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コールドスリープから目覚めたら、剣と魔法が「未来の常識」でした  作者: たくみさん
第二章 魔法とナノマシン

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7:気がついたら王様になってました。

「ナノ・エクリプス・コートか…もう少し仰々しい名前の方が良かったかな?」


『ポーズもいまいち、しっくりしませんでしたね。』


 魔法の詠唱についての反省会は終了。仕事に取りかかる。


 無事に魔法は発動し、今頃地上の兵士たちは、洗脳が解け、混乱していることだろう。このまま畳みかけるぞ。


「まず、王の権限は削除しよう。国民の意思を排除するような命令はいらん。」


『御意』


「そして、ナノマシンの利用は、人々の安寧を保つのに使われるべきだ!軍事利用者なんて、以ての外だ!!」


『仰せのままに…』


「さっきからなんなの?その口調は…」


『どうも先ほど使った魔法で、メインサーバの最上位権限が、響様に替わったようです。』


「どう言うこと?」


『このメインサーバの管理するナノマシンのキングは、響様と言う事です。』


「そんな権利いらんが…」


『王は我らを見捨てるのですか?!』


「…、よし、お前にも最上位権限を付与しよう。二重王権制とする。」


『今後ともよろしくお願いします。』


 そう言うことで、俺とナノは、ナノマシンの王となった。これにより、地上の二国の王が、ナノマシンを操り、国民を洗脳する術はなくなった。


 俺たちが、間違いを犯さなければ、二国の平和は約束される。


「ナノ、今後は、俺たちの関係は対等だ。俺が間違った行動をしたら、お前が止めろ。お前の過ちは、俺が止める。」


『元々、運命共同体でしたが。』


「今後は、俺だけの都合を優先するなと言うことだ。」


『分かりました。さぁ、ルナが待ってますよ?お二人の愛に溢れた新生活が始まりますね。』


「よ、よせやい。ルナの返事はこれからだし!」


『微笑ましいですね。』


 上の様子も気になるので、早々に帰宅することにした。その前に、この施設は、封印した方が良いだろう。


「ナノ、ここを誰も入れないように塞いでくれ。」


『わかりました。』


 施設から出て、階段を上ると、また地面は隆起し、階段ごと土に埋まってしまった。


「さて…登るか…」


『キングに、そんなことはさせられません。あの壁をご覧ください。』


 壁は微細な振動を繰り返し、あっという間に、長方形の空間ができた。


『さあ、お乗りください。』

「なんだこれ…」


 その窪みに入る。高さも幅もぴったりだ。なんか、蓋をしたら棺桶みたいだな。


 再び振動が起こると、ふわっと浮遊感を感じた。浮いてる?緩やかに上昇している。これ、エレベーターか?


『上の岩削り、足下に固めるという作業を、高速で行うことで、その空間はゆっくり上昇していきます。乗り心地はどうですか?』


「揺れも感じないし、悪くない。悪くないが、降りるときにもして欲しかったな。」


『先ほど思いついたので…。失敗しなくて良かったです。』


「失敗する可能性あったの?」


『そのまま埋もれてしまう可能性がありましたね。結果オーライです。』


「俺は安全に暮らしたいと言っただろ?」


 ナノは、ちょいちょい俺を実験台にしてくる気がするが…、まぁ、見えない階段を上るよりいいか。


「しかし、このエレベーター遅いな…。上に着くのにどれ位かかるんだ?」


『8時間位ですね。少し岩が硬いです。』


「ナノ…、、、、階段で上がるから止めてくれ。」


『いけません。威厳をもってお待ちください。』


「…せめて、椅子をお願いします。あと、扉は無いのか?目の前が奈落というのは、居心地良くないぞ?」


『我が儘言わないでください。玉座は用意しますので。』


 岩でできた、小さな丸椅子が用意された。立派な玉座ですこと…、堅くて尻が痛いぞ…


『スペースの関係です。エレベーターをこれ以上大きくすると、上昇スピードが更に遅くなります。我慢をしてください。』


 ナノの仕事は詰めが甘い!



 尻がえぐれるように痛み出した頃、ようやく地上に戻ることができた。時間は分からないが、すっかり夜更けになってしまった。

 でも気合いを入れて出発したのに、日帰りで帰れてしまった。危ないことも無かったし、少し肩すかしだな。なんなら、最後のエレベーターが、一番辛かった…


 ナノに、両軍の状況を訪ねると、国境線沿いに終結しようとしていた軍隊は、完全に居なくなり、国境の番兵すらいない。


「洗脳が解けた人達は、何か違和感を感じないのかな?」


『確証はありませんが、そうするのが当たり前だった、としか認識していないかと。』


「ふむ、そう言えば、ルナは洗脳されてなかったよな?なんなら軍を毛嫌いしていたし。」


『どうも王の魔法の効果が、人によって違うみたいです。魔法を使える人は、その傾向が強いようですね。』


「軍の魔法使い達は、人々の状況を、おかしいと思わなかったのかな?」


『その場の空気に流されてる人も居たでしょうし、軍所属の魔法使いは、高給取りらしいですよ。』


「でも、洗脳されていなかった者も、俺の魔法で軍事行動から離れた訳だよな?俺の魔法は、王の魔法から解放するだけじゃないのか?」


『元々、空気に流されやすい人達は、他の解放された人々の行動に流されただけです。』


「しかし、野心をもって軍に参加していた人や、軍の上層部とかはどうだ?」


『未だ戦争に対して、意欲的に動いている可能性は否めませんね。上層部は、戦闘を継続しようとするかもしれません…』


「そうなると、戦争は終結しないよな…?」


『響が戦争へのナノマシンの利用を制限しているので、例えば、ポーションを戦争目的にしようしても、ただの水になります。魔法も使えません。今までと同じ戦術は使えなくなります。

それでも戦争は続きますか?』


「続くんだろうな…。一旦様子をみよう。」



 俺は独裁者になりたい訳じゃない。戦争を続けたい者達の命を奪うことは、ナノの力を使えば容易いだろう。

 だが戦争犯罪者は、洗脳が解けた人々の手で、裁かれるべきなのではないか?

 俺はただの人間だ。私利私欲に走るただの人間だ。そんな俺が、神の如き力を使うのは、おこがましいのではないか?


 俺は、平和に過ごせれば、それでいいのだ。贅沢を言えば、隣に笑顔のルナが寄り添ってくれれば、それでもう満足だ。


 さぁ戻ろう、彼女の元に。

◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇


読んでいただきありがとうございます。

初めて書いた作品なので、ちょいちょいおかしな点があるかもしれませんが、温かい目で見ていただけると幸いです。

 毎日更新予定です。応援して貰えると、モチベアップして、小躍りしますので、☆の応援お待ちしています!


よろしくお願いします!

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