プロローグ
どうも。
「生死を分けるは一文字より」の作者の風見です。
諸事情で、プロローグのみ上げることになりました。
「生死を分けるは一文字より」の連載が大体一年後には終わる予定なので、一年後には再開すると思います。(たまに投稿するかも)
「うわっ」
「ぐはっ」
自然が作り出した白いカーペットへと、次々仲間達が倒れ込んでゆく。
そんなことはお構い無しに俺はこの空間を走り抜ける。
ここは、死と隣り合わせな場所。そう、戦場だ。
宙を走り抜ける弾丸が、宙を舞う雪を粉砕して行く。
銃弾、銃声、血液、悲鳴が飛び交う中、俺はひたすら走り続けた。
俺の目的はただ一つ、エリアの端で隠れることだ。
腹が減った。
もう何時間やり続けただろうか。
栄養食を食べるにはとりあえず隠れなければ食べられない。
それもそうだ。堂々と立っていたら撃ち殺されてしまう。
エリアの端に着いた頃、俺は空腹でなく、ただの睡眠不足で倒れてしまった。
薄れていく意識の中、最後に聞こえたのは自分の使っていたキャラが撃ち殺される音だった……
目が覚めると、真っ暗な部屋にいた。
最初は自分の部屋かと思ったが、ゲームやPCなどの機器が一切ない。
真っ暗な部屋かと思っていたが真っ黒な部屋のようだ。
俺が困惑していると、1人のサラリーマンが営業スマイルを顔に貼り付けたまま、前から歩いてきた。
サラリーマンの見た目をしてはいるが、光っている。なんか知らんがオーラがある。
「ようこそ。死後の世界へ」
「は?」
「ようこそ。死後の世界へ」
「いや……は?」
「ようこそ__」
「いや、もうそれはいいんだよ! 死後の世界ってどういう事なんだよ!」
「あなたは8時間ぶっ通しでFPSをした結果、過度な緊張感とストレスで突然死したんですよ」
「そんな冗談はいいから早く家に返せ! まだキルレが目標値に達してないんだよ!」
「冗談じゃないですよ、新羅 剛琉さん。なんなら、あなた達の世界でいうRPGのような世界へ、あなたを送り込んであげましょうか? 同じ世界で生き返らせるなんて事は出来ませんが、別世界にならその体のまま送り込めるんで」
「やれるもんならやってみろ! 最近有名異世界転生とかいうやつリアルで出来るわけねぇだろ!」
「では、とりあえずあなたの脳内に、日本語という言語を、今から行く異世界での公用語に置き換えるシステムを組み込んでおきますね。普通に今まで通り、日本語で会話出来るようになりますので」
「それっぽいことウダウダ言ってないでさっさとこんな芝居終わらせろ」
「それでは新しい世界で頑張ってください」
気づけば草原の真っ只中に俺は立っていたのだった……
「神様てめぇふざけんなごらぁぁぁぁぁ」
俺の叫びは誰の元にも届かなかった。