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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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高校入学 9

 次の日、私は母に健康診断や保健室で先生から聞いたことを話した。会社が休みだったこともあり、そこには父もいた。一緒に話を聞いて欲しかったので家族が揃っているほうが良いと思っていたが、タイミングとしてはちょうど良い感じだった。

「どうした、さくら。改まって。何か学校であったのか?」

「いつもと感じが違うわ」

 2人とも心配している。私は一呼吸した後、話し始めた。

「学校で健康診断があったでしょう。その時お医者様から病院で検査を奨められたの。保健室の先生から校医の先生からって紹介状をもらった。指定された病院で検査を受けるように言われたわ」

「そうか。それでさくらは何か身体の不調を感じているのか?」

 父が尋ねた。娘への愛情は父親のほうが強い場合がある。だが、私の家は両親とも同じくらい可愛がってくれる。

「まだ高校に入ったばかりだからね。きちんと検査して何もないことを確認し、青春の大切な時期、きちんと楽しまなくてはね」

 母が言った。父とは違う話だったが、心配している様子は私にもよく分かった。

「でも、安心して。私自身、身体のどこかが悪いなんて感じていない。ただ、体力測定の時に走ったりして疲れたけど、身体を動かせばそれなりに疲労感は感じるし、受験勉強で体力が落ちているだけよ。今度学校に行った時、担任の先生に話し、欠席して病院に行くことを話す。保健の先生も担任の先生に私の検査の話をしておくということだったから、問題ないはずよ。まだ勉強が本格的に始まっているわけじゃないから、大丈夫よ」

「そうよ、さくらはもともと頭が良いから、勉強が遅れるなんてことないはず。そんなことは心配していないわ」

 親としての心配はいろいろあるだろうが、今回は病院での検査という話が一番気になったかもしれない。

 しかし、一番肝心なことを話したのでスッキリし、その後は他愛のない話になった。本当はここで美津子の話もしたかったのだが、あまり心配させたくないと思い、ここでは話さなかった。

≪日記≫

『お父さんとお母さんに健康診断のことを話した。でも、天田さんたちのことは言えなかった。誤解が解ければ大丈夫と思う。高校生活、エンジョイしたいな』

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