表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コールドスリープから目覚めたら、剣と魔法が「未来の常識」でした  作者: たくみさん
第四章 剣の世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/50

3:島での修行と初めての魔物

 漁村シーブルックは、島民の数七四名、魚の干物が特産品。それ以外に語るような事もない小さな村だ。 人々は、朝早く漁にでて、昼過ぎには帰港する。昼食を終えると、昼寝をし、目が覚めたら明日の漁の準備に取り掛かる。

 女の漁師もいるが、大半は陸地で働き、漁師が取ってきた魚を加工する。自分たちが食べる分の野菜も作っている。


 島民の中には、山に入り山菜や、獣などを狩猟する人たちも居た。大きな熊や魔物も居るため、それらを駆除するのも彼らの仕事だ。


 村長の仕事は、滅多に来ない不審者への対応だけではない、陸地に残った者達の手伝いをする事もあれば、狩猟の助っ人をすることもある。悪く言えば何でも屋だ。

 村民達は、大きな家族のようなもので、村民同士のトラブルもほとんど存在しない。喧嘩しても、酒を飲み交わせば明日には元通り。そんな平和な村なのだ。


 そんな村で、剣を学んで、何か意味があるのか疑問に思った。剣よりも、漁や狩猟を学んだ方が、村の役にたつのではないか?そんな事を、オットーに聞いたことがあったが、


「お前は、体ばっかりデカくなって、大人だと思ってるかもしれないが、まだまだ子供だ。子供は、大人の意見を取りあえず聞いておけ。それでも疑問に思ったら聞いてこい、何度でも説明してやる。

 

 いいか、この村には、俺以外に戦える者がいない。もちろん熊を駆除する奴らはいるが、熊よりも恐ろしいのが人間だ。恐ろしい魔物もいる。そんな奴らに対抗出来るのは、この村には俺しかいない。

 この村は平和だが、十年近く前だが、海からシーサーペントがやってきた事があった。平和な村にも恐ろしい魔物がやってくる事はある。

 お前は、この村の切り札みたいなもんだ。しっかり備えてくれよ?」


「⋯シーサーペントってなんだ?」


「そうだな…海を泳ぐ竜みたいな?少し小さいがな。」


「それ、どうしたの?」


「蒲焼きにして皆で喰ったぞ。非常に美味なんだよ。お前にも喰わせてやりたいな。」


 オットーの強さは、計り知れない。走る速さは、俺の方が早いし、泳いでも俺が先を行く。だが剣に関しては、足下にも及ばない。

 素振り以外にも、打ち込み稽古や乱取りも行っているが、オットーの体には、一太刀も浴びせられない。


「ジンには、俺が編み出した秘技を伝授したい。編み出したと言っても、俺も使えないんだ。頭の中に存在してるんだが、俺の肉体では使えなかった。そういう技だ。」


 オットーは、とても親身に世話をしてくれるし、時には厳しく指導もしてくれる、まるで父親のように。


「おとーさん」とオットーさんて、なんか似てるな……読み方が。


「ふふ」

 くだらない事を考え、一人で笑っていると、ご近所さんのコノミが、怪訝な顔で見ていた。

 コノミは、おれと同年代らしい。ショートヘアで、元気印の可愛らしい女の子で、ソフトボール部に居そうな感じの子だ。


「どうした、コノミ?また俺の筋肉でも見に来たのか?」


「何言ってるのよ……。剣を持って、不気味に笑っている奴が居るから、誰かと思ったらジンだっただけよ。不審者かと思ったわ」


「ああ、そう……。で、コノミは何してるんだ?」


「私は、山に山菜を取りに行くところよ。」


「一人でか?それじゃ、俺が護衛として付いていこう。」


「必要ないと思うけど、まぁお願いするわ。」


 俺は山菜があまり好きじゃない、見た目が食欲そそらない。やっぱり肉が喰いたい。この村は、魚には困らないが、肉は滅多に食べられる物ではない。


 ウサギでも居ないかな?


「何キョロキョロしてるの?何か居るの?」

コノミは、少しビビりだ。


「いや、ウサギでも居ないかなと思ってな」


「うさぎさん?飼うの?」


「食べるんだが?」


「…あんな可愛い動物を?食べる?」

なんか睨まれてるが…


「鶏肉とか好きだよな?前採ってきたとき喜んでたし。」


「…人間は罪深い生き物だね。」


そう、人間は罪深い。だからこそ、残さず綺麗に頂くのだ。


「でも、私の目の前でうさぎを狩るのは止めてほしいかな。我儘かもだけどさ。」


「まぁ、そうだな。うさぎは確かに可愛いしな。でもうさぎも美味しいぞ?」


「あ、うん…。覚悟ができたら頂きます。」


 うさぎを見かけることはなく、採集ポイントに到着した。


「ここは、私の秘密スポットなんだ。誰にもバラさないでよ?」


「はいはい。周りは警戒しとくから、安心して山菜採りをしてくれ。」

 そう言って、剣を取り出し素振りを始めた。


「あんたも素振り好きだねー」

 山菜採りをしつつ、俺に話しかけてきた。別に素振りが好きなわけじゃないんだが、落ち着くのかな。


 毎日振り続けているだけあり、随分様になってきた気がする。オットー相手には、かすりもしない剣なので、自分がどれだけ上達したのか全くわからな

「コノミは剣使えないのか?」


「あんた、私のことを何だと思ってるのよ。乙女よ?お・と・め!私は剣を使うよりも、王子様に守ってもらいたいの!」


「コノミの身体能力なら、いい剣士にもなれそうだがな。女性剣士も格好いいじゃないか。」


「私は、可愛いって言われたいの!」


 これが乙女心というやつか。俺にはわからん。コノミの籠が山菜で一杯になったので、帰ろうという話になった。


「コノミは、この島から出たいと思ったこと無いのか?」


「え、なんで?私は、島生の島育ち、死ぬときも島で死ぬよ。」


「それはそれで凄いな。俺の友達は、早く都会に行って、一人暮らししたいと言ってたな。」


「なんで都会に行きたいの?」


「都会にはなんでもあるからな。遊ぶところも、買い物するところも。あとチャンスもあるかもしれない。」


「へー。私には分からないなー。」


「しっ!!静かに⋯なにかやって来る。⋯獣の匂いがする、魔物か?!」

 

 茂みを掻き分け、ものすごい速さで何かが向かってくる。


「えええ、村長呼んでくる?!」


「動くな!標的にされるぞ!!俺の後ろに隠れろ。」


 一人なら逃げ切れるかもしれないが、コノミには無理だ⋯。覚悟を決めろ!音を正面に、剣を構える。この剣は練習用で刃は付いていない。こんななまくら刀で倒せるだろうか⋯

 目の前には、三メートルはあろうかという熊が、両手を上げ咆哮をあげる。


 心を落ち着ける、オットーさんにはかすりもしないが、こいつは完全に油断している。一太刀浴びせてやる!!


 魔物は手を振り下ろすが、俺はそれを躱し、胸元に飛び込んでいく。魔物が大口を開けて、噛みつこうとするその時、口めがけて剣を突き立てる。剣は魔物を貫いた。魔物は蹌踉よろめき一歩後退したその瞬間、何万回と繰り返した袈裟斬りを放った。オットーの素振りと同じ音が鳴った。空気を切り裂く、凶悪な音がなり、剣は、魔物の肩から斜めに入り、反対の脇の下から鮮血をともない飛び出し、切り裂いた。魔物は崩れ落ちる。俺は、躊躇せず頭に剣を突き立て、とどめを刺した。


「コノミ、立てるか?」

コノミは、無言で首を振る。腰が抜けたか?仕方ない。

 俺は、コノミを片手で抱きかかえ、魔物の足を掴み、引きずりながら村まで歩き出した。


「はわわわ、お、王子さま?!」


 コノミが小さな声で何か呟いていたが、俺の耳には届かなかった。

◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


読んでいただきありがとうございます。

初めて書いた作品なので、ちょいちょいおかしな点があるかもしれませんが、温かい目で見ていただけると幸いです。

 毎日更新予定です。応援して貰えると、モチベアップして、小躍りしますので、☆の応援お待ちしています!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ