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コールドスリープから目覚めたら、剣と魔法が「未来の常識」でした  作者: たくみさん
第一章 目覚め

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7:遺跡の泉と俺の繋がり

 岩山の中腹に、巨人が削りだしたかのような滑らかな石材で作られた、巨大な半円形の建造物が埋まっている。

 外壁には、天体や大樹を模したような精巧なレリーフが刻まれているが、あまりにも精密すぎて、どこか機械的だ。


 苔むした巨大な扉にルナが手を触れると、石と石が擦れる音ではなく、重い油圧のような静かな摩擦音を響かせ、ゆっくりと扉が開いた。


「扉に触れると、魔力が吸われて、その魔力で扉が開くらしいです。詳しい仕組みは謎です」

 謎の多い世界だな。


 足を踏み入れると、ひんやりとした風が頬を撫でる。遺跡の中は、部屋の中央に岩盤をくり抜いたような窪みがあり、そこに水が溜まったような感じだ。

 直径は三メートルほどだろうか。見事なほどの円形であり、人工的としか思えなかった。


「これ、誰が作ったの?」


「謎ですね。この遺跡が発見された時から、内部に存在したらしいです」


「謎を解き明かそうとした人は居なかったの?」


「ここは神聖な場所です。無闇に足を踏み入れては、いけないと言われています。一昔前は、禁足地だったこともあるそうです」


「なるほど。ところで、俺はこの泉で、どんな感じで見つかったの?」


「あの辺りにある薬草を集めていたんですけど、ふと泉に目をやると、貴方が泉の中にいました」


「ちなみに……服は着てたの?」


「裸でしたね」


 裸。冷凍睡眠したとき、俺は裸の状態だった。裸なのは自然だ。しかし、ルナの話だと、俺は突然現れた……不自然だ。


 泉のそばまで行き、じっくり観察する。驚くべき透明度だ。深さは二メートルもないかもしれない。

 泉の底の方には、水晶のような透明な石が埋め込まれており、そこがほのかに青く発光している。


「あの光は?」


「魔素が結晶化したもの、あるいは魔素を発生させていると言われていますが、実際の所は不明です。ただ、この泉は、非常に高濃度の魔素が溶け込んでいます」


「飲み水としては使えるの?」


「体内に魔素が溜まりすぎると、悪影響があるとされています。煮沸すれば大丈夫だそうです」


「ふーん」

 魔素って何なんだろうな……。


 しゃがみ込み、泉の水に手を触れる。すると、水に触れた手の周りの水が、青く発光する。


「綺麗だな」思わず呟く。しかし、ルナの表情は一変した。


「な、なんですか……その現象!私もやってみたい!」


 ルナも泉の水に手を触れるが、何の反応も現れなかった。


「私の手じゃ反応しない……なんで?」


「謎だね……」


 何故俺だけに反応するのか。

 なんかこういう光景みたことあるな……ああ、ドクターフィッシュだ。皮膚の角質を食べてくれる魚。ドクターフィッシュのいる水槽に手を入れると、魚が群がってくるやつ。


「面白いな……もっと集まれー」


 何気なく口に出したのだが、その瞬間に俺の手を中心として、小さな渦ができ、激しい発光が起こった。

 とっさに手を抜くと、泉の水面は何事もなく、穏やかになった。


「なんか怖い……」


「響さんと、この泉は何か繋がりがあるのかもしれませんね」


そう言って、小瓶に泉の水を汲み、俺に渡してきた。


「さっきのもう一度やってみてください」


「……集まれ」


 小瓶は、淡い光を放った。


「ランタンの代わりにはなるな」


「まぁ、そうですね……。今度別の聖水でも試してみましょうね」


 色々と謎は残ったが、そんなことを言いながら遺跡を後にした。


 泉の水は、聖水と呼ばれている。聖水は、ポーションなどの材料になる。聖水の中には、ナノマシンのような物が存在していて、俺の血液の中にも、それが存在している。ルナの血液を調べた時には、ナノマシンは確認できなかったが、単に俺の体のナノマシンは、人よりも量が多いのかもしれない。だから確認できたのかな?


 そもそも、本当にナノマシンなのか?もう少し、じっくり調べてみるか……。


 小屋に帰り、小屋になぜか存在した研究室のような場所で、診療所に置いてきた顕微鏡の代わりに、新たな複眼顕微鏡を作成した。


「ナノマシンみえるかな、あれ?何でナノマシンって言うんだろう……ああ……」

 俺はすごい勘違いをしていた……これだから学のないやつは。


 ナノマシンの名称は、ナノメートルサイズのマシンだから、ナノマシンと言う。つまりは……顕微鏡なんかじゃ、ただの粒子にしか見えないんじゃないか?

 ナノメートルが、何ミリだったかは、覚えてない。

 俺が以前、自分の血液で見たナノマシンは、顕微鏡で、尻尾のようなものまで見えていた。


 ありゃなんだ……虫?いや俺の血から虫って……。


 ぶつぶつ言いながらも、見えるはずがないと分かってしまったものの、諦めきれずに自分の血を観察してしまう。俺は、諦めが悪いのだ。


「あれ……やっぱり居るな……」

 尻尾の生えた、ナノマシンが俺の血の中に居た。


「お前は、なんなんだ?俺の体に寄生でもした寄生虫なのか?何か教えてくれよ……」

 俺は、一人で病室に居ることが多かったので、どうも独り言が多い気がする……。恥ずかしいから改めよう。


『寄生虫とは酷いですね。私たちは、長い間、貴方のサポートをしてきた……運命共同体の相棒ですよ?』


「え?!ルナ何か話しかけた?」


「なんですかー?ちょっと聞こえないですー!」

 ルナは、埃の溜まった小屋を大掃除中だった。


「ルナじゃない……?え、おばけ?!」


『酷い!私たちがどれだけ頑張って、貴方の体を維持していたか……涙なくして語れませんよ?』


 これ、貴方の脳内に直接話しかけています……って奴だな。


「ちょっと待ってくれ、まず自己紹介をしよう。俺の名前は響。お前は誰だ?」


『私たちは、第四世代ナノマシン。あの、私にも名前を付けてください』

 

「名前か…ナノマシンだから…ナノ。お前の名前はナノだ。」


『なんて安易な…。まぁいいでしょう。私の名前は、ナノ。これからもよろしくね、響!』

 

 なんか馴れ馴れしい奴だな。でも……独り言が捗るな……。

◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


読んでいただきありがとうございます。

初めて書いた作品なので、ちょいちょいおかしな点があるかもしれませんが、温かい目で見ていただけると幸いです。

 毎日更新予定です。応援して貰えると、モチベアップして、小躍りしますので、☆の応援お待ちしています!


よろしくお願いします!

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