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ロスト・フィラデルフィア  作者: 礎衣 織姫
第一章 動き出す時
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02

 夜明け前。南大陸の東に位置するグラウコス軍事基地の門前。五百メートルほど離れた先の林の茂みにシギルは降り立った。あたりはまだ薄暗く、人の気配はない。横に長く縦にそびえる塀が遠く、まるで遺跡のようにひっそりとたたずんでいる様子が見えるだけだ。シギルはその場に座り、夜明けと検問所の開かれる時を待った。


 ここグラウコス基地は、世界に七ある軍事基地の中で最も大きく、総本部を中心にかかえている。兵士はおよそ二万五千人前後。その他、救急隊や医療班、管制塔員や兵器の整備班等を八百人ほど雇用している。多くの精鋭が集い、毎年、士官候補となるような新入隊員が募られるほどだ。

 士官候補は入隊試験結果や実際の訓練、実績を通じて、将軍の地位にある者から選ばれる。入隊試験さえ突破すれば誰でも士官になれるチャンスがあるというわけだが……

 国という概念がない現在では、テロか緊急災害時でもないかぎり出動はしない。よって実績を積むのは困難となっている。士官または士官候補となるには、将軍の目にとまるという運も必要なのだ。


 三時間ほど経過した。朝日が照らしはじめた大地をみつめ、シギルは立ち上がった。検問所が開かれたのだ。ゆっくり門に向かって進むその足は重くもあり、焦燥にもつれそうでもあった。


「IDカードをご提示ください」

 検問のいかつめらしい兵士が言った。シギルはカードを提示し、職務質問を受けた。

「ここへはどういったご用件で?」

「入隊試験を受けに来ました」

「お名前は?」

「シルバー・クラウズ・ラインビルです」

「それでは少々お待ちを」

 兵士はIDカードを機械に通し、データとの照合をおこなった。一分後、カードが手に戻された。

「受験登録データと一致しました。どうぞ、お入りください。会場はまっすぐ行って突きあたりを左、一ブロック目を右に曲がった所です」

「わかりました。ありがとうございます」

 それから続々と、シギルと同じか少し年上くらいの少年少女たちが同じようにして門をくぐった。両親に見送られる子も少なくはなかった。シギルはそんな子供たちを横目に敷地内をキョロキョロ見まわした。規模は大小様々だが、建物は半球体のシェルターのような造りで地味な土色をしている。

 また、ちらほらと姿を現しはじめた兵士の中に大佐の記章をつけた者がいないかと無意識に目をやった。だが深緑を基調とした軍服姿の上等兵や二等兵、グレーの制服に身を包んだ新入隊員ばかりだ。黒を着る士官はいない。残念ながら試験会場までの道のりで、そういった人物に出逢うことはなかった。


***


 試験は筆記と実地に分かれていた。試験期間は二日。本日は筆記試験である。この筆記で優秀な成績をおさめた者だけ基地内の宿泊施設で一晩明かし、翌日の実地試験を受けることができるのだ。

 シギルは明朝、実地試験に臨んでいた。筆記試験を突破したのである。実地試験は訓練施設区域内にある陸軍管轄訓練場で開始された。基本的な体力測定のあと、「ワイヤーを使った高所から低所までの移動と低所から高所への移動」、「人命救助における基本動作」などの項目がおよそ二十五項目、課せられた。


 試験結果は夕方、測定員五名のほかに三名の士官によって決定される。士官選考員については毎年無作為で、今年は陸軍大佐、空軍中佐、海軍大尉が選出されていた。

 陸軍大佐はサウス・ウィビーンという二十一歳の男で、茶髪に茶色い瞳をしている。物腰やわらかげな長身の二枚目だが、『大陸の龍』と渾名をつけられるほど勇猛果敢な人物として一目置かれている。

 空軍中佐ルーヴ・サーヴァル・メイレンは二十三歳の男で、黒髪に切れ長の黒目。東洋系でやや細身。あまり目立った功績はないが、計算能力に長けた人物として重宝されている。

 海軍大尉は、女性ながら男性陣に引けを取らぬ手腕をふるい、過去の海上戦、潜水戦ともに武勇をとどろかせた金髪の美女である。歳は二十歳。名をマチルダ・マイセンといい、彼女の父が『海神』の異名を持つ海軍大将フォレスト・マイセンであることは有名だ。

 今回の入隊試験は受験者数五百名。実地に残れる者はその内の半分。さらに合格者となるのがその半分というものだったが、審査員の測定員と士官選考員の前に並ぶことができたのは百十三名と、若干定員を割る結果になった。

 軍服姿ではもったいないほどのブロンド美人マチルダが、大尉の記章を襟元に光らせながら前列に並ぶシギルをみつめた。

「あなたがシルバー?」

「はい」

 シギルは軽く敬礼し、マチルダは細く美しい眉をひそめた。

(ちょっと華奢ね。それにずいぶんおとなしそう。記録は間違いないんでしょうね?)

 と疑わしげな視線を投げる。が、それも束の間。彼女は微笑み、

「人は見かけによらないものね。すばらしい成績よ。トップだわ。おめでとう」

 と言った。一瞬、全員の目がシギルに向けられた。それは嫉妬と羨望の混じった鋭い眼差しだったが、シギルはたじろぎもせず淡々と会釈をした。

「ありがとうございます」

「あら、どういたしまして。あなたのように文武両道で容姿のいい子は、こちらとしても大歓迎よ」

 シギルがなにか返答に困ると、横からサウスが口をはさんだ。

「マチルダ! 新人に手を出すなよ!」

 無造作に手にある資料でマチルダの豊かな胸元を叩く。その行動は親愛の情の深い、とても慣れたやりとりのように映った。

「あら〜、人聞きの悪い。私をそんな浮気者だと思って?」

「違うのか?」

 サウスがおどけた口調で問い質すと、マチルダは両手を腰にあてスネてみせた。

「失礼ね。私はファウストひと筋よ!」

 突然出てきた兄の名にシギルはドキッとした。そんなシギルに気づいたのか否か。ふとサウスの視線が熱くそそがれた。

「君」

「はい」

「かわいいね」

「は?」

「いやー好みだ。俺と付き合おうよ」

 公衆の面前で大胆に告白するサウス。その腹にマチルダがすかさず肘鉄を食らわせた。

「さっき手を出すなって言ったの、あなたでしょう!?」

「ぐはっ。相変わらず容赦なしだな、マチルダ。俺は今の一撃で死ぬぜ」

「バーカ」

 オーバーに苦しんでみせるサウスに冷たく言い放つと、マチルダは新入隊員に向きなおった。

「ゴメンなさいね。こんなバカは放っておいて、みなさんがお待ちかねの合格証書をお渡ししましょうね」

「こら! バカとはなんだ、バカとは!」

 マチルダは、となりでわめくサウスをわずらわしそうに無視した。

「名前を呼ばれたら返事をして前へ出なさい」

 新入隊員は全員あきれた様子で二人を、特にサウスを見た。が、シギルだけは冷静に彼を見据えた。

(大陸の龍も海神の娘には敵わないようだな。でも俺はピスマイヤーの一戦を覚えている。空軍指揮官ファウスト・ロスレイン、陸軍指揮官サウス・ウィビーン——噂に違わず最強コンビだった。あの時はたまたま凌げたけど、今度やりあったらどうかな? もう二度と当たりたくない相手だ。特に一人は兄さんだし)

 サウスは一人違う視線をくれるシギルを敏感にも察知し、首をかしげた。

「どうした。俺の顔に何かついてるか?」

 シギルは少し眉尻を上げた。

「いえ、ピスマイヤーの一戦でのご活躍を耳にしたことがあります。指揮官をなさったそうですね。大佐はあれで大陸の龍という名を不動のものにしました。こんなに早い段階でお会いできるなんて思ってもみなかったものですから」

 サウスは露骨に驚いた。

「コアなこと知ってるなー」

 シギルはすかさずニッと笑った。

「尊敬していますから」

「へえ? 面と向かって言われると照れるな。嬉しいよ。ありがとう」

 サウスは素直に満面の笑みをたたえた。

 どの戦で誰が指揮をしたとか、誰が活躍したかなどということは、ほとんど身内か関係者でないと知らない。関心も持たない。軍隊に望んで入ってくる新入隊員ですら、あまり内情というものは詳しくないのだ。

 なので、外部から来た人間に褒められたことのないサウスは、未体験な喜びに気分をよくした。さらに、二人の会話を聞いてとたんに目の色を変えた新人連中を見渡し、胸を張った。「ピスマイヤーの一戦は知っている。有名な戦闘だ。あれを指揮していたのがこの大佐? 嘘だろ? すげえ」と、開いてふさがらない口が物語るのを見て、ご満悦といったところだ。

 しかしふとサウスは、にやけた顔を真顔に戻してシギルに視線を返した。

「だがな、ここだけの話、あの戦はセフィラ一人のものだと俺は思っている。いや、むしろ確信している」

「——!」

「セフィラを知っているか?」

 サウスの問いはシギルの気持ちを沈ませた。それは表情にも表れたが、サウスはセフィラに対する脅威に青ざめたのだと思った。

「はい。唯一完全にテレキネシス能力に覚醒したシーランです」

「そのとおり。GPの手にあるのは悔しいが……ピスマイヤーはセフィラの初陣だった。生きた心地しなかったなあ。あの恐怖は対峙した者にしか分からないだろう。なにかこう、目には見えない強大な力が大気を包んでいた。もちろん俺は死を覚悟した。実際、死人が出ないような戦じゃあなかったんだ。しかし蓋を開けてみると仲間は誰一人死んでない。俺も生きて帰った。それで思ったんだ。セフィラは始めから死人を出さないようにコントロールしていたんじゃないかって。まいったよ。もう全面的にやられたって感じだ。奴にとっちゃ、あの戦はテストみたいなもんだったのさ。死人を出す必要もない程度の。いや、もしかしたら人殺しはしたくなかったのかもな。なんにしてもGPの支部をひとつ潰した分、戦闘機や戦車はほとんどガラクタにされたから、物質的な損害はデカかったわけだけど」

 シギルは「当たりだ」と心で呟いた。

 ピスマイヤーでは確かに最初から最後まで戦死者を出さぬようにと努めた。それが博士の要望だったからだ。しかし、それを前面に押し出して戦ってはいない。戦にシギルを起用したスカイフィールズの意図が「セフィラの威光を全世界に知らしめること」だったからだ。そのために軍人など皆殺しにしても構わないとまで言っていたほどだ。

 博士とスカイフィールズの希望を同時に満足させるとなると、シギルは相手に死の恐怖を味合わせつつ、実際には救うという繊細な作業をしいられなければならなかった。

『なにがあっても、その力によって人を殺めてはならない。ひとたび誤った使い方をすれば、きっと取り返しのつかないことが起こる。私がおまえを地上の悪魔にしようと思って育ててきたわけじゃないことを、よくわかってほしい』

 博士は常にそう諭していた。シギルは育ての親である博士の言葉を信じた。

 シギルは、はかる目つきでサウスをみつめた。そしてひとつ軽いため息のあと、

「セフィラがなにをしようと、あなたが優れた軍人であることに変わりありませんよ、大佐」

 と、かつての好敵手を称えてニコリと笑った。一瞬サウスはマチルダと目を合わせた。

(こいつ新入りのくせに、緊張するとか不安に思うこととかないのかね? いくら俺がとっつきやすい性格でもなあ。普通は相手が上官っていうだけで畏縮するものだがなあ。こういう態度、誰かに似てるよなあ——誰だったかなあ)


***


 ともあれ無事に証書授与式を終えたサウスは士官食堂へ入って、いつもの席の先客の顔を見た。

「遅かったな。先に食べてるぞ」

 さわやかな声で言った先客は、一才歳下の同僚ファウスト・ロスレイン空軍大佐である。白金の髪が美しく、碧眼で、涼しげな美青年だ。身長はサウスとそう変わらない一八三センチ強。スタイルもいい。どうしてモデルじゃなく軍人なのか、意味がわからない男だ。

 しかし「グラウコスの鷹」という異名を持つにふさわしく、武勲もさることながら、威圧的でまったく他人を寄せつけない雰囲気を漂わせている。怖いと思う分でも親しみを感じている者はいない。友達といえば同期同位のサウスぐらいだ。ある意味天職なのだろう。他者とは一線を画する頭脳の明晰さや身体能力の高さを誇り、先人からは羨望を、後輩からは憧憬を得ている。「恐怖のカリスマ」的存在である。

 サウスはなにげに眺めていて、不意に「あ!」と声を上げた。さっきはこの体格差やクールなイメージが邪魔をしていたせいで気がつかなかったのだと。

「そーか、そーか」

 などと一人納得しながら、ファウストの向かいに腰かける。ファウストは軽く首をかしげた。

「どうした?」

 サウスはテーブルに腕をつき、やや身を乗り出した。

「いやな、今日入って来た奴の中に妙に落ち着いたのがいて、誰かに似てんなーと思ってたんだよ」

「それで?」

「おまえにそっくりだ」

 サウスに指差され、ファウストは眉尻をピクリと上げた。

「ほほう、どのあたりが?」

「自信ありげなところが」

「俺はそんなに自信ありげか」

「ありげだね。まあ実際、自信もつくだろ。満点でトップ合格だったし」

「へえ、そいつはスゴイな。いくつだ?」

「十五」

「……十、五?」

 端正な眉目をひそめ、ファウストは持っていたフォークを置いた。

「段階系は?」

「アドサピリアと書いてあったけどな?」

 なぜか真剣に尋ねてくるファウストを不思議に思いながら、サウスは答えた。

「それがどうかしたのか?」

 聞いてみたが、ファウストはうつむき、暗い表情で視線を少し横に流しただけだった。サウスは頭をかきつつ席を離れ、バイキングへと向かった。サラダを取る途中ちらりとファウストをふり返ってみたが、相変わらず黙して動かない。

(なんなんだいったい)

 サウスは顔を戻し、チキンをトレーに乗せた。その際、ちょうど並んできたマチルダの腕を肘でつついた。

「よお、マチルダ」

「なによ」

「ファウストがおかしい」

「あら、あなたにそんなこと言われたら、彼は二度と立ち直れないわ」

「こらー、真面目に聞けよ」

「なんなのよ」

 うっとうしそうに返されたが、サウスは気にせず言った。

「ほら、シルバー・クラウズ。今日入って来たカワイ子ちゃん」

「それが?」

「そいつの話をしたら急に黙っちまって」

「なんで?」

「わからないから聞いてるんだろー?」

「どうして私に聞くのよ!」

「彼女だろ?」

「彼女ったって、まだ付き合い始めたばっかりよ? だいたいあの人、あんまり自分のこと話さないし」

「ひとつくらい思い当たるこたーねえのかよ」

「うーん」

 マチルダは人差し指を顎にあてて、あれこれと原因になりそうなことを考えた。そしてなにかに思い当たったような顔をした。

「そういえば彼、生き別れた弟、捜してなかったかしら。たしかシルバー・クラウズくらいの年頃よ?」

「あ」

 サウスは思わず口を手でふさいだ。

(そっか、それでか。マズイな、そりゃあ。弟と似たような歳で自分にソックリなのが入って来たなんて聞いたら、そうじゃないかと期待するよな。ああ、なんてこった。ただでさえシーランはブラコンなのによー)


 サウスが己の失言を悔いている時、シギルは新入隊員用の四人部屋にある二段ベッド上段に寝そべった。向かいの上段にはリベリー地方[北大陸の東にある農村地帯]から来たラスク・エロル(十四歳)が、その真下には地元グラウコス出身のルーク・リース(十六歳)が、そしてシギルの下段にはディストール南部[南大陸最南]育ちのゾイック・ランドン(十五歳)が入居した。ドアを開けると左右に配置されている二段ベッドのあいだは、わずか一メートルの隙間しかない。寝る以外には用のない作りの部屋だ。

「みんなで食堂、行かないか?」

 ルーク・リースが年長者らしく述べた。誰もがうなずき、もらったパンフレットの施設案内地図を確認して食堂へ向かった。上等兵以下の者が利用できる食堂は一般食堂で、士官食堂は七メートル幅の通路をはさんだ真向かいにある。双方とも出入口は白い金属製の自動扉だ。収容人数は一般で五千人、士官で六十人。

「俺、トイレに寄ってく。先に行ってて」

 途中シギルは三人に言い置き、トイレに立ち寄った。そして遅れること約五分。ひとり一般食堂の自動扉を開けようとした、その時。

 真向かいの士官食堂から出てくる二人の男を目にとめた。一人は陸軍大佐サウス・ウィビーン。もう一人は見たことのない士官だ。

 視力にも優れたシギルは次の一瞬で、襟にある空軍大佐の記章を発見した。胸にある横に長方形の小さな金属プレートも見た。プレートには名前が刻印されており、そこには「ファウスト・ロスレイン」と、確かにある。シギルはとっさに目を伏せ、自動扉を開けて食堂へ駆け込んだ。


 一方、そんなシギルに気づいていたサウスとファウストは、少し通路で立ち話をした。

「ほら、今のが満点トップ合格の奴。シルバー・クラウズ・ラインビル。かっわいいだろう?」

 勇猛果敢と誉めそやされているとは思えないほど、ゆるみきった表情で語る友人を見て、ファウストは眉間を寄せた。

「見るからに、おまえの好みだな。規律第三十一条を言え」

 サウスはとたんに暗くなった。

「新入隊員との交際は禁ず」

「よく言えました。くれぐれも優秀な人材をダメにしないでくれよ」

 これは想像を絶するほど厳しい初頭訓練中に、本来なら恋愛どころではない立場の新入隊員がそういう状況におちいって脱落していく者がいることを危惧し、作られた規律だ。一見くだらないが意外と重要なのだ。

「ようく肝に銘じておりますよ。なあに、たかが一年の辛抱じゃないか」

「一年経ったら付き合うつもりか?」

「ふられなければな」

「おまえなんか、ふられるさ」

「ぐえっ。マチルダより容赦ねーな。しかーし!」

 急に元気を盛り返し、サウスは声を張り上げた。

「実は何を隠そう、俺はあの子の尊敬の的なのさ。どうだい。脈ありな感じだろ?」

 ファウストはしらけた様子で腕組みした。

「ほーお。それではせいぜい、この一年間は少年の持つ理想像を壊さんように生きることだな」

「うぐっ、貴様それでも友達か」

「さあ、どうだったかな?」

 含み笑いとともにサラリと言って歩き出したファウストの背を、サウスは追いかけるように歩を踏んだ。

「こらこら、待ちなさい、そこの戦友!」

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