閑話2:精霊の町
ビナシの森で私を助けてくれた少年と一緒に行動することになった。
恐ろしく強いにもかかわらず、素直な良い少年だと思う。
彼も駆け出しの冒険者とのことでパーティを組ませてもらった。
彼はひどく感謝してくれたが、私にとってはそれこそこっちがお願いしたことなのにと恐縮しきりだ。
彼にとっての初依頼となる薬草採取、確かに実入りはまあまあ良いが覚えることもたくさんあり余り冒険者には人気がない依頼だ。
私は元々一人で受けられるものを主にしていたから、こういった依頼が多かったが、彼ほどの腕があれば討伐系でもよかったはずだ。それなのに、なぜこれを選んだのか。
その疑問は準備の段階で分かった。
彼は自分で作ったというポーションをくれたのだ。
魔法が使え、剣も使え、薬師という特殊技能持ち!万能じゃないか。
私は自分が足手まといではないかという思いをさらに深くしていた。
そしてその思いは依頼遂行中にさらに深くなった。
彼の技能からして当然かもしれないが、彼の薬草選択の技術は早く正確だった。
そして途中で起こった出来事。
精霊が彼に助けを求めている。
精霊は元々、あまり人間とかかわるのを好まない。
たまに好かれる人間がおり、それが精霊使いとして尊敬を受けるほど、精霊の能力は高く、恩恵は測り知れないのだ。
それくらい精霊の能力は人と比べ大きいのだ。
それなのに、その精霊から名指しでの依頼とは・・・。
彼は本当に何者なのだろう?