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森の叡智 レイン  作者: 七尾 蕉
3/3

第1章 レインの長い夜②

今回は第2話に引き続き、第3話も更新しました!

楽しんでいただければ幸いです。

それでは第3話のはじまりはじまり~♪


「さあ、次はそなたの番だ」

「私か?」

「そうだ。なにか隠しておるのだろう。言え」

「……なんでもない」

 自分自身、身体の異変には気づいているはずだ。

 だが男は、頑なに話そうとはしなかった。

「そなたが仕える主は、わらわの薬で熟睡しておる」

「どうしても嫌だと言うのであれば、わらわが直々に脱がしてやってもよいのだぞ?」

 不敵な笑みを浮かべるレインにピクリと反応した男は、上半身の衣服を脱ぎ捨てた。

「素直でよろしい」

 レインは満足げな表情を浮かべながら答えた。

 だが、背中の傷口を一見し、今度は言葉を失った。

 3カ所ある傷口すべてが化膿しているのだ。

「これは……、矢を受けた傷であるな」

「……あぁ」

「他にはどんな症状がある?」

「しょう、じょう?」

「身体の不調だ」

「そう言えば、昨日の昼頃から……呼吸、が」

「呼吸がしづらいのか?」

 激しく頷く男は、我慢できなくなったのか、強く胸を押さえた。

「おそらく、矢に毒が仕込まれていたのだろう」

「どく……」

「あぁ。多少手荒だが、いまからそなたの身体にある毒をすべて抜き取る」

「わか……っ」

 本人からの承諾を得て、早速治療に取りかかった。

 まず、化膿している3カ所すべてを治癒ヒールで回復させた。

 その後、腕に小さな切り傷をつけ、そこに細い管を差し込んだ。

ここからが正念場である。

収集コレクト

 魔法で体内の毒を吸い取っていく。収集コレクトと同時に探索サーチを使用することも忘れない。

 毒が残っていないか念入りに確認し、血が噴き出さないように布を当てながら管を引き抜いた。

 その後、治癒ヒールで腕の傷をきれいに治した。

 この収集コレクトは、最大使用距離が2mという欠点がある。

 そのため、身体の部分ごとに管を通し毒を抜き取らなければならないのだ。

 闇夜から開始した治療は、空が白み始めた明け方に無事終了した。

 レインは、男が寝る前に薬草茶と念のために解毒薬を調合して飲ませた。

 これで起き上がるころには体力がある程度は回復しているだろう。

 小鳥のさえずりが、レインの長い夜の終わりを告げた。

第3話、いかがでしたか?

実は、これまでの話しの中で、シエルもほとんど話してないんですよね。

(なんかこんなのばっかりだな……反省します。)

第4話ではシエルが直面している問題が明らかとなってきます。お楽しみ!

それではまた。第4話でお会いしましょう。

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