2:厨二魔法炸裂l!覚醒と調律者- 虚飾の詠唱(フェイク・アリア)が、世界収束(ハーモニー・クライシス)の真実を告げる。
「国境まで、あとどれ位かかるんだ?」
『徒歩ですと、人目を避けるために、街道から外れた山道や悪路を選んでいるため、通常の行軍速度は出せません。』
『ですが、ご心配なく。今回の谷越えのルートは、地理的な最短距離を突っ切ります。あと3日半もあれば、国境に到達できると見ています。』
「三日か…飽きてきたな。」
「我が儘言わないの!魔物が現れてませんから、かなりの短縮になってますよ?」
昨日、全然寝れなくて、今日はベッドで寝たいと我が儘言っていたくせに…
確かに、魔物は一切現れていない。おかげで、メチャクチャ退屈だ。疲労回復のポーションを飲みながら歩いてるおかげで、肉体的な疲労は一切ない。
しかし、歩いても歩いても、森、森、森、そして森だ。暇すぎる…
「ルナ、魔法ってどうやって使うんだ?」
「魔法は、イメージで使うのです。」
「呪文とかないの?ファイアー!みたいな」
「んーー無いですね。でもイメージを、思い浮かべる切っ掛けとして、詠唱することはあります。
傷を癒せ…で、傷の治療。敵を焼き尽くせ…で炎の魔法を使う軍人は居るらしいです。」
『響も何か思い浮かべてみたらどうです?』
魔法の詠唱か…、子供の時にノート一杯に書いたことあったな…
「抑圧された刻限を穿て!
オーバー・シンクロニシティ! 禁断の演算領域にて、第四の因子を開放!!」
うおっ、体が軽い!
「すげーー、見てみて体の動きが早くなった!」
肉体の運動能力を上げる魔法だ。
「え…なにそれ」
『厨二病全開ですね』
今の俺には、どんな言葉も届かない!
「無秩序の流体よ、我が意の下に凍てつけ。
空間を規定する冷却因子を、今、臨界点に収束させよ!
アイス・エイジ・キャリバー!! 世界を鎖す、絶対零度の奔流!!」
周辺の木々に霜がつき、俺の足下から放射線状に凍り始め、辺りを覆う球体の、氷でできたドームが完成した。
「お前達の事は、俺が守る!!」
「か、帰ってきてください!響さん!!」
『よっ!大魔導師!!』
のってきたぞ!
「世界を汚すすべての濁流を、調和の旋律に変えよ。
ハーモニー・クライシス!!
万物収束の神威をもって、世界を平定せよ!」
誰かの歌声のような物が聞こえた気がする。しかし、いつまで経っても何も起こらなかった。
「満足しましたか?」
「あ、はい。…俺、何かやっちゃいました?」
「完全に目が決まってましたよ。」
やべ、なんかゾーンに入ってたのかな?めっちゃ恥ずかしい…。
「響さん…魔法の詠唱ってそう言うのじゃ無いです」
すでに夕暮れ、辺りは暗くなっていた。
「周囲を照らせ…」
ルナの手から球体が現れ、辺りを照らし出す。
「こんな感じで、すごいシンプルです。余計な情報を入れると、違う効果が現れたり、暴走する事もありますので」
「でもなんか、地味だよね?」
「まぁ、確かに…あ、あの、実は…私も一つ考えたんですけど…」
ルナは深呼吸し、一つ咳払いをした。
「光を帯びる純粋な因子よ。
安寧の祈りを束ね、空間に聖域の帳を降ろせ…
ルミナス・ホープ!!
闇夜を畏れる、我らを照らせ!!」
野営地を包む、淡い光の結界が現れた。
「客観的に見ると、すごくヤバいな…」
ルナは両手を広げて、空を見ている。女神ポーズ?なんかノリノリだ。
「周囲の魔物は退きました。なんか気持ちよかったです。」
「だろ?ルナもこっち側の住人になったな。」
「いけない!これが厨二病の初期症状かもしれません!」
「もう、厨二病はいいから…」
『あの…盛り上がってるところ、申し訳ないのですが…』
「どうした?お前もやってみるか?」
『いや、勘弁してください。そうではなく、響の使ったハーモニークライシスなのですが…』
なんか顔が熱くなってきた…
「響さんの耳、真っ赤です!」
『その厨二魔法なのですが、効果が現れてます。』
「厨二魔法…」
「どんな効果ですか?」
「追っ手が、帰還しています…。解散したらしいです。」
厨二魔法、始まったのか?!
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