【チャレンジ!】秋の歴史2023を全作読んでみる 10/26(前編)
最終日21作の内の11作です。
最終更新日が26日の00:00から21:15となります。
残り3時間近くで10作って…。
【対象更新日:10/26(前編)】
150作目から159作目まで
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(#064)
作品名:秋の歴史2023:「戦国クラス転生」スピンオフ(長編)
作者名:月本 一 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:-
・テーマ:-
・おすすめ度:-
■一言
9/29~10/02で紹介した作品ですが、26日に新たに追加されています。
ですが「完了」になっていません。
…どういうことなの?
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#150
作品名:吉法師さまの握り飯(短編)
作者名:モモル24号 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★★★
・テーマ:★★★
・おすすめ度:★★★★
■一言
実は寿司(握り寿司)の歴史って、この秋の歴史のテーマが「食事」と出されてから、私が初めにやろうとしたことです。
【作中にあるのも参照にして、ざっくりと寿司の歴史】
・江戸以前 : ご飯の中に魚をいれ、発酵(およそ一年)させたものを食べていた(保存食、なれずし)
・江戸中期 : ご飯に酢をまぜ、箱の中で具材を入れた、発酵を速めた箱寿司が生まれる(まだ保存食)
・江戸後期 : 江戸で、魚介を下処理(いわゆる仕事)を施したものに、酢と塩(シャリ)の握り寿司(その場で食べれる早寿司)が生まれる(酢は米酢が主体だったが、早くから米の不足の代用品として粕酢(赤酢)のシャリも使われていた)
・寿司の形状と味 : シャリはほとんどおにぎりの大きさで、ネタもそれに合わせてデカい。またネタに施される仕事は、冷凍技術の関係から、とことんすっぱく、しょっぱく、甘かったらしい(ヘルシーじゃないよね寿司って)
・明治、大正、昭和初期 : 基本的に労働者の食べ物だったので、相変わらずデカくて、塩分糖分の補給から、ネタはすっぱく、しょっぱく、甘く味付けされていたが、次第に高級店も出てきて、冷凍技術の発展から、現在に近い形へ
・第二次大戦後 : 闇市を取り締まるため、「飲食営業緊急措置令」が出され、米を使った飲食物の営業が禁止となり、寿司屋は事実上壊滅状態
・上記の寿司屋の対応 : 「寿司屋は米の食事を出しているのではなく、握るのが商売」というすごい理論がGHQまで通り、寿司の営業は再開される。米は主に客が持って来たもので握っていたので、必然的に当時の食糧事情から、今の小ぶりなシャリとネタへ
・現在1 : 冷凍技術の進歩でネタに過剰な仕事(長期保存のため)をするのは少なくなっていくも、昔ながらの仕事を施す老舗や、新たに進歩させた高級店もあり
・現在2 : サーモンは伝統的なネタと思われるが、アニサキスの関係から日本では鮭を生食する習慣はなかった。1980年代ごろにノルウェーの水産業者から、生食ができるサーモンが回転ずしを中心に流行
こんな感じの流れの話を作ろうと思って、今年1月~3月あたりまで、調べてたんですが、こんなの誰が読みたいのかな?
あっ、内容は吉法師さまの先進性の話と、米食についてのエッセイが半々といった感じです。
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#151
作品名:日本人さん、ちょっそれ食うんですか?(短編)
作者名:衣谷強 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★
・テーマ:★★★★
・おすすめ度:★★★★
■一言
知る人ぞ知る、こんにゃくの製造過程の大変さ。
国産のこんにゃくの9割以上は、群馬県産です。おでんでこんにゃく食べたら、群馬に感謝!
フグの卵巣。あれも資格がないと作ったりしちゃダメなんですね。
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#152
作品名:九尾の狐のお子様ランチ(短編)
作者名:かなちょろ 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★
・テーマ:★★★
・おすすめ度:★★
■一言
現在に復活した九尾の狐と少年の話。
基本ギャグ調でおもしろかったです。果たしてこの続編は出て来るのか!
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#153
作品名:うなぎの祝言(長編)
作者名:藤倉楠之 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★★
・テーマ:★★★★
・おすすめ度:★★★★★
■一言
10月17日から10月26日にかけて、全12話の32000文字ほどの作品です。
江戸時代のとある藩で、長崎へ医学の遊学に行っていた医術の武家と、薬屋の奉公人の二人の若者。
帰郷すると、武家の若者は薬屋の娘との縁談が勝手に決められていた。
色々と登場人物が出ますが、基本的に誰もがいい感じの人々で、ハッピーエンドで丸く収まります。
メインは鰻の蒲焼ですが、ホカホカにするのと、口上のために熱したおから(きらず)を敷いた重箱を用意。
これが「きらず」と縁を切らない結び付きに掛けているのが面白いです。
その後、「まぶし」という重箱にホカホカの飯に鰻を敷いたもの。つまりうな重の話も出て来ます。
うおおおっ!うな重が食いたくなる一作でした!
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#154
作品名:アラフォー女子のささやかなお茶会 ~百年前のティーカップ~(短編)
作者名:猫田パナ 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★
・テーマ:★★★
・おすすめ度:★★★
■一言
何となく、大人の童話といった感じ。
でも古いティーカップや茶器で飲むお茶は、それだけで美味しそうな感じがします。
ほっこり系のお茶会話でした。
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#155
作品名:食事にまつわる歴史の問題集(短編)
作者名:2328_syuteos_2327 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★
・テーマ:★★
・おすすめ度:★★
■一言
なぜか突然の大学入学共通テスト。
ヤマトタケルの女装に関しては、前回の#145の「トールが花嫁」で、実際にトールが女装してスリュムからハンマーを取り返す伝説を思い出しました。
神話って、結構色々かぶってるんですね。
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#156
作品名:ルーテフィスク奇譚(短編)
作者名:海松ミル 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★
・テーマ:★★★★
・おすすめ度:★★★★
■一言
#151の「日本人さん、ちょっそれ食うんですか?」のノルウェー版(北欧版)ですね。
ルーテフィスクという、タラの干物を灰汁で数日漬けて、その後に水に数日漬けてアルカリ成分を落とした保存食。
これも面倒な製造だなぁ。「ノルウェー人さん、ちょっとそれ食うんですか?」ってツッコミたいです。
現在では、灰汁の代わりに水酸化ナトリウムを使用するそうです。(更にツッコミたい!)
題名通り、ホラー風味の感じで、秋のホラーとして楽しめました。
さて、トロールとヴァイキングの話が出てくるのですが、上の#155の「食事にまつわる歴史の問題集」を読んだ後なので、私はあることを思い出しました。
何年か前のセンター試験の問題の、「ムーミン(トロール)」と「小さなヴァイキングビッケ」の舞台(国)を問う問題。
ムーミンはスウェーデン系フィンランド人のトーベ・ヤンソン(1914~2001)がスウェーデン語で書いた物語。
ビッケはスウェーデン人のルーネル・ヨンソン(1916~2006)がスウェーデン語で書いた物語。
センター試験の正解は、ムーミンがフィンランド。ビッケがノルウェーだったそうなんですが、どういうことなの…?
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#157
作品名:武士の家の座敷童(短編)
作者名:夏月七葉 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★
・テーマ:★★★
・おすすめ度:★★★★
■一言
座敷童を出した、これも大人の童話といった感じです。
一見夏のホラーチックですが、今の寒い時期には温かいハートフルな物語です。
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#158
作品名:海苔ノリ浅草寺(短編)
作者名:黒森 冬炎 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★
・テーマ:★★★★
・おすすめ度:★★★★★
■一言
海苔(板海苔)でここまでの歴史物ができるとは。
いやいや、海苔は江戸前寿司では重要です。
しっかりパリパリに香り豊かに炙らないといけませんからね。
寿司の締めといえば干瓢巻き。海苔へのこのひと手間が重要なのです。
浅草は毎年初詣で行ってます。
雷門から仲見世のぎゅうぎゅうから観音様。そして隣の浅草神社にもお参りしてます。
タイムトリップものは何となく少なかった気がしますが、タイムトリップものでは、本作が一番印象に残りました。
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#159
作品名:白い皇女は暁にたたずむ(短編)
作者名:東郷しのぶ 様
■判定基準(★1~★5)
・歴史度:★★★★★
・テーマ:★★★
・おすすめ度:★★★★★
■一言
飛鳥時代。大津皇子が伊勢斎宮となった姉の大伯皇女を訪れる話。
万葉集で、この大津皇子がアポなしで、自分を訪れた事を大伯皇女が詠んだ歌があるそうです。
(勉強になるな~)
斎宮となってから、ある時に独特のヴィジョン(?)で、赤(紅・朱)が不吉なものと感じ取り、大伯皇女は徹底して赤を避け続けるも、最後に訪れて来た弟との別れの際に、一枚の赤い紅葉した葉を見てしまう。
弟の大津皇子の運命は…!?
#080の「宮中甘味こと始め」の元明天皇とか、この作品では悪役(!?)とされる鸕野讚良(持統天皇)とか、パワフルな女帝が多かった時代なんですね。
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そんな訳で、当初のやろうと思っていた予定の寿司について書きました。
辞めた理由は「多分、誰かがやるだろう」からです。
さて次で最後です。更新日10/26(後編)で行います。
いよいよ最後です。
最初の作品の最終更新日は10月26日21:46です。
【読んで下さった方へ】
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