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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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高校生活 2

 保健室のドアを開け、教室でのことを坂本が説明した。健康診断の時から保健室の先生は私のことを知っていた。

「高野さん、どこが痛いの?」

 私が痛い部位を示すと、私の腕を少し動かして確認した。

「ここをぶつけたということではないのね。折れたとかは無いと思うけど、骨に何らかのダメージがあるかもしれない。高野さん、先日入院した病院かあるわね。そこで診てもらって。担任の先生には私のほうから話しておくから」

「えっ、骨に異常があるんですか?」

「それを確認するために病院に行くの」

「でも、ここから少し離れています」

「先日入院したから、いろいろデータが残っているでしょう。こういう時は行き慣れたところのほうが良いの」

「分かりました。母に連絡して行ってきます」

 私は保健室の先生の言葉について少しオーバーかなと思いつつも、言われた通り母に電話し、一緒に行くことにした。

 保健室の先生が病院での検査を強く勧めたのには理由がある。健康診断の際、はっきりと言われたわけではないが、校医から何らかの病気の可能性があるかもしれないと聞いていたのだ。今回転倒したことで骨へのダメージを懸念して病院でのきちんとした受診を奨めたのだ。その場合、診断をした病院のほうが適切に対応してくれる。保健の先生は病院での検査の結果は知らないが、これまでのことから骨のダメージを心配したのだ。

 私と母は途中で待ち合わせをし、病院に向かった。念のためということで、私の腕には保健の先生が包帯と共に巻いてくれた副木が見える。その様子を見た母は少ながらず心配の表情が見られた。

「さくら、どうしたの。これは骨が折れたような時の感じじゃない」

「お母さん、保健の先生がオーバーなだけ。もう痛みも随分減ったし、ただの打ち身よ。湿布を張っておけばすぐに治るわ。心配ないよ」

 そういうことを話しながら病院に着いた時、入院の際にお世話になった看護師さんと会った。

「あら高野さん、怪我したの?」

「はい、保健の先生にここに行くようにと言われて・・・」

「そう、じゃあ、この前の先生にすぐに診てもらうようにします。ちょっと待っててね」

「いや、他の患者さんもいらっしゃいますし、待ちます」

「あの先生は外来の患者さんの診察は午前中だけなの。午後は入院されている患者さんを担当されているので、すぐに診てもらえるわ」

 その看護師はそう言うとその場から離れた。そしてその数分後、戻ってきた。

「じゃあ、高野さん、この前の診察室のほうに行って」

 そう言われ、私たちは診察室に向かった。

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