー(仮)を身に付けたり……。とりあえず私の見てきた転生モノとは全く別物だった。
私の好きな転生モノと言えばコンビニを出た時にいきなり転生したりなのだが、まぁ、新しい転生モノか。とふふんふんと鼻歌を歌って着替えていた。
「その胸当ては何ですか?」
ふとグミさんから聞かれた質問に違和感があった。
「あ……。あははあはははは」
そうかそうか、そう言えば私、転生したら男になっていたのか。忘れていたわ。
「これはね……、心臓に当たらないようにダヨ!」
とふと思ったことを言った。
「ですよね! 女だったら〇してました!」
ニコーッと満面の笑みで言ってきた。