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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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高校入学 4

 家に着いた。相変わらず子猫はミーミー鳴いている。

 いつもと異なる玄関の様子に、母が奥から出てきた。

「さくらちゃん、どうしたの?」

 母は驚いた声で言った。

「子猫を拾ってきたの。可愛いでしょう。お母さん、飼っても良いでしょう」

「命を預かるというのは大変なことなのよ。たとえ猫でも生きているからいろいろあるし、お世話だって大変なの。何か病気を持っているかもしれないし、排泄のお世話もある。お母さん、そこまでお世話できないわ」

「じゃあ、また捨てて来いって言うの? 私にはできない。この子、私の手の中で安心している。それがまた一人ぼっちになるなんて可哀そう。この子のお世話は私がする。ずっと面倒みる。だからお願い、この子、ウチで育てたい」

「お父さんが何て言うか・・・。動物が好きかどうか分からないし・・・」

「私が説得する。だからお母さん、反対しないで」

「じゃあ、お父さんが帰ってからさくらから話して。私は黙って聞いているから。さくらが面倒を見るということと、お父さんからOKが出たなら私は良いわ」

「ありがとう、お母さん」

 私は母の目を見てお礼を言った。

「良かったね。あっ、名前、何が良いかな。・・・ううん、三毛猫だし、ミーミー鳴いているからミーちゃんかな。いい?」

 私は手の中にいる子猫と目が会うようにしながら話しかけた。その様子を見ていると安心したような顔になっていると思えた。まだ父の了解を取らなければならないが、既に飼うことが決定したような気持ちでいた。

 夜、いつもの時間に父が帰ってきた。私は玄関が開く音を聞きつけたらすぐに父のところに行った。

「お帰りなさい、お父さん」

「ああ、ただいま。今日はさくらが出迎えてくれたのか。嬉しいな。ん? 子猫か?」

 猫の鳴き声に父が気付いた。そのタイミングで母も奥から出てきた。

「今日、さくらが子猫を拾ってきたの。飼いたいって言うのよ。自分が面倒をみるからって。あなたの許可が必要だって言ったの」

「ふうん。さくら、本当に面倒をみることができるんだな。・・・だったら飼っても良いよ。実は俺の実家も昔、猫を飼っていて好きなんだ。だけど生き物だから面倒みるのは大変だぞ。拾って来たんだろう。それならまず病院に連れて行って健康状態を調べないといけない。明日、学校から帰ったら連れて行きなさい」

「じゃあ、飼っても良いのね。ありがとう。お父さん大好き」

「こういう時だけか?」

「そんなことないわ、何時も大好きよ」

「そうか、さくらからそう言われると嬉しいな」

「じゃあ明日、約束通り連れて行ってね」

 母が言った。

「分かった」

 そう言うと私はミーちゃんを自分の部屋に連れて行った。タオルで簡単に作った寝床に寝かせ、身体を優しく撫でた。さっきミルクを飲ませたばかりだから、お腹が一杯なのか、あるいは安心したのか、そのまますやすやと眠った。


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