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コールドスリープから目覚めたら、剣と魔法が「未来の常識」でした  作者: たくみさん
第四章 剣の世界

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9:ババ様の審問

 白神岳から帰ってすぐ、オットーはオババの手の者に拉致されていた。

 彼は今、村の長老であるババ様三衆に囲まれ、村の集会所で正座させられている。


「オットーや」

 真ん中に座る最高齢のババ様が、深い皺の刻まれた顔で、静かに、しかし有無を言わせぬ声で口を開いた。


「わしは、村から眺める美しい白神岳が大好きじゃった。それが、あのような姿になってしまった…かわいそうに…あれは一体、何事じゃ?!」


 オットーは冷や汗を拭った。ジンと二人で考えた荒ぶる神を鎮めたと言うシナリオは、どうも通用しそうにない。


「ええと、その……誠に申し訳ございません。巨大な悪神アラハバキが山頂に現れまして、アラハバキによって山が崩されてしまいました。」


「ふむ。悪神アラハバキと申したか。この罰当たり者が!!」


「ぐっ…、しかしっ!」


「白神岳は、ただの山ではない。島の命そのものじゃ。それを、神の怒りなどと都合の良い言葉で誤魔化し、挙句の果てに湖の水を抜き、土を崩すとは……お主の行ったことは、神への冒涜じゃ!」


「いや、確かにあの時、敵であったアラハバキは、我らを滅ぼそうとしておりました。」

 あれ?驕り高ぶる人間って俺とジンの二人に対しての言葉?村に被害は…いや、そんな訳ないな。

 確かに、アラハバキと自称していた石像は、魔物を生み出していた。いや、しかし…


 オットーは観念したように頭を下げた。

「全くもって、返す言葉もございません。私の不手際です。ジンには指示を出しておりませんでしたので、全て私の責任です」


「…火山湖の水もあのような気味の悪い色になってしまって…」

 ババさまは深くため息をついた。


「しかし、三分の二が死ぬという『狂乱の波』の恐ろしさを、わしらは知っておる。島の未来を考えれば、お主等の蛮行にも目を瞑るしかないのかのう…」


 オットーは顔を上げた。

「それじゃあ?!」


「責任は取ってもらうぞ。向こう一年、お主の狩った獲物の肉は、全て村に奉納すること。」


「全ては、さすがに…」

 ババ様達に睨まれ、オットーは口を噤む。


「それと…ジンというあの筋肉馬鹿には、当面、薪割りと漁の手伝い以外はさせるな。これ以上、山を壊されては困る」


 オットーは、安堵と疲労が入り混じった顔で、ペコリと頭を下げた。彼の処罰は、予想よりもはるかに軽いものだった。村の長老たちは、彼らの行動の危険性と功績、両方を理解していたのだ。


「しかし…なぁ、俺たちは英雄として、村人から感謝される予定だったのになー」

 オットーは、肩を落とし家へととぼとぼ帰って行った。


◆◆◆


 俺は、村を救った英雄のはずなのに、この冬、村で使う分の全ての薪割りをやらされていた。

 いや、罰つてレベルじゃないだろ…原木はすでに切り倒されているのだが、原木はまだ、半分近くが森に放置されている。それを、薪割り所まで運び、ざっと1500本近くある原木を、薪にしていく。2ヶ月…いや、1ヶ月半か?


 なんかやれそうな気がしてきた。 神焔解放しんえんかいほう使えば、良いしな。プロテインを量産しとこう。



 俺は、割続けた。人々が心配するほど頑張った。コノミは、支援物質としてプロテインを俺に変わり作ってくれた。

 

 そうして一ヶ月後、全ての薪割りは完了した。ものすごい達成感があるな…。筋肉も一回り成長した。筋肉の喜びが聞こえてくる。


「やったねジン!あの量を一人でやり切るなんて…凄すぎるよ!」

 筋肉じゃなくて、コノミの声だったわ…。


「どうしたの?なんか落胆した表情だけど…あ、今になって疲れが出たのかな?」


「あ、ああ。そうだな…。コノミもプロテインありがとな。」


「まぁ、内助の功ですよ。」

 こいつ意味分かってるのかな?コノミは何時、俺の嫁になったんだ。


 薪割りで俺の処罰は終わったと思ってたんだが、この大量に割った薪を、各ご家庭に配りに行く仕事も追加された。理不尽すぎるだろ…

◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


読んでいただきありがとうございます。温かい目で見ていただけると幸いです。

 毎日更新予定です。応援して貰えると、モチベアップに繋がります。

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