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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
18/92

病院にて 1

 指定された診察室は入院時にお世話になった先生のところだった。医者は包帯を巻いた私の腕を見るとすぐに言った。

「腕を痛めたんですか? 骨は大丈夫ですか?」

「痛みは随分軽くなっています。転んだ時に手を床に着いて、それから痛みが出ました」

「そうですか。ではまずレントゲンを撮って骨の状態を確認しましょう」

「転んだだけですから、その時どこかぶつけたのかもしれません。レントゲンなんて、ちょっとオーバーですよ」

 私はそんなに大きなことと思っていなかったので、レントゲンの話に驚いていた。その様子に母が言った。

「さくら、先生の言うことを聞いてきちんと検査してもらいましょう」

 母が少し強い口調で言ったため、私はその言葉に従うことにした。

 レントゲン室には母も付いてきた。でも、室内に入れなかったので、廊下の椅子に座って待ってもらった。

 撮影が終わったらまた診察室のほうに行ったが、ほとんど待たずに呼び出しがあった。先ほど撮ったレントゲン写真は既に診察室に届いており、入室時、医者はその画像を確認していた。

「高野さん、橈骨にヒビが入っています。保健室の先生が固定された処置は適切でした。腕のことは分かりましたが、他に何か身体の問題はありませんか?」

「腕のこと以外、何もありません」

「そうですか。では腕を固定します。治るまで1ヶ月くらいを考えてください。高野さんには1ヶ月に1回、定期的な検査をお話ししていましたので、その時に様子を確認しましょう。この前病院に来たのが1週間くらい前だから、3週間後に来てください。腕に負担をかけないようにしてくださいね」

「はい、ありがとうございました。普段の生活のことでお話がありますので、お母さんはちょっと残ってください」

 前回と同じく母と医者だけが残ったが、親として気を付けることをアドバイスされるのだろうというくらいの気持ちでいたので、そのまま待合室のほうに行き、母が来るのを待つことにした。

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