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チート過ぎる裏ボス皇女様のゆったり日和  作者: 紗那
Ⅰ.丹念皇女と翹望
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《番外編》深厚皇女と年明け

ノルベルトが初めて分家の他王族と会ったお話。

そしてノルベルトのBD記念。

※時間軸としてはアスターシアが六歳の頃です。

→サブタイトル「最強皇女と帝国」(13話~14話の間)

──すっかり寒さも厳しくなったエスポワール帝国では新年を祝う祝宴を執り行っていた。

ここ数週間はいつも以上に厳重な警備が敷かれている。

それはエスポワール帝国の数多の従属国の王族が第一宮殿に集まっているからだった。


「お久しぶりです、ローラ様。

先日は誕生日のお祝いの贈り物をありがとうございました」

「お久しぶりですね、アスターシア皇女。

気に入っていただけているようで何よりです」


柔らかい金色のウェーブがかったロングヘアに薄桃色の柔らかな瞳。

プルメリア神聖王国の先代女王ローラ・ブバルディア。

現女王が子を身篭っているため随分久しぶりではあるが代わりに表舞台へ姿を現していた。

かつては先代女皇アステリアが治めていた時代に女王に即位しプルメリア神聖王国を治めていた。

母、シシアーティアのことを幼い頃より知る人。


「おや、このお方は……?」

「ご挨拶が遅れました。私の義弟、ノルベルトです」

「エスポワール帝国第一皇子ノルベルトと申します」

「おお、あなたが……初めましてノルベルト皇子。

プルメリア神聖王国をかつて治めていた者、

ローラ・ブバルディアと申します。

新たな皇子殿下にお会いできたこと光栄でございます」


ふわりと柔らかな笑みを浮かべるローラ様にノルベルトが少し緊張した様子で、

小さくありがとうございますと告げている。

やっぱりまだ緊張しているのね……と私も未だに少し緊張するから分かるなぁと心の中で頷く。

ノルベルトが私の義弟となって初めて迎えた新年の宴。

今まで国内の貴族としか関わり合うことがなかったことを思えば、

この日は大勢の王族がここに集まってくる。

唐突に見知らぬ人たちばかりの空間に緊張してしまうのは致し方ないと思う。


「ノルベルト皇子は今月にお誕生日がございましたね。

後日お祝いの贈り物をお送りさせていただきますね」

「ありがとうございます。大変恐縮です」


そう、今月はノルベルトの誕生日がある。

その準備ももう着々と進めているところで、

今年は何を贈ろうかなぁと考えているところだ。

ローラ様がいつも贈ってくださるものは、

プルメリア神聖王国の伝統工芸品。

本当に素敵なものばかりでよくお茶をする時にシーナ達に頼んで使っていることが多い。


「他の方々にはもうお会いしましたか?」

「ええ、でもフローラ様とはまだ……」

「フローラ?ああ、そうでした。

昨夜より体調を崩してしまったようで……。

これを代わりにお渡ししてほしいと頼まれていたのです」


ローラ様から手渡されたのは、

ヒメユリ王国でのみ生息する花々でできたリースだった。

ヒメユリ王国はエスポワール帝国の従属国の一つで、

多種多様な花が咲く国として有名。

毎年多くの花束を季節毎にお送りしてくださることがあり、

宮殿内に飾られている花瓶に生けられているほとんどはヒメユリ王国産のものばかり。


「わぁ……!綺麗ですね!」

「えぇ、とても立派に咲き誇った花々であしらわれた素晴らしいリースです。

これらは防腐加工されているそうですよ」

「そうなのですね!」


防腐加工付き……!

今年は青や白といった儚げな印象を抱く花々で作られていてとても麗しい。

毎年新年の宴で手渡しでお贈りしてくれるのだけれど、

これもまたお部屋に飾れるようになっていて個人的にとても嬉しい。

お誕生日にはヒメユリ王国のお花の形が彫られた茶器やお皿などを、

プルメリア神聖王国の王族直属の職人と手を組んで作ってくださったものをお送りしてくれる。

もちろん私達側からもお礼のお返しをしているのは当たり前なことだけれど。


「ローラ様。フローラ様に、

 ありがとうございます、大切に使いますとお伝えしてくださいますか」

「えぇ、必ずお伝え致しましょう」

「ありがとうございます」


ふわりとお礼を告げると柔らかな笑みを浮かべてローラ様は去っていかれた。

またお礼の品物を母上たちと考えないと……!

今月は新しく祝日となったノルベルトのお誕生日もあるし、

新しい年から嬉しいことばかり続く良い一年だと私はひっそり心の中で思った。


【終】

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