最近のなろうはつまらないらしい
『最近のなろうはつまらない』
これは昔から言われ続けていることですね。大体5年程前から、それ以前の良作品の劣化コピーの流出が爆発的に増え始めたように感じます。
それ以降、オリジナリティあふれる作品や文章として優れた作品が日々減少の傾向にあります。
以下、その原因を考察した例をあげようと思います。
そもそも、なぜ転生する必要があるのでしょうか?指輪物語のようにその世界だけで世界観が完結する作品の方が、物語の整合性や矛盾などを考えると極めて書きやすいはずです。もちろん、それを踏まえて転生や召喚系の作品を書くなら良いのですが、何も考えずに書き始めたような作品のなんと多いことか。
スキル。たしかに強さを設定するのに、スキルやステータスなどの概念は作者としては楽でしょう。しかし、安易に楽をしてはいけません。この概念を設定として取り組む時、必ず考えなければならないことがあります。それを忘れてはいけません。設定をサボってしまえば、深みのある文章はかけないでしょう。
さて、現在のなろうにあるファンタジー作品のうち、スキルやステータスなどの概念を採用している作品は一体どれだけあるでしょうか?少なくとも、100や200で済むような数ではありません。ですから新たに執筆したとしても、上手く評価されないと二番煎じどころか何百分の一の有象無象の一つにしかならないでしょう。
それ以前に、スキルが使える設定であるとしましょう。その場合、スキルを使わない技術(以下技術)の扱いはどうなるのでしょうか?技術優先であれば、スキルが存在する必要がありません。
また、技術とスキルが両立する、などと無茶苦茶な設定を採用してしまうと、スキルを使って強者を名乗ったところで、所詮世界や神に与えられた力にしかなりません。技術が存在する以上、そちらの方がより自分自身の能力と言えるでしょう。この場合、最強だのなんだの言ったところで、虎の威を借る狐となんら相違ありません。借り物の力で無双する最強程見ていて哀れなものはないのではないでしょうか?
このように、スキルを設定として取り組む場合、スキルを技術よりも優先しなければ、非常に書きづらいでしょう。もちろん、かの有名なソードアートオンラインのように、限定的な範囲、すなわち強さに上限がある状態でのスキルと技術の両立は上手くすれば問題ありません。ですが、それができる作者の方々が近年減少傾向にあるのですね。
今回あげさせていただいたのは一つの例てしかありませんが、このように設定やストーリーに対する考察が物書きには必須の要素であります。しかし、なろうにはそれを考えていない作者が増えてきています。それこそが 『最近のなろうはつまらない』と言われる原因でしょう。
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