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奴隷商人、奴隷を呼びつける

「おはようございます!若旦那!」


オフィスに元気な声が響く。


「お、おはようございます、フォルクさん。今日も元気ですね」


「ええ、元気があれば大抵の事は出来ますからね」


ハハハとフォルクさんは白い歯を見せて笑う。

フォルクさんは父の頃からの従業員の中で一番の古株で従業員達のまとめ役である。


「昨日仕入れた6人なんですが昨日もしっかり飯を食ってましたし健康状態は問題なさそうです。病気の方は昨日の午後にヤコブ先生に診てもらいましたが、問題ないそうですよ」


「そうですか、それは良かったです。あ、そうだ!黒髪の子の様子はどうでしたか?」


後で様子を見ようと思っていたのだが、昨日は色々あってその存在をすっかり忘れていた。


「ああ、あの子ですか。ちょっと様子が変でしたね」


「え?どんな風にですか?具体的にお願いします!」


思わず体が前のめりになる。


「飯はしっかり食ったんですがね。他の子は飯が食えてすごく喜んでたんですが、その子はそれほど喜んでなかったんですよ。それが気になりましてね」


「何か嫌いな物が入っていたとかじゃないですか?」


子供と言うのは食べ物の好き嫌いが多い。

例えばニージンであったり、ピルマであったりだ。

好き嫌いは無い方が良いに決まっている。

だが、クラウスはそこらへんは寛大でニージンやピールマが食べられない事を責める気は全くなかった。


「まあ、そうかも知れませんな。ここに来てすぐでしたし馴染めてないだけかも知れません」


「ええと、フォルクさん。それでその子と話をする事って出来ますか?」


「そりゃ出来ますけど、別に若旦那が直接話をしなくても······」


「いえ、お願いします。私が初めて買った奴隷ですし話をしてみたいんです!」


私は気付けばなぜか必死になってフォルクさんにお願いをしていた。


「分かりました、すぐに連れてきます!」


私の変な剣幕に押されたのかフォルクさんはすぐに部屋を飛び出していった。

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