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コールドスリープから目覚めたら、剣と魔法が「未来の常識」でした  作者: たくみさん
第四章 剣の世界

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6:白神岳の異変

 血まみれで、熟睡していた俺は、コノミに死んでると思われ大泣きされた。大泣きしながら、俺に何かを叫んでいたらしいが、寝てたから分からん。周りの人に聞いても誰も教えてくれない。気になる…


「コノミ…、教えてくれよ。気になって日課が捗らん。」


「ま、まま、また今度言うから!」

赤面しながら逃げていった。


 その後、オットーと俺、狩人達とで、今回の件の会議が行われた。


 イノシシのような魔獣グリムボアの大量発生は、ここ数十年起きていなかったこと、起こった年には、魔物の大量発生が発生する事が村長の口から告げられた。その大量発生は、『狂乱の波』と呼ばれていた。


「代々の村長が残した覚書によると、前回、狂乱の波が起きたときには、島民の三分の二が死亡したと記してある。」


 三分の二が死ぬ…コノミの泣き顔が思い浮かんだ。


「魔物はどこからやってくる?この島は海に囲まれた孤島だ。必ず発生源はこの島の中にある。どこだ?」


「それについても覚書に記されている。この島の中心には、長い間眠り続けている火山がある。名前は白神岳。その火山の火口からまるで、湧き出したマグマの様に、魔物たちがなだれ込んで来たとある。つまり、魔物は白神岳からやってくる。」


「んじゃ、行くか。」

「話が早いな…、まぁ行ってみないことにはな。」


 戦力になるのは、俺とオットーだけなので、村人には何も告げず、白神岳に向かう。コノミには怒られそうだが、これが片づいたら気の済むまで怒られてやろう。


「で、やっぱり火口から湧き出ているのか?」


「んー、想像はつかないが、多分そうなんだろうな。」


 白神岳は、島民達の信仰の対象であり、普段人が山に入ることはない。毎年、山頂付近にあるほこらに、供物を納め、祈りを捧げている。山頂には、火口湖が存在し、幻想的な光景が広がっている。


「んー湖には異変はない。底になにかあるか?」

 

 湖の水は、緑色で透明度はない。肉眼で確認するのは困難だ。感覚を研ぎ澄まし、湖の底に意識を集中する。何らかのエネルギーを感じる。


「底に何かあるな。」

「うむ。しかしどう確認したものか…」


 湖の水は、強酸性で、あらゆる物を溶かしてしまう。潜って確認するわけにはいかない…


「オットーさん、湖の下ってどうなってるのかな?」


「んーー、マグマ溜まりがあるとか、空洞があるとか言われてるが、誰も答えをしらない。」


「水抜いたら怒られるかな?」


「あーー、村の老人達には怒られそうだな。」


「でも一年に一回しか山頂に人は来ないよな?」


「あ、ああ。一年に一回、冬が終わり、雪が溶け、一番最初に取れた魚と、作物を奉納する。」


「つまり人は、暫く来ていない。湖がなくなっていたと言っても、誰にもバレない。そうだよな?」


「あ、うむ…、前村長は神罰が下ると言ってたが…」


「俺は、神罰を信じない。」


「お、おう。」


 俺は足下に転がっていた、漬物石くらいの大きさの石を掴み、渾身の力を込め、湖に投げ込んだ。数メートルの水柱を立て、強酸性の雨がふる。


「やっ、やべ!逃げろ!」


 俺たちは慌ててその場から立ち去る。


「おい、お前は考えなしだな!」


「す、すまない…。今までの流れだと、底が抜けるはずだったんだよ。」


「メタ発言はよせ!そういうのは冷める人もいるんだからな!」


「あの火口湖って水深どれ位あるんだ?」


「そんなに深くはないと聞いているが、誰も真実はしらない。」


「石を投げ込んだときに、一瞬底が見えたが、300メートルくらいだと思うんだが…、湖の縁から底が抜けないように掘り進めるのはどうだ?」


「無茶だろ。湖の底を抜かないように余裕を持たせていても、水が浸透してくるかもしれない。無謀だ。」


「俺の筋肉なら、酸にも負けないと思うんだが…」


「お前は、自分の筋肉を過信しすぎだ。もっと筋肉をいたわれ。」


「…すまない、筋肉達。」


「そういう事じゃないんだか…、あ、そういえば⋯」


「どうした?何か居たか?」


「そういえば、山の中腹に封印された入り口があるらしい。酸の雨が降り、人の侵入を拒む…とある。」


「酸の雨とは、浸透してきた湖の水か?雨とは大げさな気もするが。」


「伝承とは、大体大げさなもんだ。よし、行ってみよう。少しくだるぞ。」


◆◆◆


「ジン、筋トレの時間だ。」


「おし、まかせろ。ふふふっ、筋肉の笑い声が聞こえる!筋肉たちが喜んでいる!」


「お前、筋トレ中に笑うのやめろ。気色悪い。」

 筋肉の声じゃなかったのか⋯。


 程なくして岩は撤去され、入口があらわになる。オットーは、火をつけた小枝を投げ込み、可燃性のガスが溜まっていないことを確認した。


「空気もあるみたいだが、鼻を突くような匂いがあるが、とりあえず慎重に進むか⋯」

「分かった。強酸性の雨とやらにも気をつけてくれ。」


 とはいえ、上から音も立てずに落ちてくる酸の雨に、どうやって注意すれば良いのか⋯


「気休め程度だが、防寒着を被っておけ。」


 洞窟の中は、鍾乳洞のように白い氷柱のようなものがチラホラ見受けられる。棒切で突いてみると、粘性の液体が絡みつき、棒切を黒く変色させ、腐食させる。地面は所々水たまりのような物があり、小さな気泡が湧き上がっている。


「酸の水たまりか⋯注意しろよ⋯」


 強い匂いに紛れていたが、次第に獣の匂いを感じてきた。


 大きな空洞が現れ、イノシシ型の魔物グリムボア、クマ型の魔物ウルスス、ゴリラのような魔物で灰色の毛が特徴的なシルバーバック等が集団で、円陣を組むように整列していた。


 そして、その中心には、人型の何かが鎮座していた。

◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


読んでいただきありがとうございます。

初めて書いた作品なので、ちょいちょいおかしな点があるかもしれませんが、温かい目で見ていただけると幸いです。

 毎日更新予定です。応援して貰えると、モチベアップして、小躍りしますので、☆の応援お待ちしています!


よろしくお願いします!

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