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17、模擬戦

「なぁ」

「どうしたのですか?セツナ様」

「周りが俺を避けるのは気のせいか?」


セツナは勝手についてきたアリシアと廊下を歩いていると、生徒達が道を開けていくのだ。入学してから一週間でとんでもない浮き様である。


「セツナ様、何か心当たりないんですか?」

「うーむ…」


♢♢♢


それは数日前の魔法適性を調べる授業の事。


「並んでここに手を置け―」


ガイルの指示で魔法適性を調べる事となり、生徒達は列に並ぶ。


「お前は火属性か、次!」

「はい」

「ふむ、お前は二つ属性を持ってるのか珍しいな、次!」


そんな調子で列が消えていき、セツナの番となった。


「よし、セツナ、手を置け」

「わかった」


水晶に手を置く。クラスメイト達には数人二つ属性を持っている生徒がいた。この時点でセツナはユニークはバラシてはいけないと察した。


「こ、これは!ユニ―――」

「話せば殺す」

「………」

「………」

「ユニコーンの幻覚が見えちゃったな~!」


ガイルは大声でそういうと、生徒達に「なんだあいつ」と言いたげな目で見られる。

ガイルの心は無事ではないがセツナの秘密は無事に守られた……と、思っていたら…


「わー、セツナ君やっぱりユニ―――」


隣から現れたティアにアイアンクローを使うセツナ。その様子をクラスメイト達は「何してんだあいつ」と言いたげな目で見られる。その視線が面倒だったセツナはアイアンクローから解放し、自分の席に戻る。


「次はティアか…」

「元気なさそうですね?」

「少し生徒の視線でメンタルがな……」

「よーし、どうなるかな~」

「聞けよ…」


ティアは水晶に手を置く。


【氷魔法 結界魔法 生命の輝き】


こう表示される。ワイズマンのユニークスキルが生命の輝きだというのはかなり有名な話だ。なのでこれをみたガイルはすぐに学園長に結び付ける。


「学園―――」

「話せばお前クビな」

「………」

「………」

「学園ラブコメ小説が今日発売されるんだよな~早く買いたいな~」


そして再びガイルの心と尊厳がゴリゴリ削れていく。


♢♢♢


「―――思い当たらないな、俺はティアにアイアンクローをしただけだ(バレそうだったし)」

「女の子にアイアンクローって…(絶対その噂が広まったんだろうなぁ)」

「女だろうが男だろうが関係ない(どっちもアイアンクロー出来るし)」

「…それは、本当ですか?(もしかして…この人になら)」

「当り前だ(女の方が頭小さくてアイアンクローしやすいが)」

「………セツナ様、少し来てください(決めた、僕は…)」


アリシアは何か決意した顔でセツナの手を引く。

そして向かった先は―――


♢♢♢


男子トイレの個室だった。


「あの…セツナ様」


アリシアは頬を赤らめてもじもじする。

セツナはそんなアリシアを見て無表情で個室から出ようとする。


「ちょ、なんで行くの!」

「ごめん、俺はソッチじゃないから」

「ソッチって何!?」

「俺はルナ姉一筋って決めてるから。じゃ」

「待ってくださいよー、話だけでも聞いてくださいよー」

「なんだよ…」

「えいっ!」


アリシアはセツナの手を掴むの自分の胸に押し当てる。セツナは「やはりホモか…」と呟き、あることに気付く。


「ん?」


むにっ


「…ふむ」


むにっ


「………」


むにっ


「もしかして…いや、まさかな…」


むn

バチンッ


セツナに強力なビンタが飛んでくる。


「いつまで触ってるんですか!」

「いや、異世界には男の胸にも脂肪がついてることに驚いただけだ」

「こ、この顔…本気で言ってる…」

「何のことだ?」

「…はぁ」


セツナが不思議そうにしているとアリシアはジャケットを脱ぎ、シャツのボタンに手を掛ける。


「セツナ様…実は僕、男の子じゃな」

「じゃ、俺はこのへんで」

「…へ?」


セツナはトイレの個室から出ており、アリシアが気付いた時にはもうその場にはいなかった。


「…セツナ様速い…」


♢♢♢


「ったく…やっぱり男色家だったか…」


セツナはそんな事を呟きながら、訓練場へ向かう。午後の授業は国の騎士団が学園に訪れ生徒達に訓練を指導してくれるらしく、セツナは少し楽しみにしていた。

その理由は騎士というのはどれだけ強いか、それが楽しみで仕方がなかったからだ。


「セツナ様!こっちです!」

「…俺、最短ルートで来たはずなんだが…」


既に先回りしているアリシアとティアがいる。ルナとギンも既に来ており、セツナが最後だったりする。


『セツナ大丈夫だよ!まだ始まってないから!』

「そうか、なら良かった」


セツナがそう思い、訓練場に入るとすぐに騎士団がやってくる。


「今年は腕のいい子はいますかね…」

「最近はまともな奴いねぇからな…」

「今年は英雄の子孫がいるらしいからその子に期待するしかないだろ」


騎士団は普段は鎧などを付けているのだが、訓練という事で軽装で登場した。騎士団の会話を聞いて生徒達がやる気になっている。

その理由は騎士団は毎年、生徒達の訓練に付き合いその中で強そうな生徒には卒業後スカウトされることが多いのだ。


「有名な白騎士団の方に指導をしてもらうんだ!担当の騎士の方に挨拶しておくんだぞ!」


ガイルはそう言い残すと何処かに去っていく。そしてセツナは担当の騎士を探す。

担当の騎士を見付けると、セツナは挨拶をする。


「よろしく頼む」


セツナは軽く挨拶をする。


「よろしく…の前に聞くことがある」

「なんだ」

「お前の気配が感じ取れなかった…だが嫌な感じがしてな…何をした?」


セツナはその言葉に思わず笑みをこぼす。セツナは気配遮断を使っていた…しかしもう一つの方を気付かれるのはセツナも予想外だった。


「抑えていた感情も読み取るなんてな…これは面白い」

「抑えていた感情…?」

「それより、指導してくれ。俺は―――」

「ッ!」


騎士の顔は一瞬で恐怖に染まる。そしてセツナは口元を歪めて笑う。


「―――今すぐにでも戦いたいんだ」

「こ、こいつは!」

「安心してほしい、武器は使わないから」


騎士は訓練用に用意された木剣ではなく、念のために持ってきた真剣を取り出す。セツナはここ一週間、戦闘を行っていない。身体を動かすためにナイフを巨大な大剣にして振りまくっていたことで何とか我慢していた。それが数日前に騎士との共同訓練があると聞いてとても喜んだ。


「おい!何してる!真剣なんて出し―――」


ドゴッ!


注意しようとしていた騎士の隣を騎士が吹っ飛ぶ。その騎士はもちろんセツナの担当していた騎士である。


「…あれ?弱くね?」


吹っ飛ばした本人であるセツナは不思議そうな顔をしていた。その様子を見たティアはすぐさまセツナに駆け寄る。


「セツナ君何してんの!?」

「騎士だからティアよりは強いと思ったんだが…」

「私国一番の魔法使いだよ!?」

「魔法と剣は別だろ」

「とりあえず騎士は弱い、これ覚えて」

「騎士は弱い、はい覚えた」


ティアは渋々納得すると、騎士の方へ向かう。すると入れ違い様にアリシアがくる。


「セツナ様」

「どうした」


シュッ


「戦いましょう!」

「それは槍で突く前に言ってほしかったな」

「そう言いながら掴んでますね」


アリシアの手に持っている訓練用の槍はセツナの方へ向けられており、セツナはそれを瞬時に掴んでいた。


「じゃあルールですが、僕は魔法あり武器ありで、セツナ様は魔法無し武器無しで、僕がセツナ様に一太刀浴びせられた僕の勝ち、僕が降参したらセツナ様の勝ちです」

「凄いルールだな、防具はありか?」

「ありですよ」

「よし、分かった」


セツナは袖をまくり黒い腕輪を見えるようにして、腕輪触れると頭であることをイメージして形状変化と心で唱える。

かなり前にセツナは知ったのだが、魔法は呟かずとも心で念じれば使えるのだ。それと同様で魔道具も使える。


「それは…籠手?」

「あぁ、籠手なら防具だろ?ここに当たっても一太刀には入らない、どうだ?」

「はい、それぐらいなら」


【罪深き死神の衣(籠手)】


「じゃあ、始めようか」

「はい、では!」


アリシアは掛け声も無しに槍を横薙ぎに振るう。セツナは何の訓練用の槍を粉砕する。


「どうする?武器を変えるか?」

「………」


セツナは破壊したと思っていた槍を再び振るう。しかし粉砕していた槍は戻っていた。


「なに!?」

「甘いですよ!」

「クソッ!」

「……付与」


セツナは槍を破壊するつもりで叩く、しかし槍は壊れずにまるでゴムのように凹み形を元に戻す。


「付与解除…斬撃属性付与」

「魔法か!」


セツナは一度距離を取る。相手の様子見のためだ。


「風属性付与…」


アリシアは槍を縦に振るうと巨大な斬撃が風となりセツナに向ってくる。一撃には留まらず何度も斬撃を飛ばしてくる。


「これで私の勝ちですね!」


セツナはギリギリまで何もせずに動いていなかった。周りで見ていた生徒もアリシアの勝ちだと確信に近付いていた。


「…面白い」

「ッ!」


その言葉でアリシアが怯んだ合間にセツナの姿を見失っていた。その直後、セツナに飛んでいた斬撃は全てが一瞬で消滅した。いや、消滅したのではない……効かなかったのだ。


「これは魔法じゃないぜ」


そんな声がアリシアの背後から聞こえた頃には手遅れだった。その直後、アリシアはセツナに蹴り飛ばされる。


「ぐっ!」

「へぇ、まだ耐えるか」


アリシアは確かに蹴り飛ばされたが、槍を地面に突き刺して何とか意識を保っていた。


「はぁ…はぁ…」

「まだ終わってないぞ?」


セツナはアリシアに急接近して追撃をしようとする。アリシアは咄嗟に槍を構える。しかし…


バリィィィン!


「おいおい、付与だったか?解けてるじゃねぇか」


セツナが軽く殴ると槍は破壊される。先ほど直ったのも付与によるものだとセツナは感づいていた。


「さ、どうする?」

「ははっ、降参です(やっぱりセツナ様にあの事を…)」

「そうか」

「それよりさっきのは何ですか?魔法じゃないって言ってましたけど…」

「あれか?あれは防具だ」


【罪深き死神の衣】

【形状変化】

【ライフチャージ】

(蓄積数:99999+)

【ライフコンバート】

【魔法破壊】

【魔力収集】


【魔法破壊】

(形状:籠手時)

魔法を強制的に魔力に分解する。


【魔力収集】

(形状:籠手時)

分解された直後の魔力を集める。


セツナはこの能力を見て、形状によって違うのだと初めて理解するのであった。

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