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お母さん、私、恋したよ!  作者: 藤堂慎人
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高校入学 10

 月曜日に担任の先生に健康診断のことを話し、私は火曜日にお母さんと一緒に病院を訪れた。受付を済ませ、順番を待っていると呼び出しがあった。

「高野さん、診察室にお入りください」

 私たちは診察室に入った。変に緊張していた。自分では何とも思っていないけれど、診察室に入るだけで特別な気分になる。そのことは医者には容易に分かったらしい。

「高野さん、リラックスして下さい。これからちょっとお尋ねしますので、お答えください。最近、自分の体調で気になることはありますか?」

「特別ありません」

「疲れやすいとかはどうですか?」

「今高校1年ですが、中学生の時よりはそう感じます。でも、受験が終わったばかりだし、この前の学校の体力測定もそれが原因で疲れを感じたのだと思います」

「そうですか。目の調子はどうですか?」

 何故、目の調子を聞かれるのかは分からなかったけれど、正直に答えた。

「大丈夫です」

 そう言うと医者は目を開いて確認した。

「どうでした?」

「今は大丈夫なようですね」

 その言葉に母が反応した。

「今は、というのはどういう意味ですか?」

「いや、他意はありませんのでご心配なく」

 医者は他にも話を聞いてきたが、最後に入院を薦めてきた。

「もう少し健康状態を確認したいので、3日ほど入院していただけますか?」

 入院と聞いて、私と母は一様に驚いた。

「入院ですか? やっぱりどこか悪いんですか?」

「いえいえ、確認のためです。ご心配なく。何もないことを確かめるためです」

 自分では病気ではないと思っているだけに、入院という言葉には驚いた。それは母も同じだった。

「学校のこともありますので、担任の先生にも相談します」

「そうですね。でも早く問題ないことをはっきりさせるためにも、早目に入院して検査をしましょう」

≪日記≫

『病院に行ったら入院という話が出た。検査のためだという。私、何か重い病気なのかな? 私、これまで何も悪いこと、していないよね。学校でのことといい、悪いことが続きすぎ。これが夢なら早く覚めて欲しい。

 それにしても入院という話、ちょっと気になる。

 3日という話だけど、ミーちゃんと会えないのが寂しいな』


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