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チート過ぎる裏ボス皇女様のゆったり日和  作者: 紗那
Ⅰ.矜恃皇女と邁進
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60.矜恃皇女と授与式

騎士団と魔法師団を労うために開かれた無礼講のパーティーは沢山の人たちと話したり、

踊ったりしているうちに終わりの時間を迎え、

その日の翌日──大広間にこの国の上層部と騎士団、魔法師団が集い授与式が執り行われていた。


荘厳な雰囲気が漂う大広間は、

昨日とはまた違った緊張感に身を包まれる。

大広間の隅に一列に並んで授与される様子を静かに見届ける。


「この度は皆様のお陰で我が国の危機を乗り越えることができました。

民と国を守り、そしてその勇敢なる功績を称え、

計八名の心強き者たちへの畏敬と祝いの言葉をここで送ります」


母上の威厳に満ちた声が大広間内を響き渡る。

玉座の前に横一列に真っ直ぐ並んでいるのは、

戦の中で大きな活躍した騎士と魔法師の人たち。

勇敢に敵に攻め入り翻弄した強き者たち。

彼らの活躍だけではないがそれでも大きな被害を出さずに終わらせられたのは、

的確に敵を翻弄し戦意を乱した彼らの活躍が大きかった。

勇猛果敢に攻め入るその姿を見て鼓舞された者は多いだろう。

そんな相手にも味方にも影響を及ぼした人物に向けて、

その活躍を評して贈られるのが『ナイト・ストレングス大勲章』『ナイト・ウィット勲章』。

これは騎士団に所属する者に与えられるもので、

過去にはオズワルド騎士団長とエレボス副団長が授与している。


『ヴィル・ストレングス大勲章』『ヴィル・スセソール勲章』は魔法師団に所属する者に与えられる。

 

こちらはカノナス師団長が授与されている。

今回魔法師団の中でジスタが二人目の授与者となった。

今日行われている授与式は騎士や魔法師に授与するための式であり、

侍女や使用人などの従事者へ向けた授与式はまた別にある。


一つ一つ母上から授与者へ贈られる勲章は、

毎年細かなデザインが異なっている。

私が十四歳になってからデザインの発案に関わらせてもらった。

今年の騎士団に贈られる勲章にはガーベラの花、

魔法師団に贈られる勲章にはミニバラの花をかたどった勲章になっている。


荘厳な雰囲気の中執り行われた式はつつがなく終わり、

これにて今年の大きな行事は終了した。



「お疲れ様、ジスタ。

カノナス師団長に次いで二人目の授与者になったなんて本当に凄いわ」

「ありがとうございます」


部屋へ戻る廊下を歩く中、

後ろを歩くジスタに向けて改めてお祝いの言葉を述べる。


「レオも授与されて、ノルは嬉しそうね」

「ええ、幼馴染が栄誉ある勲章を戴いた訳ですから……とても嬉しいです」

「そうね。また別にお祝いの品を用意しましょうか」

「はい」


ジスタは『ヴィル・ストレングス大勲章』、

レオは『ナイト・ストレングス大勲章』を授与した。

レオは兄のイグナーツと共に授与されたということもあって別の意味でも良き日になったと思う。


「これで一段落かしら」

「色々とありましたからね」


部屋の前に辿り着いた私はここまで着いて来てくれたノルと共に部屋の中へ足を踏み入れる。

今日は午前に授与式、午後はノルと共に剣の稽古をする予定だ。

稽古中はユージスが一応見守ってくれることになっているのだが、

彼は今騎士団の任務で帰ってきていないため、

帰ってきてからノルと一緒に庭園へ向かうことにした。


「そういえばノルの近衛騎士に新しくレオが任命されることになったのよね。

いつから近衛騎士として従事することになるの?」

「来月からになります」

「そう……年明けに変わるのね」

「えぇ、正確には来年からというのが正しいですね」


クスッと笑みを浮かべてそう返すノルベルトはやはり嬉しそうだ。

これからは幼馴染が常に傍にいてくれることになる。

これほど心強いことはないだろうと思い私も嬉しくなる。

すっかり寒くなったエスポワール帝国には、

そろそろ年明けが訪れる。

新しい年は一体何が起きるのかこれからに思いを馳せる。


「新年会には叔母上が来られるようだし、

今からでもスフィア達へのプレゼントの内容でも考えましょうか」

「そうですね。ユージス隊長が来られるまでまだ時間がありそうですし」


新年の初めの日に行われる新年会は、

エスポワール帝国に各王国、公国の王族が集い挨拶に訪れる。

ヒンメル王国からは叔母のアメーリア、叔父のヴァウト、スフィアとシリルの姉弟が来る。

その他従属国や同盟国から挨拶に訪れる大きな行事だ。

そのため今まで以上に警備が厳重になる。

その日にスフィア達に何かプレゼントを用意しようという案だけが出たまま、

具体的な内容は考える暇がなくなってしまっていた。

そうしてつかの間の休息を紅茶を飲みながら堪能することにした。

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