4:神のイメージ戦略
「ルナ先生、次はどうすれば良いですか?俺も人から崇拝されたいです。」
『地に落ちましたね…哀れです。』
「お前、いい加減にしろよ?!」
『にゃ~』
ナノは、ルナの足元に転がり込むように逃げた。
「響さん!弱きものを虐めてはいけません。だから人々からの支持を得られないのです。」
「あっ、すいません…」
『べーーだ!』
ムカつく…あの猫…誰が主か思い出させてやらないとな…
「響さん!殺気が漏れています。それが、人々を恐れさせる理由なのではないですか?」
やりづらっ!
「ルナ、人間に戻ってくれ!」
「はっ!失礼しました…なんか役になりきってました。
もう役割分担しましょう。響さんは《《ムチ》》、私は《《飴》》、響さんは人々が恐れ敬う神、私は人々に癒しを与えながら、響さんのイメージアップをはかります。」
「俺も人々から愛されたい…」
「響さんは、私に相談せずに勝手に行動した。その結果がこれです。悔い改めなさい。」
「ルナ俺をもっと甘やかして!」
◆◆◆
「ところで、この二つの国にもまともな貴族は居るんだよな?」
「そうですね…ヴィンデミアの元貴族なら知っています。名前はアルトリアス・クレイン。没落貴族です。
ヴィンデミアの国王ガリウスが、王錫の力で戦争を拡大しようとした時に、ただ一人、異を唱えた人物です。結果、忠誠を疑われ、爵位を剥奪されました。
ローゼン騎士団長とは、旧知の仲だったらしいです。」
『私からも一人、ノヴァーレ公国の準男爵ジル・ロシュフォールです。ナノマシン達からの評判が大変良いです。ノヴァーレ公国は、魔導具の開発が進んでいて、魔素を利用した大量破壊兵器の開発に、強く反対していた人です。結果、王の派閥から冷遇され、第一線を退いた人物です。』
「なぜ、ナノマシンから評判良いんだ?」
『彼は、魔素であるナノマシンという存在に、限りなく近づいていました。意志があるのではないかと考えたそうです。』
「意志あるの?」
『無いですね。高度なAIみたいなもんです。』
「それで、なんでナノマシンに好かれてたんだ?」
『なんか、お話をしてくれるらしく、それが楽しかったそうです。』
「ナノマシンの評価は当てにならんな」
『にゃ~ん』
「響さん!酷いこと言わないでください!」
この家で、俺は神で、一番偉いはずなのだが、一番立場が弱いのも俺だ。世の中は理不尽だ。
『今調べましたが、お二方共にミヒカリノミコトの事を認めているみたいですね。』
「ほほう…見所のある奴らだな。」
『こいつチョロいな』
「よし、今すぐ二人に繋いでくれ。ルナもフォローよろしく。四者会談だ。」
「分かりました。」
◆◆◆
『我が名は、御光ノ命。ヴィンデミア王国アルトリアス・クレインとノヴァーレ公国ジル・ロシュフォール両名にのみ語りかけている。我が声、届いておるか?』
「ジル?ジルいるのか?」
「アル?あの底なしのアルか?!」
「酒は最近控えているんだ、そのふたつ名はやめろ」
「お前が酒を?冗談を言うなよ」
え、二人知り合いなの?
『お初にお目にかかります、大天使イリスにございます。お二方は旧知の仲でいらっしゃいましたか?』
-ジル:
「おお、イリス様…噂に違わぬ美しい声…。ジル・ロシュフォードと申します。ジルとお呼びください。」
-アルトリアス:
「アルトリアス・クレインです。アルとお呼びください。」
-イリス:
「お二方とも、よろしくお願いいたします。」
-神?
『ゴホンッ、ゴホンゴホン!我の事は放置か?』
-アルトリアス/ジル
「「ミヒカリノミコト様!」」
-アルトリアス
「此度の食料配給、誠に有難うございます。民は救われました。」
-ジル
「重ねて御礼申し上げます。貴方様とお話ができ、大変光栄に感じております。」
-神!
『よいよい。そなた達と直接話しているのには理由がある。我は、そなたたち両名を、旧き世にあってなお、公正を胸に宿した稀有な存在と見定めた。アルは元貴族であったな、悪気はないぞ?』
-アルトリアス
「恐悦至極に存じます。我が身に寸分の悔いはございません。」
-ジル
「稀有なる存在とは、如何なる点を指しますか?」
-神
『まず、そなた達は、旧王の魔法が効かなかった人間である。そして、戦争に反対していた。不正をせず、民を大切に扱っていた事等である。』
-アルトリアス
「あぁ…神は我々の志を見ておられたのですね…。感謝いたします。』
-ジル
「それは貴族の嗜みであり、当然の事でございます。他の貴族達が、神の理から外れていただけなのです。」
-神
『よくぞ言った。我は、この国の自立を推進しておる。その為に必要なのは、優秀な指導者、そして両国の友好、ゆくゆくは2つの国を一つにまとめる事を望んでいる。』
-アルトリアス
「つまり神は、我々にそれぞれの国の指導者となり、ゆくゆくは国を統一せよと言う事ですね?」
-ジル
「なんという破天荒な…いや、ある意味、我々の目指す平和とはそれなのか…」
-神
『今二国間は、過去にないほどの友好な関係を築きつつある。
ヴィンデミアの農民が、食料が不足しているノヴァーレの民に配り、ノヴァーレの技術者が、ヴィンデミアの家屋の修復や、破壊された上下水道の復旧を手伝っていると聞く、大変素晴らしい行為であり、美しい姿だ。』
-アルトリアス
「遥か昔、この国、いや更に隣国の隣国まで、全て一つの国だった時代があるそうです。今、それを成そうとすれば、大いなる犠牲が伴います。
しかし、我々の国は既に多くの犠牲を代償に、統一の一歩手前まで来ているのかもしれませんね。」
-ジル
「しかし、神よ。我々は、弱小貴族と、没落貴族…如何様にして指導者になれと?」
『我とイリスの後ろ盾があれば、不可能ではあるまい。』
-アルトリアス/ジル
「「承りました。この身、神の御前に捧げ、謹んでその御旨を成し遂げましょう。」
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◆◆◆
「ふぅ、上手く行ったかな」
「響さんの小物感が酷かったですけどね。」
ぐっ、つい嫉妬してしまったのだ…、イリスの人気に…
『では、第一段階として、悪徳貴族を滅ぼしましょう。』
こいつの発言は物騒すぎる…
「程々にしとけよ?」
『何を言ってるのです。あなたが悪徳貴族を滅ぼすのです、神の見せ場です!好感度爆上がり間違いなし!!』
好感度…俺、好感度欲しい…
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初めて書いた作品なので、ちょいちょいおかしな点があるかもしれませんが、温かい目で見ていただけると幸いです。
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