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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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高校入学 7

 次の日、クラス委員を決めることになっていた。こういう時、互いに何も知らないから担任の先生から指名されることになるが、入試の成績や中学校からの内申書などが参考にされる。

 そこで指名されたのは坂本だった。美津子たちも坂本の成績について知っていたようだったが、同じ中学出身の生徒から耳にしていたのだろう。そういう意味では順当な指名であり、反対する者はいなかった。

 そういう雰囲気の中、美津子が手を挙げた。

「先生、ちょっとよろしいでしょうか?」

「ん? 何だ? 聞きたいことがあるのか?」

「はい、この学校は進学校ですよね。でしたら勉強に集中するのが大切ですよね」

「もちろんだ。ほとんどの生徒が大学進学を目指しているから、青春を謳歌することも大切だが、受験勉強も大切だ。高校受験を経たばかりのみんなにまた受験のことを話すのは申し訳ないが、私たち教師の仕事として学力アップがある」

「そうですよね。その時、女子生徒が男子に変な色目を使って気持ちを乱すことは良くないと思うんですが・・・」

「どういうことだ?」

「高野さんのことです。坂本君になれなれしく話かけていました。こういうことは受験勉強に差し障りがあるんじゃないかと思いました。だから今、勇気を持って発言しました」

 担任は思いもよらなかった美津子の言葉に一瞬戸惑ったが、クラス内での発言だ。そのまま見過ごすわけにはいかない。

「坂本と高野、後で職員室に来なさい。話を聞く」

 その話で美津子とその仲間は顔を見合わせ、ニタニタと変な笑いを浮かべた。思った通りの展開になった、と考えていたのだ。

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