エピローグ 何故
激痛が走る。
腹を見るとぐさりとナイフが突き刺さっている。
今まで感じたことのないような痛みが同時に襲ってきた。
「何するんだ・・?」
俺は絞り出すようにそんな声が出た。
俺を今殺そうとしている彼女に目を向けると俺にはその顔が見慣れているはずなのに顔がひどく狂気じみて見えて,恐ろしくてたまらない。
「いくら何でも言い過ぎたほうが悪いんでしょ」
そう言われても何もした覚えがない。
俺はその女に殺されるようなことをした記憶はないはずだ。
俺はそんなことを思いながら何度か聞き直すのだが女はもはや俺が言っていることを理解できていないのか,言語が通じていない。
そのことに完全にくるっているとしか思えない女が恐ろしい。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・」
そう俺は恐怖と痛みに震えながら叫んだ。
腹を見るとどくどくと終わることのない勢いで血があふれ出る。
どれぐらい出血したら死ぬのかわからないがこれは死にかけているといっていいのだろう。
(俺は・・・死ぬのか)
そんなことを思っているとどんどん意識が遠くなっていく。だがまだ倒れるわけにもいかず必死に意識を保とうとする。すると,
「~~~」
俺は恐怖と意識がとびそうなことも相まって聞き取る余裕がないがその女は何か言いながらゆっくりと近寄って来る。
「ひぃぃぃぃーーー」
俺はその女がひどく恐ろしくてそんな声を出しながら後ずさりしていく。
「・・~~!」
その俺を殺そうとした女は俺が恐れたことを怒っていることはかろうじてわかるが話を聞いているほどの余裕がなく理解できない。
すると,ガタンと俺が倒れている空間に誰か入って来たことが分かる。
だがもう出血がひどすぎるのではないかと思える。
(俺は彼女に殺される・・のか?)
するとどんどん意識が朦朧としてくる。
そして,俺を刺した人物を見つめながら,
「美華,どうして・・?」
そう俺は〈俺の幼馴染〉に向かってそう言った。
そして走馬灯のように思い出す。
俺が幼馴染と過ごしてきた今日この時まで日常であったはずの一日を。
なぜこんなことになってしまったのかを思い出す。
始めのうちは毎日以上更新する予定なのでよろしくお願いします。
先日一度投稿させてもらったのですが,一度構成を考え直すために削除させてもらいました。
本当に申し訳ありませんでした。
感想が執筆速度に関わるタイプなので感想お待ちしております。