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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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入院 3

 入院2日目。明日で予定の検査も終わり、担当医からの最後の問診の後、退院ということになる。

 検査自体、昨日と同じ内容で、その点のストレスはない。こんなことだけで3日も入院するということが時間の無駄、という気がしていた。それよりも早く学校に戻りたい、という気持ちが強かった。確かに、美津子のことがあるので、その点は気になる。だが、それよりも楽しみにしていた高校生活をエンジョイしたいという気持ちが強かったのだ。

 午前中にこの日の検査の予定が終わったので、病室に戻った私は同室の人たちと談笑していた。

「私、明日退院します。短い間でしたが、お世話になりました。ありがとうございます」

「そう、良かったね」

「私はもう入院して2ヶ月になるけど、普通の生活に戻れるというのは良いことよ。うらやましくもあるけど・・・」

 口々に私の退院を喜んでくれた。短期間だったけれど、同じような境遇ということで労わりの気持ちだったのだろう。私自身、身体に特別な異常を実感しているわけではなかったので、病院の1日はとても長く感じた。同室の人たちともっと話そうと思っても事情が異なるので、私のペースで話しかけるわけにはいかない。ただ、この病院の場合、スマホの持ち込みができた。もちろん、音が出ないようにしなければならないので、イヤホンは必要だ。そのことは事前に聞いていたので、怠りなく準備していた。何もやることがない入院生活というには楽そうに見えるが、退屈な時間を過ごさなくてはならない。

 そういう時は動画サイトを見て、時間を潰すことが最良だ。もちろん、ニュースなどもチェックする。地上波ならテレビも見ることができるので、学校に行っている時間帯の番組も見ることができた。いつもの日常と違った生活に新鮮な感じがあったが、これが続くとなると退屈かなとも思えた。

≪日記≫

『明日は退院だ。病気という実感にない。天田さんと学校で会うのは少し憂鬱だけど、早く勉強したい。

 だって、そのために進学したんだもの。ちょっと出遅れたけど、そんなに進んでいないはずなので、すぐ取り戻せるはず。受験勉強が少し長引いたと思えばいいんだ。

 学校に戻った時、坂本君、また味方してくれるかな?

 明日は退院だ。ミーちゃんとも会える。楽しみだ』

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