第3話 告白
さてどうしようか。
彼女の後を歩きながら考えていた。
よくよく考えたらこの光景って犯罪臭すごくないか?
一歩間違えたらストーカー防止条例とかにひっかかりそうなんだが。
………まあ考えないようにしよう。
僕らは街中を抜けて、住宅街に入っていった。
まずい。そろそろ彼女の家に着いてしまう。
流石に最後までついていって住所を突き止めるような事は出来ないだろう。
そんなことをしたらすぐに両手に手錠がガチャリだ。
しかしここでUターンすると、よほどの偶然が起こりでもしないと一生彼女には会えることはないだろう。
腹を決めて告白するしかないか?
「すいません!ちょっといいですか?」
僕は前を行く彼女に呼びかけた。
***
さてどうしものか。
さっきと同じことを現実逃避気味に考える。
声をかけてしまったから、もう後には戻れない。
ほら彼女もこっちの方を見てる。
知らない男から声をかけられた恐怖からか、ちょっと不安げな目をしている。
やばい可愛い。
「ごめんなさい。急に声をかけて…。
えっとですね、僕は怪しいものではありません。」
緊張からか、あまり上手く言葉を紡げない。
「急にこんなことを言われても困ると思うんですけど、さっきバスの中で見かけた時に、可愛い子だなと思いました。」
すごい。よく分からないパワーで可愛いなんて言葉まで言えた。
「それでですね、もしよければ僕と付き合ってください!お願いします!」
突然の告白に驚く彼女の姿が見える。
ああ言ってしまった。
言えてしまった。
まあダメだよな。突然知らない人に告白されても迷惑なだけだろう。もしかしたら明日、早ければ今日には彼女の友人間で笑い話にされていーーーー
「いいですよ。」
ほらやっぱりダメだった。
とりあえずごめんなさいと謝って、早く彼女の前から姿を消そーーーー
「え?」
今彼女はなんとおっしゃったのだろうか。
僕の聞き間違いでなければ…
「いえ、ですからいいですよと言いました。」
何度も言わせるなという風に彼女は恥じらうように顔を赤らめながらもう一度了承の返事をかえしてくれた。
「……………。」
エェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?